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第一章 知り合いが どんどん増える 一週間
第16話 魔界のアトリエ
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そんなわけで、魔道具を作っている魔界の工房に転移した。
「ん? 薄暗い? もしかして転移先は室内?」
ある程度は見えたため周りを見渡してみると、作業机や紙の束、それとよくわからない機器が色々置いてあるようだ。
「こいつの工房は、まあ、色々な物を作る関係で地下にあるから日の光が届かないんだ。いつもは照明の魔道具で明るくしてるんだが……」
「ここを出る前にはいつも照明を省魔力状態にしているからね。今明るくするよ」
と言いながら、天井に向かって魔力を流すと明るくなった。
おお、それめっちゃ便利だな!
「さて、改めて私の工房にようこそ。そうだね、まずは私の名前をお願いできるかい? 後回しにすると忘れてしまいそうだからね。ああ、紙とペンも渡しておくよ」
そうだった。
あれから少し考えてみたんだけど、地属性はあんまりいい名前が思い浮かばなかったんだよな。
何かヒントでもないか、と彼女の方を見ると、ふと視界に入った青緑色の眼鏡が気になった。
「ん? ああこれかい? これも魔道具の一種でね。魔道具の中にある魔法陣を見るときに、それを見やすくするためのものさ。気になった魔道具があればすぐ見れるよう、なるべく身につけているよ」
なるほどな。
……そういえば、青緑の色を表す漢字に石が使われているものがあったな。
気にってもらえなかったらどうしようか、と思いながら、紙に思い浮かんだ漢字を記入した。
「”碧《あおい》”というのはどうだ? 青っぽい緑って意味があって、その眼鏡を見て思いついたんだ。ここの部分が”石”って漢字だね。本当は”土”って漢字を使った名前にしたかったんだが、いい名前が思いつかなくてな」
それと、確かジャスパーっていう鉱物が碧玉って漢字だった気がする。
昔、鉱石が置いてある博物館で見た時に、青緑っぽい色の他にも、彼女の瞳のように茶色に近いものあったように思うからぴったりなはず、と心の中で言い訳しておこう。
「アオイか……。いい響きだね。それに、この眼鏡は結構気に入っていてね。それにちなんだ名前と言うのも悪くない。アオイという名前、ありがたく使わせてもらうよ」
中々思いつかなかったけれど、気に入ってもらえてよかった。
「さて、それでは私の工房を案内しようじゃないか」
工房内にある様々な機器を説明してもらったが、正直よくわからないものも多かった。
それでも、
「これは、腕だけのゴーレム。何かを支えたり、繰り返し同じ動きをさせたいときに使っているね」
「こっちは魔道具の耐久テストをする道具だね。魔力をずっと流したり、一定の周期で流したりできるよ」
「これは作成した魔法陣を転写する装置だね。考案した複雑な魔法陣をテストするに、毎回試作品に刻むのは大変だからね」
などなど、興味を惹かれるものも多く、結構楽しめた。
というかやっぱりゴーレムってあるんだな。
俺にも作れそうなら作ってみたいかも。
「さて、次は君の世界で使われている道具、確か家電とか言っていたかな? について教えてもらおうかな」
「それもいいが、もう昼だぞ。そろそろメシでも食わないか?」
言われてみれば確かに。
「ああ、もうそんな時間か。確かに空腹を感じているな。外に食べに行く、のは確か彼はまだ許可をもらっていないんだったかな? それなら冷凍された食べ物が色々あるし、隣の部屋に行こうか」
「ああ、それにオレが昼飯用に色々買っておいたものも収納してある。それも食おうぜ!」
ということで昼食になった。
◇
隣の部屋には冷凍庫や食べ物を加熱するオーブンみたいな魔道具(流石に電子レンジではなかった)があった。外に出るのが面倒な時でもすぐに食事ができるようにしているらしい。
出てきたのは、四角いシンプルなチーズのピザ(っぽいもの)と、具沢山のミートソースのようなものだった。
ピザをU字に折り、そこにソースを挟んで食べるみたいで、ピザの耳で具材が溢れないようになっているみたいだ。
アオイは、片手で食べれるしお腹も膨れるから重宝しているよ、とのことだ。
もちもちしたピザに、色々な具材とひき肉の入ったミートソースの組み合わせは、結構おいしかった。
……これ、もしも教会の近くでも買えるなら、俺もストックしておこうかな?
それと、ホムラはハンバーガーやら、箱に入った焼きそばっぽいものやら色々購入していた。
俺の分もあらかじめ買っておいてくれたみたいで、やっぱりやさしいな。
◇
食事後はこっちの世界の道具について教えることになった。
とはいえ、まずは何を教えるのがいいか……。
なんて考えていたが、アオイがイメージを伝える魔道具を取り出すのを見ながら、ふと思い浮かんたことを聞いてみた。
「この魔道具で視覚的なイメージを相手に送る代わりに、例えば紙に印刷したり、複数人で見れるようにできる魔道具とかは存在していないのか?」
「書籍や新聞などを複製する魔道具はあるけど、そういった魔道具はないね。魔法としては、光属性の魔法で頭のイメージを映し出す魔法はあったはずだ。……確かに、この魔道具では一人にしかイメージを送れないし、記録を残すこともできないね」
そういえば、昨日魔道具の専門店に行った時も、テレビに該当しそうな魔道具は見当たらなかったな。
そのあたりの分野はまだまだ開発途中ってことなんだろうか?
「実に興味深いね。そういった発想が出るということは、君の身近には似たようなものが存在してるのかい?」
「そうだな。あー、言葉だけだと説明が難しいからその魔道具でイメージを共有しながらの説明でいいか?」
「もちろん」
というわけで、テレビ、というかモニターかな? とプリンターのイメージを共有しつつ説明した。
とはいっても専門的な部分はわからないから、ざっくりとした説明だったけど。
「なるほどなるほど」
と言いながら、アオイは紙によくわからない絵や記号のようなものを書き連ねていった。
「ありがとう、大変参考になったよ。今日のお礼をしたいが、何か希望はあるかい? 欲しい魔道具があればそれを進呈する、とかでもかまわないよ」
お礼、と言われても難しいな。
俺としては、ただ持ってた知識を伝えただけって印象だし。
……あ、そうか、それなら
「それなら、ゴーレムを作る魔法とかはないかな? それを教えてもらいたいかな」
「なるほど、知識には知識か。もちろんいいさ。だけど、この場所で教えるにはちょっと手狭だね」
「そしたらオレが模擬戦とかで使ってる場所でやるか? 今日はハクトに、また魔法でも教えるつもりだったしな」
「ああ、あの場所か。そうだね、それじゃあさっそく向かおうか」
と、俺に確認を取る前に転移させられた。
いやまあ、頼んだのは俺だし、別にいいんですけどね。
「ん? 薄暗い? もしかして転移先は室内?」
ある程度は見えたため周りを見渡してみると、作業机や紙の束、それとよくわからない機器が色々置いてあるようだ。
「こいつの工房は、まあ、色々な物を作る関係で地下にあるから日の光が届かないんだ。いつもは照明の魔道具で明るくしてるんだが……」
「ここを出る前にはいつも照明を省魔力状態にしているからね。今明るくするよ」
と言いながら、天井に向かって魔力を流すと明るくなった。
おお、それめっちゃ便利だな!
「さて、改めて私の工房にようこそ。そうだね、まずは私の名前をお願いできるかい? 後回しにすると忘れてしまいそうだからね。ああ、紙とペンも渡しておくよ」
そうだった。
あれから少し考えてみたんだけど、地属性はあんまりいい名前が思い浮かばなかったんだよな。
何かヒントでもないか、と彼女の方を見ると、ふと視界に入った青緑色の眼鏡が気になった。
「ん? ああこれかい? これも魔道具の一種でね。魔道具の中にある魔法陣を見るときに、それを見やすくするためのものさ。気になった魔道具があればすぐ見れるよう、なるべく身につけているよ」
なるほどな。
……そういえば、青緑の色を表す漢字に石が使われているものがあったな。
気にってもらえなかったらどうしようか、と思いながら、紙に思い浮かんだ漢字を記入した。
「”碧《あおい》”というのはどうだ? 青っぽい緑って意味があって、その眼鏡を見て思いついたんだ。ここの部分が”石”って漢字だね。本当は”土”って漢字を使った名前にしたかったんだが、いい名前が思いつかなくてな」
それと、確かジャスパーっていう鉱物が碧玉って漢字だった気がする。
昔、鉱石が置いてある博物館で見た時に、青緑っぽい色の他にも、彼女の瞳のように茶色に近いものあったように思うからぴったりなはず、と心の中で言い訳しておこう。
「アオイか……。いい響きだね。それに、この眼鏡は結構気に入っていてね。それにちなんだ名前と言うのも悪くない。アオイという名前、ありがたく使わせてもらうよ」
中々思いつかなかったけれど、気に入ってもらえてよかった。
「さて、それでは私の工房を案内しようじゃないか」
工房内にある様々な機器を説明してもらったが、正直よくわからないものも多かった。
それでも、
「これは、腕だけのゴーレム。何かを支えたり、繰り返し同じ動きをさせたいときに使っているね」
「こっちは魔道具の耐久テストをする道具だね。魔力をずっと流したり、一定の周期で流したりできるよ」
「これは作成した魔法陣を転写する装置だね。考案した複雑な魔法陣をテストするに、毎回試作品に刻むのは大変だからね」
などなど、興味を惹かれるものも多く、結構楽しめた。
というかやっぱりゴーレムってあるんだな。
俺にも作れそうなら作ってみたいかも。
「さて、次は君の世界で使われている道具、確か家電とか言っていたかな? について教えてもらおうかな」
「それもいいが、もう昼だぞ。そろそろメシでも食わないか?」
言われてみれば確かに。
「ああ、もうそんな時間か。確かに空腹を感じているな。外に食べに行く、のは確か彼はまだ許可をもらっていないんだったかな? それなら冷凍された食べ物が色々あるし、隣の部屋に行こうか」
「ああ、それにオレが昼飯用に色々買っておいたものも収納してある。それも食おうぜ!」
ということで昼食になった。
◇
隣の部屋には冷凍庫や食べ物を加熱するオーブンみたいな魔道具(流石に電子レンジではなかった)があった。外に出るのが面倒な時でもすぐに食事ができるようにしているらしい。
出てきたのは、四角いシンプルなチーズのピザ(っぽいもの)と、具沢山のミートソースのようなものだった。
ピザをU字に折り、そこにソースを挟んで食べるみたいで、ピザの耳で具材が溢れないようになっているみたいだ。
アオイは、片手で食べれるしお腹も膨れるから重宝しているよ、とのことだ。
もちもちしたピザに、色々な具材とひき肉の入ったミートソースの組み合わせは、結構おいしかった。
……これ、もしも教会の近くでも買えるなら、俺もストックしておこうかな?
それと、ホムラはハンバーガーやら、箱に入った焼きそばっぽいものやら色々購入していた。
俺の分もあらかじめ買っておいてくれたみたいで、やっぱりやさしいな。
◇
食事後はこっちの世界の道具について教えることになった。
とはいえ、まずは何を教えるのがいいか……。
なんて考えていたが、アオイがイメージを伝える魔道具を取り出すのを見ながら、ふと思い浮かんたことを聞いてみた。
「この魔道具で視覚的なイメージを相手に送る代わりに、例えば紙に印刷したり、複数人で見れるようにできる魔道具とかは存在していないのか?」
「書籍や新聞などを複製する魔道具はあるけど、そういった魔道具はないね。魔法としては、光属性の魔法で頭のイメージを映し出す魔法はあったはずだ。……確かに、この魔道具では一人にしかイメージを送れないし、記録を残すこともできないね」
そういえば、昨日魔道具の専門店に行った時も、テレビに該当しそうな魔道具は見当たらなかったな。
そのあたりの分野はまだまだ開発途中ってことなんだろうか?
「実に興味深いね。そういった発想が出るということは、君の身近には似たようなものが存在してるのかい?」
「そうだな。あー、言葉だけだと説明が難しいからその魔道具でイメージを共有しながらの説明でいいか?」
「もちろん」
というわけで、テレビ、というかモニターかな? とプリンターのイメージを共有しつつ説明した。
とはいっても専門的な部分はわからないから、ざっくりとした説明だったけど。
「なるほどなるほど」
と言いながら、アオイは紙によくわからない絵や記号のようなものを書き連ねていった。
「ありがとう、大変参考になったよ。今日のお礼をしたいが、何か希望はあるかい? 欲しい魔道具があればそれを進呈する、とかでもかまわないよ」
お礼、と言われても難しいな。
俺としては、ただ持ってた知識を伝えただけって印象だし。
……あ、そうか、それなら
「それなら、ゴーレムを作る魔法とかはないかな? それを教えてもらいたいかな」
「なるほど、知識には知識か。もちろんいいさ。だけど、この場所で教えるにはちょっと手狭だね」
「そしたらオレが模擬戦とかで使ってる場所でやるか? 今日はハクトに、また魔法でも教えるつもりだったしな」
「ああ、あの場所か。そうだね、それじゃあさっそく向かおうか」
と、俺に確認を取る前に転移させられた。
いやまあ、頼んだのは俺だし、別にいいんですけどね。
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