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第一章 知り合いが どんどん増える 一週間
第5話 オレの名前を(考えて)言ってみろ
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そんなこんなで教会から出てみると
「おう、ソフィアじゃねーか。おはよう!」
とソフィアに話しかけてくる、燃えるような赤髪と宝石のように紅い瞳の美女がいた。
グラマーで少し筋肉質な身体に、Tシャツと、おそらくジーンズ? というラフな格好をしていた。
「おはようございます。魔界からこちらに来ていたのですね。何か御用でしょうか?」
「いやー、久々にこの辺りでも散策しようかと思ったんだが、なんだか大きな魔力を感じてな。で、発生源に来てみたんだが、ソフィアの横にいるお前がその発生源ぽいな」
とこちらを見てきた。
ソフィアの知り合いっぽいが、それよりも魔界から来たという発言が気になるな。
「お、俺? というか魔界から来たってことは、もしかして魔族?」
「そうだぜ。そういうあんたはソフィアの知り合いか? 教会の関係者……にはみえねぇが」
「彼はハクトさんといい、昨日異世界から来られた方です」
「異世界人! それでその魔力量だったか! オレは****って名前だ。よろしくな!」
名前の部分だが、今まで聞いたことのない、独特な発音であった。
「すまん、魔界の言葉なのか、名前の発音が難しくてうまく聞き取れないみたいだ」
「うん? ってああ、魔界の発音ってこっちのやつにはなかなか聞き取りにくいんだったな。こっちじゃ名前では呼ばれないから忘れてたぜ。うーん、どうすっかなぁ……。そうだ! ハクトの世界の言葉で名前をつけてくれないか?」
名案を思い付いた! といった表情で彼女がこちらにお願いをしてきた。
「ええ!? そんな急に言われても。せめて何か取っ掛かりがないと……」
「うーん。ソフィア、何かいい方法ないか?」
「そうですね。ハクトさんの名前は漢字で表現されていましたね。急なことですし、例えば漢字一文字で考えるのはどうでしょうか? それと、魔界の生き物はほとんどが属性を持っています。彼女の属性は火ですね」
「まあ確かに限定した方が考えやすいな。それで属性が火と……」
うーむ、漢字一文字で火属性っぽい名前か……。火……、炎……。
「……”焔”っていうのはどうだ?」
確か炎と同じ意味だったと思う。
彼女の髪がまるで燃えるように見えたので、そう提案してみた。
「ホムラ……。おう、シンプルで悪くない響きだな! 今度からそう名乗ることにするか! ありがとな!」
と背中をバシン! と叩かれた。
ちょっと痛い。
「っと、話がそれちまったな。オレは強いやつと模擬線するのが趣味でな。で、大きな魔力を抑えず出してるやつを見つけて、同じような趣味をしてるやつがいるんじゃねぇかと発生源に来てみたってわけだ。けど、実際は魔力の抑え方を知らない異世界人だったと」
「えっ、俺そんな状態なの?」
「ええ、そうですね。魔力のかけ流し状態です」
「人を温泉みたいに言わんでくれ。というかそれっていろいろと大丈夫なの? 体調とか」
「力を誇示するために常にその状態な魔族もいますし、問題ないかと」
「なるほど」
魔力が枯渇するかもと思ったが、そういえばMPがほぼ無限みたいに言ってたし、そちらも心配もなさそうだ。
「ただ、魔力の多い人間や魔族には近くにいると感知されてしまいますね。近くにそのような方は住んでいないので、抑え方も魔力の扱い方を教える時に、と思っていました。ですが、ホムラさんが釣れてしまいましたし、早めに抑え方を教える必要がありそうですね。大物の一本釣り、おみごとです」
「オレは魚か! っと、そういうことなら魔法の使い方も含めてオレが教えるってのはどうだ? 魔力の扱いに関しては魔族が得意、ってのがこの世界の常識だしな。どうせ今日は暇してるし」
「そうですね。ハクトさん、残りの説明は明日に回して、本日はホムラさんに教わるのはどうでしょうか?」
うーむ、ソフィアの知り合いっぽいし、魔力の扱いが上手いってことは、少なくとも俺の魔力の扱い方が問題ないかは教えてもらえるだろう。
それに、いろんな種族の知り合いが出来るのもうれしいかも。
というか、やっぱりみんなソフィアに対してつっこむのな。
「それじゃ、ホムラが問題なければお願いしようかな。ただ午前中はソフィアに街を案内してもらう予定だったんだ。すまんがその後とかでも大丈夫か?」
「おう、いいぜ! というかオレもこの辺を散策する予定だったしな。せっかくだし皆で行くか」
とのことで俺、ソフィア、ホムラの三人で街に繰り出すことになった。
◇
道中ソフィアからの説明を受け、偶に俺やホムラがつっこみをいれつつ、色々な商店を巡った。
その中には俺と同じ世界の人間が広めたであろうリバーシやチェス、将棋を含めた娯楽用品を扱うお店もあった。
結構大きなお店だったので、この世界の人間は恐らく日常的にそういったもので遊んでいるのだろう。娯楽関係で使えそうなアイディアを考えてみるのもありか?
途中、街の中心にある、広場と人が5人ほど通れそうな門が複数ある場所に案内された。
この門は転移門と呼ばれ、様々な街と繋がっているらしい。
利用するには結構高い料金を取られるが、元の世界で飛行機を使うと考えたらそれくらいなのかもしれない。
広場は転移魔法や魔道具で移動してくる場合の到着地として使うようだ。
基本的に、私有地とかこの広場のように許可された場所以外への転移は禁止されているみたいだった。
いろいろな防犯用の魔道具もあるらしく、この世界の違法行為への対策は魔法を駆使したものになってそうだな。
そんなこんなで主要なお店や施設の案内が終わったところで、正午くらいの時間になった。
丁度いいしお昼を食べよう! ということになり、ホムラおすすめの食事処で昼食を取ることにした。
元々ここで昼食を食べる予定で来ていたようだ。
案内されたお店は量が多く味付けも濃いめな料理を出すお店で、並のランチ定食を頼んだにも関わらずお腹いっぱいになった。
味や見た目は町中華風な感じでちょっと驚いたが、とってもおいしかったです。
ちなみに、ソフィアは同じ定食を平然と平らげており、ホムラは特盛をペロリと食べていた。
……二人とも結構食べるタイプなのね。
それにしてもこの感じだと、海外旅行でもよくある、いつもの食事が恋しい! ってなったときも大丈夫そうだな。
ちなみに支払いは、お腹いっぱいでぼーっとしている間に、ここはオレのおごりだぜ! と、ホムラが支払いを終えていた。
少し落ち着いたところで店を出ると
「さて、次はオレがハクトに魔力の使い方を教えるってことでいいんだよな?」
「ああ、よろしくな。それで、どこで教えてもら……」
「よっしゃ! というわけで魔界にご招待だ! ソフィア、またな!」
「えっ? 魔界ってどうい……」
なんて言っている間に、一瞬で視界が切り替わった。
「おう、ソフィアじゃねーか。おはよう!」
とソフィアに話しかけてくる、燃えるような赤髪と宝石のように紅い瞳の美女がいた。
グラマーで少し筋肉質な身体に、Tシャツと、おそらくジーンズ? というラフな格好をしていた。
「おはようございます。魔界からこちらに来ていたのですね。何か御用でしょうか?」
「いやー、久々にこの辺りでも散策しようかと思ったんだが、なんだか大きな魔力を感じてな。で、発生源に来てみたんだが、ソフィアの横にいるお前がその発生源ぽいな」
とこちらを見てきた。
ソフィアの知り合いっぽいが、それよりも魔界から来たという発言が気になるな。
「お、俺? というか魔界から来たってことは、もしかして魔族?」
「そうだぜ。そういうあんたはソフィアの知り合いか? 教会の関係者……にはみえねぇが」
「彼はハクトさんといい、昨日異世界から来られた方です」
「異世界人! それでその魔力量だったか! オレは****って名前だ。よろしくな!」
名前の部分だが、今まで聞いたことのない、独特な発音であった。
「すまん、魔界の言葉なのか、名前の発音が難しくてうまく聞き取れないみたいだ」
「うん? ってああ、魔界の発音ってこっちのやつにはなかなか聞き取りにくいんだったな。こっちじゃ名前では呼ばれないから忘れてたぜ。うーん、どうすっかなぁ……。そうだ! ハクトの世界の言葉で名前をつけてくれないか?」
名案を思い付いた! といった表情で彼女がこちらにお願いをしてきた。
「ええ!? そんな急に言われても。せめて何か取っ掛かりがないと……」
「うーん。ソフィア、何かいい方法ないか?」
「そうですね。ハクトさんの名前は漢字で表現されていましたね。急なことですし、例えば漢字一文字で考えるのはどうでしょうか? それと、魔界の生き物はほとんどが属性を持っています。彼女の属性は火ですね」
「まあ確かに限定した方が考えやすいな。それで属性が火と……」
うーむ、漢字一文字で火属性っぽい名前か……。火……、炎……。
「……”焔”っていうのはどうだ?」
確か炎と同じ意味だったと思う。
彼女の髪がまるで燃えるように見えたので、そう提案してみた。
「ホムラ……。おう、シンプルで悪くない響きだな! 今度からそう名乗ることにするか! ありがとな!」
と背中をバシン! と叩かれた。
ちょっと痛い。
「っと、話がそれちまったな。オレは強いやつと模擬線するのが趣味でな。で、大きな魔力を抑えず出してるやつを見つけて、同じような趣味をしてるやつがいるんじゃねぇかと発生源に来てみたってわけだ。けど、実際は魔力の抑え方を知らない異世界人だったと」
「えっ、俺そんな状態なの?」
「ええ、そうですね。魔力のかけ流し状態です」
「人を温泉みたいに言わんでくれ。というかそれっていろいろと大丈夫なの? 体調とか」
「力を誇示するために常にその状態な魔族もいますし、問題ないかと」
「なるほど」
魔力が枯渇するかもと思ったが、そういえばMPがほぼ無限みたいに言ってたし、そちらも心配もなさそうだ。
「ただ、魔力の多い人間や魔族には近くにいると感知されてしまいますね。近くにそのような方は住んでいないので、抑え方も魔力の扱い方を教える時に、と思っていました。ですが、ホムラさんが釣れてしまいましたし、早めに抑え方を教える必要がありそうですね。大物の一本釣り、おみごとです」
「オレは魚か! っと、そういうことなら魔法の使い方も含めてオレが教えるってのはどうだ? 魔力の扱いに関しては魔族が得意、ってのがこの世界の常識だしな。どうせ今日は暇してるし」
「そうですね。ハクトさん、残りの説明は明日に回して、本日はホムラさんに教わるのはどうでしょうか?」
うーむ、ソフィアの知り合いっぽいし、魔力の扱いが上手いってことは、少なくとも俺の魔力の扱い方が問題ないかは教えてもらえるだろう。
それに、いろんな種族の知り合いが出来るのもうれしいかも。
というか、やっぱりみんなソフィアに対してつっこむのな。
「それじゃ、ホムラが問題なければお願いしようかな。ただ午前中はソフィアに街を案内してもらう予定だったんだ。すまんがその後とかでも大丈夫か?」
「おう、いいぜ! というかオレもこの辺を散策する予定だったしな。せっかくだし皆で行くか」
とのことで俺、ソフィア、ホムラの三人で街に繰り出すことになった。
◇
道中ソフィアからの説明を受け、偶に俺やホムラがつっこみをいれつつ、色々な商店を巡った。
その中には俺と同じ世界の人間が広めたであろうリバーシやチェス、将棋を含めた娯楽用品を扱うお店もあった。
結構大きなお店だったので、この世界の人間は恐らく日常的にそういったもので遊んでいるのだろう。娯楽関係で使えそうなアイディアを考えてみるのもありか?
途中、街の中心にある、広場と人が5人ほど通れそうな門が複数ある場所に案内された。
この門は転移門と呼ばれ、様々な街と繋がっているらしい。
利用するには結構高い料金を取られるが、元の世界で飛行機を使うと考えたらそれくらいなのかもしれない。
広場は転移魔法や魔道具で移動してくる場合の到着地として使うようだ。
基本的に、私有地とかこの広場のように許可された場所以外への転移は禁止されているみたいだった。
いろいろな防犯用の魔道具もあるらしく、この世界の違法行為への対策は魔法を駆使したものになってそうだな。
そんなこんなで主要なお店や施設の案内が終わったところで、正午くらいの時間になった。
丁度いいしお昼を食べよう! ということになり、ホムラおすすめの食事処で昼食を取ることにした。
元々ここで昼食を食べる予定で来ていたようだ。
案内されたお店は量が多く味付けも濃いめな料理を出すお店で、並のランチ定食を頼んだにも関わらずお腹いっぱいになった。
味や見た目は町中華風な感じでちょっと驚いたが、とってもおいしかったです。
ちなみに、ソフィアは同じ定食を平然と平らげており、ホムラは特盛をペロリと食べていた。
……二人とも結構食べるタイプなのね。
それにしてもこの感じだと、海外旅行でもよくある、いつもの食事が恋しい! ってなったときも大丈夫そうだな。
ちなみに支払いは、お腹いっぱいでぼーっとしている間に、ここはオレのおごりだぜ! と、ホムラが支払いを終えていた。
少し落ち着いたところで店を出ると
「さて、次はオレがハクトに魔力の使い方を教えるってことでいいんだよな?」
「ああ、よろしくな。それで、どこで教えてもら……」
「よっしゃ! というわけで魔界にご招待だ! ソフィア、またな!」
「えっ? 魔界ってどうい……」
なんて言っている間に、一瞬で視界が切り替わった。
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