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第一章 知り合いが どんどん増える 一週間
第19話 会ってない三人を連れてきたよ
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王様は護衛の人と退席し、俺たちは再度待合室に案内された。
少し待っていると会食の準備ができたと、会食用の部屋に案内された。
……おっと、またメイドさんに注目しそうになった。
部屋に入ると、先ほどの王様と、その王様の面影のある、俺と同じくらいの年齢の女性がいた。
髪型はロングな巻髪をしており、おそらくは王女様だろう。
引っ張っても流石にびよ~ん、とはしなさそうだが、
……これで口調がですわ、だったら完璧だな。
「おお、来たか。紹介しよう、私の娘で第二王女のクレアだ」
「初めまして。私はウィズダム国第二王女、クレアですわ」
本物のですわキター!!
……いや、落ちつけ、俺。
「妻や息子、他の娘たちもお主に会いたがっていたが、今回はクレア以外は遠慮してもらったのだ。予定があるものもおったし、多くの王族に囲まれるのも居心地が悪かろう」
うん、正直ありがたい。
色んな王族に囲まれた中での食事は味がわからなさそうだ。
「異世界から来ました、ハクトと言います。よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いするのですわ! 私は異世界のスイーツについて色々お聞きしたくて、お父様にお願いしたのですわ。本日は顔合わせで、また後日詳しいお話などしていただきたいのですわ」
異世界のスイーツか。
……うーん、コンビニのスイーツとかはたまに買って食べていたけど、そんなに詳しいとは言えないな。
それに、こっちの世界にきてからは、デザートとかの甘いものはまだほとんど食べてないから、何があって何がないかとかもわからないな。
「それと、対等な立場で話したいので敬語は不要ですわ。名前もクレアと呼び捨てで構わないのですわ。それと、私はこれが口癖なので気にしなくで大丈夫なのですわ!」
「わかりまし……わかった。ただ、こっちの世界のスイーツはまだ食べたことがなくて、どんなものがないのかわからないんだ。それに、スイーツが特別好きってわけではなくてな。たまに食べたくなったときに食べる、くらいでそんなに詳しくもないんだ」
ですわのおかげか、本人の気質なのか、王女様とはなんとなく話しやすそうだ。
よかった。
「わかっているのですわ。最初はレシピなどが詳しく伝わっていないものをお願いするのですわ。五感を共有できる魔道具をご存じかしら? あちらを使ってお城のシェフと味や見た目を共有してほしいのですわ」
なるほど、例の魔道具か。
というか、この世界に来てからあの魔道具の出番がすごく多いな。
流石は、アオイが異世界の知識を教わるために作った魔道具だ。
「それと、本日は異世界から伝わったプリンというものが、デザートで出される予定ですわ。ぜひご感想をいただきたいですわ」
と、会話をしている内に料理の準備ができたようで、それぞれが席についた。
◇
食事は前菜から始まり、スープ、肉料理、口直しのシャーベット、ご飯もの、そしてデザートというコースだった。
デザートは先ほどクレアが言っていたプリンだった。
見た目はシンプルなものだったが、お城のシェフが作っているおかげか、とってもおいしかった。
食事が済み、先ほどのデザートについてクレアと話しをしていると、扉がノックされた。
王様が許可を出すと執事(っぽい人)が入室し、小声で何かを王様に報告していた。
「む、それは本当か?」
執事がうなずくと、王様はこちらに向き直り
「ハクト。どうやら我が城に六大魔皇が揃って訪問したようでな。お主が無期限かついつでも魔界全土に訪問が可能な許可証を発行しに来たそうだ」
「え!? なんで急に! あ、あの、その許可証というのも初めて聞いたのですが?」
ソフィアから聞いた説明によると、そもそも魔皇というのは魔界を収める各属性のトップのことみたいだった。
昔は魔王という名称だったが、500年前に人間界に勝手に魔王を名乗り、魔王と言う名称のイメージが悪くなったため、魔皇という名称に変更となったらしい。
例えば火属性の魔皇であれば、火魔皇と呼ばれている。
それで、肝心の許可証のことだな。
魔界に行くにはルールが必要というのは前に聞いていたが、王様がその詳しい説明をしてくれた。
もしも魔界に行きたい場合は、基本的にはその人物が所属している国と、行きたい属性の魔皇が納める地域からの許可が必要らしい。
とはいえ、俺の世界でいうパスポートを使って旅行するように、一時滞在であれば各所に設けられた役所で申請できるようだ。
と、通常はそのような感じなのだが、今回の許可証は無期限かつ魔界全土という、名前の通りフリーパスとでも言っていい代物だった。
そのような許可証はトップ同士の許可が必要であり、今回は双方の話し合いのための訪問となったようだ。
とはいえ、話し合い自体は魔道具でも済む話であるし、訪問も急な話ではあったようだが。
……というか、どうしてそんな許可証を俺に発行しようとしてるんだろうか?
「そしてな。お主がこちらに来ているのを知っており、六大魔皇がお主に会いたいとのことだ。先ほど話に出た魔族が、お主が城に向かうのを見かけたのかもしれぬな。ああ、問題がなければ私も同席しよう。許可証の話もその場でするほうが効率が良いしな」
ええ!! どどどどど、どうしよう。これ断れる奴かな?
断ったら、どっちの顔にも泥を塗ることにしかならないよな。
……はぁ、仕方ない、覚悟を決めよう。
「……わかりました。会おうと思います」
「そうか! 正直そうしてくれるとこちらとしても助かる。……お主には関係ない話ではあるが、長い間魔界と人間界の関係は微妙でな。幸いにもトップ同士の関係は良好と言えるが、一般市民同士となると中々難しい問題が残っていてな」
一国の王として、俺には分からない色々な苦労がありそうだ。
そういえばホムラも、人間界では魔族は力こそ正義! みたいなイメージが残っているとか言っていたっけ。
とそういうわけで会食は終わりとなった。
流石にクレアは同席しないようで、
「シェフとの予定を確認して、教会に連絡するのですわ!」
と退室する前に伝えていった。
◇
再びメイドさんに案内され、やってきました会談用の部屋。
……というか魔族のトップが俺と会いたいって、要件はなんだろうか?
やっぱり異世界人だから向こうの話を知りたいとかだろうか?
それと、許可証に関しても急すぎる話だ。
せめて理由が知りたいな。
なんて悩んでいると扉がノックされ、「魔皇の方々をお連れ致しました」と扉の奥から声が聞こえた。
王様が入室を許可し、先頭で入ってきた人の顔を伺うと
「ハヤテ!? なんでここに!?」
なんと先頭にいたのはハヤテだった!
そして続いてホムラとアオイ、知らない三人の魔族が入室してきた。
三人はそれぞれの髪色が異なり、色の感じからして紺色の腰辺りまで伸びた髪のスレンダーな美少女が水、漆黒で長髪なハヤテよりも小さい魔族が闇、黄金のような金髪の豊満な胸部装甲の美女が光の魔皇だろう。
「ハクト、久しぶり~! あとソフィアも~! 四日ぶりかな?」
「おいハヤテ! ハクトには事前に伝えてあるって言ってなかったか!?」
「あはは、すまないねハクト君。ハヤテにまんまと騙されたよ」
と見知った三人が喋り、
「もしやと思ったが、ハクトが出合った魔族とは火、風、地魔皇の方々であったか……」
王様は少し驚いた様子でそうつぶやいた。
……ハヤテがすみません、と謝りたくなるな。
初見となる方々についての様子として、闇魔皇はため息をついていた。
水魔皇は、
「あまりにも急に集められて不思議に思ったけど、ハヤテの企みだったのね」
そして光魔皇は……
「ハヤテちゃん? こういういたずらはだめって言ったでしょ?」
笑顔なのに、後ろからゴゴゴゴ、という効果音が聞こえてきそうな雰囲気でハヤテを叱っていた。
「なるほど、これがハクトさんを中心とした修羅場というものですか」
うん、ソフィア。
それは違う。
◇
ソフィアに訂正を入れている最中、王様と六大魔皇の皆は挨拶を交わしていた。
続いて許可証の話したいとなったが、半分が俺の知り合いということもあり簡単に許可証が発行された。
ただ、魔皇側の条件として、魔界で行動する時は魔界に慣れるまで魔皇の誰かを連れていくことを条件に付け足された。
治安が悪い地域とかもあるみたいで、俺としてもそうしてもらうと助かる。
そして許可証の話が終わると、その手続きなどをするために王様が退室した。
残った皆とは軽く自己紹介をした。本当は色々な話をしたいのだが、偉い人ばかりに会うという緊張から解放されたのが原因か、疲れがどっと来て正直しんどかった。
そんな様子を見たホムラから、
「今日はあんまり時間も取れないし、皆が暇な時にでも色々話そうぜ!」
と提案があり、皆もそれに同意した。
……ホムラがいてくれて、本当に助かった。
少し待っていると会食の準備ができたと、会食用の部屋に案内された。
……おっと、またメイドさんに注目しそうになった。
部屋に入ると、先ほどの王様と、その王様の面影のある、俺と同じくらいの年齢の女性がいた。
髪型はロングな巻髪をしており、おそらくは王女様だろう。
引っ張っても流石にびよ~ん、とはしなさそうだが、
……これで口調がですわ、だったら完璧だな。
「おお、来たか。紹介しよう、私の娘で第二王女のクレアだ」
「初めまして。私はウィズダム国第二王女、クレアですわ」
本物のですわキター!!
……いや、落ちつけ、俺。
「妻や息子、他の娘たちもお主に会いたがっていたが、今回はクレア以外は遠慮してもらったのだ。予定があるものもおったし、多くの王族に囲まれるのも居心地が悪かろう」
うん、正直ありがたい。
色んな王族に囲まれた中での食事は味がわからなさそうだ。
「異世界から来ました、ハクトと言います。よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いするのですわ! 私は異世界のスイーツについて色々お聞きしたくて、お父様にお願いしたのですわ。本日は顔合わせで、また後日詳しいお話などしていただきたいのですわ」
異世界のスイーツか。
……うーん、コンビニのスイーツとかはたまに買って食べていたけど、そんなに詳しいとは言えないな。
それに、こっちの世界にきてからは、デザートとかの甘いものはまだほとんど食べてないから、何があって何がないかとかもわからないな。
「それと、対等な立場で話したいので敬語は不要ですわ。名前もクレアと呼び捨てで構わないのですわ。それと、私はこれが口癖なので気にしなくで大丈夫なのですわ!」
「わかりまし……わかった。ただ、こっちの世界のスイーツはまだ食べたことがなくて、どんなものがないのかわからないんだ。それに、スイーツが特別好きってわけではなくてな。たまに食べたくなったときに食べる、くらいでそんなに詳しくもないんだ」
ですわのおかげか、本人の気質なのか、王女様とはなんとなく話しやすそうだ。
よかった。
「わかっているのですわ。最初はレシピなどが詳しく伝わっていないものをお願いするのですわ。五感を共有できる魔道具をご存じかしら? あちらを使ってお城のシェフと味や見た目を共有してほしいのですわ」
なるほど、例の魔道具か。
というか、この世界に来てからあの魔道具の出番がすごく多いな。
流石は、アオイが異世界の知識を教わるために作った魔道具だ。
「それと、本日は異世界から伝わったプリンというものが、デザートで出される予定ですわ。ぜひご感想をいただきたいですわ」
と、会話をしている内に料理の準備ができたようで、それぞれが席についた。
◇
食事は前菜から始まり、スープ、肉料理、口直しのシャーベット、ご飯もの、そしてデザートというコースだった。
デザートは先ほどクレアが言っていたプリンだった。
見た目はシンプルなものだったが、お城のシェフが作っているおかげか、とってもおいしかった。
食事が済み、先ほどのデザートについてクレアと話しをしていると、扉がノックされた。
王様が許可を出すと執事(っぽい人)が入室し、小声で何かを王様に報告していた。
「む、それは本当か?」
執事がうなずくと、王様はこちらに向き直り
「ハクト。どうやら我が城に六大魔皇が揃って訪問したようでな。お主が無期限かついつでも魔界全土に訪問が可能な許可証を発行しに来たそうだ」
「え!? なんで急に! あ、あの、その許可証というのも初めて聞いたのですが?」
ソフィアから聞いた説明によると、そもそも魔皇というのは魔界を収める各属性のトップのことみたいだった。
昔は魔王という名称だったが、500年前に人間界に勝手に魔王を名乗り、魔王と言う名称のイメージが悪くなったため、魔皇という名称に変更となったらしい。
例えば火属性の魔皇であれば、火魔皇と呼ばれている。
それで、肝心の許可証のことだな。
魔界に行くにはルールが必要というのは前に聞いていたが、王様がその詳しい説明をしてくれた。
もしも魔界に行きたい場合は、基本的にはその人物が所属している国と、行きたい属性の魔皇が納める地域からの許可が必要らしい。
とはいえ、俺の世界でいうパスポートを使って旅行するように、一時滞在であれば各所に設けられた役所で申請できるようだ。
と、通常はそのような感じなのだが、今回の許可証は無期限かつ魔界全土という、名前の通りフリーパスとでも言っていい代物だった。
そのような許可証はトップ同士の許可が必要であり、今回は双方の話し合いのための訪問となったようだ。
とはいえ、話し合い自体は魔道具でも済む話であるし、訪問も急な話ではあったようだが。
……というか、どうしてそんな許可証を俺に発行しようとしてるんだろうか?
「そしてな。お主がこちらに来ているのを知っており、六大魔皇がお主に会いたいとのことだ。先ほど話に出た魔族が、お主が城に向かうのを見かけたのかもしれぬな。ああ、問題がなければ私も同席しよう。許可証の話もその場でするほうが効率が良いしな」
ええ!! どどどどど、どうしよう。これ断れる奴かな?
断ったら、どっちの顔にも泥を塗ることにしかならないよな。
……はぁ、仕方ない、覚悟を決めよう。
「……わかりました。会おうと思います」
「そうか! 正直そうしてくれるとこちらとしても助かる。……お主には関係ない話ではあるが、長い間魔界と人間界の関係は微妙でな。幸いにもトップ同士の関係は良好と言えるが、一般市民同士となると中々難しい問題が残っていてな」
一国の王として、俺には分からない色々な苦労がありそうだ。
そういえばホムラも、人間界では魔族は力こそ正義! みたいなイメージが残っているとか言っていたっけ。
とそういうわけで会食は終わりとなった。
流石にクレアは同席しないようで、
「シェフとの予定を確認して、教会に連絡するのですわ!」
と退室する前に伝えていった。
◇
再びメイドさんに案内され、やってきました会談用の部屋。
……というか魔族のトップが俺と会いたいって、要件はなんだろうか?
やっぱり異世界人だから向こうの話を知りたいとかだろうか?
それと、許可証に関しても急すぎる話だ。
せめて理由が知りたいな。
なんて悩んでいると扉がノックされ、「魔皇の方々をお連れ致しました」と扉の奥から声が聞こえた。
王様が入室を許可し、先頭で入ってきた人の顔を伺うと
「ハヤテ!? なんでここに!?」
なんと先頭にいたのはハヤテだった!
そして続いてホムラとアオイ、知らない三人の魔族が入室してきた。
三人はそれぞれの髪色が異なり、色の感じからして紺色の腰辺りまで伸びた髪のスレンダーな美少女が水、漆黒で長髪なハヤテよりも小さい魔族が闇、黄金のような金髪の豊満な胸部装甲の美女が光の魔皇だろう。
「ハクト、久しぶり~! あとソフィアも~! 四日ぶりかな?」
「おいハヤテ! ハクトには事前に伝えてあるって言ってなかったか!?」
「あはは、すまないねハクト君。ハヤテにまんまと騙されたよ」
と見知った三人が喋り、
「もしやと思ったが、ハクトが出合った魔族とは火、風、地魔皇の方々であったか……」
王様は少し驚いた様子でそうつぶやいた。
……ハヤテがすみません、と謝りたくなるな。
初見となる方々についての様子として、闇魔皇はため息をついていた。
水魔皇は、
「あまりにも急に集められて不思議に思ったけど、ハヤテの企みだったのね」
そして光魔皇は……
「ハヤテちゃん? こういういたずらはだめって言ったでしょ?」
笑顔なのに、後ろからゴゴゴゴ、という効果音が聞こえてきそうな雰囲気でハヤテを叱っていた。
「なるほど、これがハクトさんを中心とした修羅場というものですか」
うん、ソフィア。
それは違う。
◇
ソフィアに訂正を入れている最中、王様と六大魔皇の皆は挨拶を交わしていた。
続いて許可証の話したいとなったが、半分が俺の知り合いということもあり簡単に許可証が発行された。
ただ、魔皇側の条件として、魔界で行動する時は魔界に慣れるまで魔皇の誰かを連れていくことを条件に付け足された。
治安が悪い地域とかもあるみたいで、俺としてもそうしてもらうと助かる。
そして許可証の話が終わると、その手続きなどをするために王様が退室した。
残った皆とは軽く自己紹介をした。本当は色々な話をしたいのだが、偉い人ばかりに会うという緊張から解放されたのが原因か、疲れがどっと来て正直しんどかった。
そんな様子を見たホムラから、
「今日はあんまり時間も取れないし、皆が暇な時にでも色々話そうぜ!」
と提案があり、皆もそれに同意した。
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