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第一章 知り合いが どんどん増える 一週間
第11話 ソフィアのグルメ(漫画)
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「さて、明後日はホムラに魔法を教わるとして、それ以外の日はどう過ごすのがいいか……。なあ、ソフィア。俺みたいな立場でもできる仕事とかないかな?」
チートな魔力があるとはいえ、異世界ファンタジーで定番な流れである冒険者ギルドに登録して魔物を倒す、みたいなのはちょっとできそうにない。
それに、冒険者ギルトと異世界人とか厄介事な予感しかないし。
まあ説明された内容から想像するに、異世界ファンタジーでイメージする冒険者ギルドってより、仕事の斡旋所って感じみたいだけど。
「それでしたら、私の仕事の手伝いをしていただく、というのはどうでしょうか。仕事量に応じて給料もお支払いします」
「あれ? 仕事って漫画を読むことじゃなかったっけ? それと、俺みたいにこっちの世界に迷い込んだ異世界人の案内だったような」
「天使としての仕事としてはそうですね。それと巫女としての仕事として、創造神様から指示を受けたり報告するものがあります。ただ、大きな問題が発生していなければ、報告する内容は簡単なものになります」
「ちなみに報告ってどうやってるんだ?」
ソフィアは再度リンフォンを取り出し……ってまさか!
「以前までは報告書に記載して天界に送っていましたが、現在はこちらのリンフォンを使っています。送信する際に私たちの魔力を込めますと、天界に届けることもできますので。やはり念じるだけでいいのは便利ですね」
めちゃくちゃ文明の利器にあやかってた!
「それじゃ、人間界にいる時天使たちは何をしてるんだ? 今聞いた限りだと、平時はほとんど仕事がなさそうだけど」
「そうですね。ベッドで横になりながら創造神様にお祈りを捧げていたり、街の視察をしながら食べ歩きをしていたり、与えられた部屋で趣味の活動をしたりと、それぞれ自由な行動をしています」
この世界の天使たちってもしかして……。
いや、皆まで言うまい。
「それと、私たち天使は必ずしも眠る必要はないため、天使としての業務は夜間に天界で行っています」
よかった、ちゃんと仕事していた。
……してるんだよな?
「ん? じゃあ俺が手伝う仕事って何をするんだ? 流石に夜は寝たいし、聞いた限り昼間は暇みたいだし」
「主に私が複製した異世界の文献の整理、指定した条件の本を探していただく、内容に関しての確認、といった内容ですね。他の方にお願いする、というわけにもいきませんので」
整理と検索、それに解説って感じか。
異世界の知識が必要だし、確かに異世界人じゃないとできなさそうだ。
まあ、専門的な知識が必要な本だと怪しいかもだけど。
「うーん、まずはお試しって形で大丈夫か?」
「そうですね。まずは実際に作業をしていただくのが良さそうです。差支えなければですが、今少しやってみますか? 今なら無料でお試しできます」
「いや、今じゃなかったらお金取るのかい! というか、普通は有料の商品を試してもらう時の宣伝文句なんだが……。 まあ、それは置いておいて。そうだな、まずはやってみよう」
むしろ、お試しなので給料は発生しない、みたいなことなのか?
……いや、深く考えるのはやめよう。
ソフィアは、両手で簡単に持てるサイズの箱を取り出すと、俺の目の前にある机の上に置いた。
「こちらに、近々読みなおそうと考えている本をまとめて入れてあります。手を入れながらイメージをすることで内容物を検索できますので、まずは……そうですね、料理について書かれた本、と考えながら探ってみてください」
「わかった。料理、料理っと。……ん?」
頭の中に浮かんできた本のイメージなんだが……。
これ、グルメ漫画じゃねぇか!
必要なのは#専門的な知識だったよ!
文献とか言われたから専門書とかを想像しちゃったけど、そういや向こうの世界の書物は全部が資料になるか。
……っと、まずは取り出さないとな。
「これでいいのか?」
取り出した漫画をソフィアに渡した。
というかこの魔道具、午前中に見た高い収納の奴と同じ種類のやつか!
値段に驚いてちゃんと見なかったけど、検索的な機能とかもついているってことで、値段が高かったんだな。
「ありがとうございます。問題なく取り出せましたね。それでなのですが、こちらのページを見てください」
そこにはサラリーマンが焼肉を食べているシーンが描かれていた。
有名なグルメ漫画だが、何が気になるのだろうか?
人間は焼肉で発電できるのかって?
まあ、流石にそれはないか。
……ないよな?
「こちらで使用している焼肉のたれのように、あちらの世界で調合された調味料など、味の想像が難しいものがあるのです。特に気になった物は収集した文献からレシピを探し出し、実際に作ってみるのですが、味を正しく再現できているのか疑問を持っています。また、レシピがないなど、作り方のわからないものもありますね」
「あー、確かに。でも、俺もそこまで作り方に詳しいわけじゃないんだが……」
一応自炊はしていたが、パッと作れるものばっかりだったしな。
「それなのですが、相手のイメージを共有する魔道具があります。こちら側をハクトさんに握っていただいた後、味のイメージを作り、魔力を流していただきます。そして反対側を私が握り、そのイメージを受け取る、といったものですね。設定で五感それぞれを共有できます」
ソフィアが取り出したのは、両側に手で握る取っ手のような部分と、真ん中に設定を変えるためのつまみのついた魔道具だった。
「その魔道具すごいな! それで、俺はこっちを握ればいいんだな」
「はい。そして私がこちら側を握ります。では焼肉のたれの味をイメージしながら魔力を流してみてください」
焼肉のたれ、考えてみればいろいろあるな。
うーん、とりあえずメジャーな金のやつにするか。
辛さは普通で。
ん? 送ったイメージがこっちにも返ってきたな。
なるほど、そこからさらに修正していくことでイメージを調整する感じか。
……というかこれ、腹が減ってくるな。
「こんな感じかな? 有名な商品の味をイメージしてみたんだが、どうだ?」
「なるほど。ピリ辛で醤油に砂糖、果実などいろいろ入ってそうな味ですね。なんだが食べたくなってくる味です」
ソフィアもやっぱり食べたくなったか。
前に食事は必須ではないとか言っていたが、昨日のハンバーグといい、ソフィアって結構な食いしん坊なのではないだろうか。
まあそれは置いといて、とりあえずイメージがきちんと伝わってよかった。
他にもどんな材料が入っているか、分かる限り教えて欲しいとのことだったので、確か、りんごやにんにくなどが入っていたはず、と伝えた。
ふと、日本の名称で通じるのかと確認したが、翻訳がいい感じにしてくれるらしい。
地味にこれもチートだな。
……いや、ソフィア。
人間は焼肉で発電はできない。
うおォン、は発電する音じゃないから!
そんなこんなで、とりあえず週に一回程度の頻度で手伝うことになった。
頻度が多いと漫画を読む時間が減ってしまう、といった理由だ。
ソフィアらしい理由だ。
その後、お礼ということでソフィアが焼肉を用意してくれた。
たれは俺も一緒になって作ったが、いい感じの味ができたと思う。
さらに、ソフィアが米を炊く魔道具でご飯も用意してくれたので、肉とご飯で無限に食えそうだった。
もう俺、発電所でいいや。
チートな魔力があるとはいえ、異世界ファンタジーで定番な流れである冒険者ギルドに登録して魔物を倒す、みたいなのはちょっとできそうにない。
それに、冒険者ギルトと異世界人とか厄介事な予感しかないし。
まあ説明された内容から想像するに、異世界ファンタジーでイメージする冒険者ギルドってより、仕事の斡旋所って感じみたいだけど。
「それでしたら、私の仕事の手伝いをしていただく、というのはどうでしょうか。仕事量に応じて給料もお支払いします」
「あれ? 仕事って漫画を読むことじゃなかったっけ? それと、俺みたいにこっちの世界に迷い込んだ異世界人の案内だったような」
「天使としての仕事としてはそうですね。それと巫女としての仕事として、創造神様から指示を受けたり報告するものがあります。ただ、大きな問題が発生していなければ、報告する内容は簡単なものになります」
「ちなみに報告ってどうやってるんだ?」
ソフィアは再度リンフォンを取り出し……ってまさか!
「以前までは報告書に記載して天界に送っていましたが、現在はこちらのリンフォンを使っています。送信する際に私たちの魔力を込めますと、天界に届けることもできますので。やはり念じるだけでいいのは便利ですね」
めちゃくちゃ文明の利器にあやかってた!
「それじゃ、人間界にいる時天使たちは何をしてるんだ? 今聞いた限りだと、平時はほとんど仕事がなさそうだけど」
「そうですね。ベッドで横になりながら創造神様にお祈りを捧げていたり、街の視察をしながら食べ歩きをしていたり、与えられた部屋で趣味の活動をしたりと、それぞれ自由な行動をしています」
この世界の天使たちってもしかして……。
いや、皆まで言うまい。
「それと、私たち天使は必ずしも眠る必要はないため、天使としての業務は夜間に天界で行っています」
よかった、ちゃんと仕事していた。
……してるんだよな?
「ん? じゃあ俺が手伝う仕事って何をするんだ? 流石に夜は寝たいし、聞いた限り昼間は暇みたいだし」
「主に私が複製した異世界の文献の整理、指定した条件の本を探していただく、内容に関しての確認、といった内容ですね。他の方にお願いする、というわけにもいきませんので」
整理と検索、それに解説って感じか。
異世界の知識が必要だし、確かに異世界人じゃないとできなさそうだ。
まあ、専門的な知識が必要な本だと怪しいかもだけど。
「うーん、まずはお試しって形で大丈夫か?」
「そうですね。まずは実際に作業をしていただくのが良さそうです。差支えなければですが、今少しやってみますか? 今なら無料でお試しできます」
「いや、今じゃなかったらお金取るのかい! というか、普通は有料の商品を試してもらう時の宣伝文句なんだが……。 まあ、それは置いておいて。そうだな、まずはやってみよう」
むしろ、お試しなので給料は発生しない、みたいなことなのか?
……いや、深く考えるのはやめよう。
ソフィアは、両手で簡単に持てるサイズの箱を取り出すと、俺の目の前にある机の上に置いた。
「こちらに、近々読みなおそうと考えている本をまとめて入れてあります。手を入れながらイメージをすることで内容物を検索できますので、まずは……そうですね、料理について書かれた本、と考えながら探ってみてください」
「わかった。料理、料理っと。……ん?」
頭の中に浮かんできた本のイメージなんだが……。
これ、グルメ漫画じゃねぇか!
必要なのは#専門的な知識だったよ!
文献とか言われたから専門書とかを想像しちゃったけど、そういや向こうの世界の書物は全部が資料になるか。
……っと、まずは取り出さないとな。
「これでいいのか?」
取り出した漫画をソフィアに渡した。
というかこの魔道具、午前中に見た高い収納の奴と同じ種類のやつか!
値段に驚いてちゃんと見なかったけど、検索的な機能とかもついているってことで、値段が高かったんだな。
「ありがとうございます。問題なく取り出せましたね。それでなのですが、こちらのページを見てください」
そこにはサラリーマンが焼肉を食べているシーンが描かれていた。
有名なグルメ漫画だが、何が気になるのだろうか?
人間は焼肉で発電できるのかって?
まあ、流石にそれはないか。
……ないよな?
「こちらで使用している焼肉のたれのように、あちらの世界で調合された調味料など、味の想像が難しいものがあるのです。特に気になった物は収集した文献からレシピを探し出し、実際に作ってみるのですが、味を正しく再現できているのか疑問を持っています。また、レシピがないなど、作り方のわからないものもありますね」
「あー、確かに。でも、俺もそこまで作り方に詳しいわけじゃないんだが……」
一応自炊はしていたが、パッと作れるものばっかりだったしな。
「それなのですが、相手のイメージを共有する魔道具があります。こちら側をハクトさんに握っていただいた後、味のイメージを作り、魔力を流していただきます。そして反対側を私が握り、そのイメージを受け取る、といったものですね。設定で五感それぞれを共有できます」
ソフィアが取り出したのは、両側に手で握る取っ手のような部分と、真ん中に設定を変えるためのつまみのついた魔道具だった。
「その魔道具すごいな! それで、俺はこっちを握ればいいんだな」
「はい。そして私がこちら側を握ります。では焼肉のたれの味をイメージしながら魔力を流してみてください」
焼肉のたれ、考えてみればいろいろあるな。
うーん、とりあえずメジャーな金のやつにするか。
辛さは普通で。
ん? 送ったイメージがこっちにも返ってきたな。
なるほど、そこからさらに修正していくことでイメージを調整する感じか。
……というかこれ、腹が減ってくるな。
「こんな感じかな? 有名な商品の味をイメージしてみたんだが、どうだ?」
「なるほど。ピリ辛で醤油に砂糖、果実などいろいろ入ってそうな味ですね。なんだが食べたくなってくる味です」
ソフィアもやっぱり食べたくなったか。
前に食事は必須ではないとか言っていたが、昨日のハンバーグといい、ソフィアって結構な食いしん坊なのではないだろうか。
まあそれは置いといて、とりあえずイメージがきちんと伝わってよかった。
他にもどんな材料が入っているか、分かる限り教えて欲しいとのことだったので、確か、りんごやにんにくなどが入っていたはず、と伝えた。
ふと、日本の名称で通じるのかと確認したが、翻訳がいい感じにしてくれるらしい。
地味にこれもチートだな。
……いや、ソフィア。
人間は焼肉で発電はできない。
うおォン、は発電する音じゃないから!
そんなこんなで、とりあえず週に一回程度の頻度で手伝うことになった。
頻度が多いと漫画を読む時間が減ってしまう、といった理由だ。
ソフィアらしい理由だ。
その後、お礼ということでソフィアが焼肉を用意してくれた。
たれは俺も一緒になって作ったが、いい感じの味ができたと思う。
さらに、ソフィアが米を炊く魔道具でご飯も用意してくれたので、肉とご飯で無限に食えそうだった。
もう俺、発電所でいいや。
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