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第三章 要するに この章ほとんど デートかい
第42話 Library of Sophia in the Church(名前の長いタイトル)
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漫画を読んだり、休憩したりを繰り返していると、なんだかお腹が空いてきた気がしたな。
部屋にあった時計を見ると、そろそろお昼の時間だった。道理で。
「ソフィア、メイ。そろそろお昼の時間みたいだけど、二人はどうする?」
と聞いてみたが
「……」
返事がない。
メイは どくしょちゅうの ようだ……。
一方のソフィアは、こちらに顔を向け、
「そうですね。午後も読書の予定ですし、教会の調理場で何かを作りましょうか」
と答えつつ、メイをちらりと見ると
「読書の邪魔はしないでおきましょう。私は、読書はなるべく中断されたくはないと思いますので」
俺にぶぶ漬けを勧めるくらいにな。
「……そうだな。それじゃ、俺も食べたいし、手伝うよ」
「お願いします」
と、二人で調理場に移動することにした。
◇
というわけでソフィアと昼食を作ったのだが……、
「おー。結構それっぽいのができたな!」
「中々の再現度だと思います。ハクトさん、お手伝いありがとうございました」
ソフィアと話し合った結果、何故か弁当が完成した。
最初は、せっかくだしメイが喜びそうな料理を作ろう、ということになった、
まず、メイの好きそうな食べ物は何かと考えたが、この前魔界の城で一緒に食事をした時は、出てきた料理を全種類食べていたんだよな。
これだと、嫌いなものは少なさそうかも? ってくらいしかわからないな。
それなら、今読んでいる漫画に出てくる料理を作ろう! ということになり、紆余曲折ありつつ、この弁当が完成した。
作った弁当というのは、所謂キャラ弁というやつだ。
しかも、メイが読んでいる漫画に、そのお弁当自体が出てくるんだよな。
つまりはマンガ飯でもあるわけだ。
ちなみに弁当の粗熱は、ソフィアが魔法でさくっと取っていた。
食べるときは逆に、魔法で加熱もできるらしい。
やっぱり魔法って便利だ。
「それじゃ、弁当を持ってメイの所に戻るか」
「そうですね」
◇
部屋に戻ると、メイは漫画を読んでいなかった。
キリのいいところまで読んだのかな?
「……おかえり。……この漫画、さっき読み終わったところ。……とっても面白かった。……あと、お腹すいた」
おおう。確か40巻くらいあったと思うけど、もう読み終わったのか。
流石、本が大好きなだけあるな。
「それなら丁度よかったです。昼食を作って来ましたので、メイさんも一緒に食べますか?」
「……ありがと。……もちろん食べる」
部屋にあった机の上にそれぞれ弁当を置き、蓋を開けた。
ちなみに、ソフィアとメイの弁当は俺のより多めだ。
さて、メイの反応はどうだ?
「……すごい! ……漫画に出てきたお弁当そっくり」
よし! いい反応をもらえたな。
その後も、「……食べるのが、もったいない」なんて葛藤しつつも、空腹に負けて食べていた。
◇
食事が終わり、
「……ふう、まんぞく。……ソフィア、ハクト、とっても、おいしかった。……ありがと」
「おう。どういたしまして」
「お口にあったようで、良かったです」
俺も満足だ。たまにはこういった弁当ってのもいいな。ごちそうさまでした!
◇
弁当を片付け一息ついたところで、メイからソフィアに質問があった。
「……そういえば、ソフィアは、漫画を主に集めているけど、どうして? ……この世界には、同じような形式の本が、ないから?」
「そうですね。珍しいから、という理由もあります。……漫画は、文字だけではなく絵も用いて物語を表現しています。そのため、この世界にはない独特な表現や技法が使われています。また、描かれている絵も、あまりこの世界では見ないような画風が多いですね。これが漫画を集めている主な理由です」
そういえば、ソフィアが漫画を集めている理由って聞いたことがなかったけど、そんな理由だったのか。
「……なんとなくだけど、わかる気がする。……だけど、ハクトが言っていた、異世界の娯楽小説も読んでみたい、かも。……ソフィア、何か持ってる?」
「そうですね。異世界で”ライトノベル”と呼ばれている小説なら、複製したものがあります。あちらでは、小説を漫画にして表現する、ということも行われているのですが、そのような作品では漫画と小説を比較したり、補完するためにどちらも集めています」
「……そうなのね」
メイはこちらを向くと、
「……ハクトのいた世界で、流行っていた小説には、どういったジャンルがあるの?」
「うーん、そうだな。色々あるけど、例えばミステリー、恋愛とかかな? それと、異世界を舞台にした話も人気だったな」
他にもSFとか色々思い当たるけど、説明が難しそうだから言わなかった。
メイが色々な異世界に慣れてきたら、薦めてみようかな?
「……異世界を舞台にした話が気になる、かも。……例えば、ハクトみたいに、主人公が異世界に来る話は、ある?」
「たくさんあるぞ。それだけで、一つのジャンルができるくらいな」
Web上でも盛んに執筆されていて、そういった作品も色々読んだな。
……色んな方向性の作品があって、本当にすごかった。
「……それなら、そういった小説を読んでみたい。……ハクト、何かおすすめはある?」
おすすめかぁ。正直いっぱいありすぎて選ぶのが難しい。
……うーん。やっぱり、一昔前に出た小説の方がいいかな?
俺はソフィアに、0なヒロインが出てくるラノベが無いかを聞いたところ、ソフィアは収納から背表紙が緑色の本を取り出した。
流石はソフィア、その本も複製して持っていたか。
メイはソフィアから本を受け取り、パラパラとめくってみた。
「……挿絵が、何枚もある。……これが、ソフィアの言っていた”ライトノベル”っていう本の特徴?」
「ああ。基本的にそうだと思うぜ」
「……なるほど。……興味深い。……まずは読んでみる」
と、メイは本の世界へと旅立っていった。
うーん、俺はどうしようかな。
「本は読みたいけど、ずっと同じ姿勢なのも結構辛いんだよな。……そういえば、ソフィアはずっと本を読んでいるけど大丈夫なのか?」
「そうですね。身体強化の魔法を弱めにかけることで、対策していますので。メイさんも使用しているようですね」
「え、何それ。詳しく知りたいんだけど」
メイの方を注意して見ると、確かに微弱な魔力の流れを感じる。
というか身体強化の魔法って普通、戦闘で使う魔法なんじゃ……。
まあ、あの辛さが無くなるならどうでもいいか!
ということで、ソフィアに魔法のコツを教わり、実際に座りながらやってみた。
「おお……。なんか血行が良くなってる気がする。……これなら、あんまり疲れずに読書ができそうだな。ソフィア、ありがと」
「それならよかったです」
こうして、引き続き午後も読書に励《はげ》んだ。
◇
本を読み終わり時計を見てみると、夕方がそろそろ終わりそうな時間だった。
「もうこんなに時間が経ったのか。疲れを感じないからか、全然わからなかった」
身体強化、すごいな。
使用するのに慣れたら、読書に集中してしまった。
「うーん。一日にこんなに大量の本を読んだのは、久々な気がする」
ゴブリンの本は、こっちの常識に疎かったりして、何だかんだで読むのに時間が掛かったからな。
そういう意味では、メイの読書の速さがさらにすごく感じるかも。
そういえばソフィアとメイはどうしているかな? と二人の方を見てみると、メイは読書に夢中だった。
ソフィアは、こちらの独り言に反応したのか、本から顔を上げて時計の方を見ていた。
「もうこんな時間でしたか。そろそろ夕食を考える時間ですね」
「そうだな。……メイは、まだ読書中か」
「でしたら、夕食もこちらで作りましょうか」
と、またソフィアと一緒に料理を作ることにした。
というわけで完成したのが、前に作ってみた焼肉のたれを使った焼肉丼だ。
つけあわせにサラダとかも作ったぞ。ソフィアが。
メイやソフィアとは、本の感想を言い合ったり、疑問に答えたりしつつ食事をした。
うん、今日もおいしかった!
◇
食事と片付けが終わり、今日のソフィア図書館は閉館ということになった。
メイとはリンフォンの魔力を交換し、ソフィアとも同じように交換していた。
メイは去り際、
「……知らない本がいっぱいあって、本を読んでいたら料理が出てくる。……ここ、すごく気に入った」
なんて言っていた。
……明日以降、教会でメイと会う機会がすごく増えそうだ。
部屋にあった時計を見ると、そろそろお昼の時間だった。道理で。
「ソフィア、メイ。そろそろお昼の時間みたいだけど、二人はどうする?」
と聞いてみたが
「……」
返事がない。
メイは どくしょちゅうの ようだ……。
一方のソフィアは、こちらに顔を向け、
「そうですね。午後も読書の予定ですし、教会の調理場で何かを作りましょうか」
と答えつつ、メイをちらりと見ると
「読書の邪魔はしないでおきましょう。私は、読書はなるべく中断されたくはないと思いますので」
俺にぶぶ漬けを勧めるくらいにな。
「……そうだな。それじゃ、俺も食べたいし、手伝うよ」
「お願いします」
と、二人で調理場に移動することにした。
◇
というわけでソフィアと昼食を作ったのだが……、
「おー。結構それっぽいのができたな!」
「中々の再現度だと思います。ハクトさん、お手伝いありがとうございました」
ソフィアと話し合った結果、何故か弁当が完成した。
最初は、せっかくだしメイが喜びそうな料理を作ろう、ということになった、
まず、メイの好きそうな食べ物は何かと考えたが、この前魔界の城で一緒に食事をした時は、出てきた料理を全種類食べていたんだよな。
これだと、嫌いなものは少なさそうかも? ってくらいしかわからないな。
それなら、今読んでいる漫画に出てくる料理を作ろう! ということになり、紆余曲折ありつつ、この弁当が完成した。
作った弁当というのは、所謂キャラ弁というやつだ。
しかも、メイが読んでいる漫画に、そのお弁当自体が出てくるんだよな。
つまりはマンガ飯でもあるわけだ。
ちなみに弁当の粗熱は、ソフィアが魔法でさくっと取っていた。
食べるときは逆に、魔法で加熱もできるらしい。
やっぱり魔法って便利だ。
「それじゃ、弁当を持ってメイの所に戻るか」
「そうですね」
◇
部屋に戻ると、メイは漫画を読んでいなかった。
キリのいいところまで読んだのかな?
「……おかえり。……この漫画、さっき読み終わったところ。……とっても面白かった。……あと、お腹すいた」
おおう。確か40巻くらいあったと思うけど、もう読み終わったのか。
流石、本が大好きなだけあるな。
「それなら丁度よかったです。昼食を作って来ましたので、メイさんも一緒に食べますか?」
「……ありがと。……もちろん食べる」
部屋にあった机の上にそれぞれ弁当を置き、蓋を開けた。
ちなみに、ソフィアとメイの弁当は俺のより多めだ。
さて、メイの反応はどうだ?
「……すごい! ……漫画に出てきたお弁当そっくり」
よし! いい反応をもらえたな。
その後も、「……食べるのが、もったいない」なんて葛藤しつつも、空腹に負けて食べていた。
◇
食事が終わり、
「……ふう、まんぞく。……ソフィア、ハクト、とっても、おいしかった。……ありがと」
「おう。どういたしまして」
「お口にあったようで、良かったです」
俺も満足だ。たまにはこういった弁当ってのもいいな。ごちそうさまでした!
◇
弁当を片付け一息ついたところで、メイからソフィアに質問があった。
「……そういえば、ソフィアは、漫画を主に集めているけど、どうして? ……この世界には、同じような形式の本が、ないから?」
「そうですね。珍しいから、という理由もあります。……漫画は、文字だけではなく絵も用いて物語を表現しています。そのため、この世界にはない独特な表現や技法が使われています。また、描かれている絵も、あまりこの世界では見ないような画風が多いですね。これが漫画を集めている主な理由です」
そういえば、ソフィアが漫画を集めている理由って聞いたことがなかったけど、そんな理由だったのか。
「……なんとなくだけど、わかる気がする。……だけど、ハクトが言っていた、異世界の娯楽小説も読んでみたい、かも。……ソフィア、何か持ってる?」
「そうですね。異世界で”ライトノベル”と呼ばれている小説なら、複製したものがあります。あちらでは、小説を漫画にして表現する、ということも行われているのですが、そのような作品では漫画と小説を比較したり、補完するためにどちらも集めています」
「……そうなのね」
メイはこちらを向くと、
「……ハクトのいた世界で、流行っていた小説には、どういったジャンルがあるの?」
「うーん、そうだな。色々あるけど、例えばミステリー、恋愛とかかな? それと、異世界を舞台にした話も人気だったな」
他にもSFとか色々思い当たるけど、説明が難しそうだから言わなかった。
メイが色々な異世界に慣れてきたら、薦めてみようかな?
「……異世界を舞台にした話が気になる、かも。……例えば、ハクトみたいに、主人公が異世界に来る話は、ある?」
「たくさんあるぞ。それだけで、一つのジャンルができるくらいな」
Web上でも盛んに執筆されていて、そういった作品も色々読んだな。
……色んな方向性の作品があって、本当にすごかった。
「……それなら、そういった小説を読んでみたい。……ハクト、何かおすすめはある?」
おすすめかぁ。正直いっぱいありすぎて選ぶのが難しい。
……うーん。やっぱり、一昔前に出た小説の方がいいかな?
俺はソフィアに、0なヒロインが出てくるラノベが無いかを聞いたところ、ソフィアは収納から背表紙が緑色の本を取り出した。
流石はソフィア、その本も複製して持っていたか。
メイはソフィアから本を受け取り、パラパラとめくってみた。
「……挿絵が、何枚もある。……これが、ソフィアの言っていた”ライトノベル”っていう本の特徴?」
「ああ。基本的にそうだと思うぜ」
「……なるほど。……興味深い。……まずは読んでみる」
と、メイは本の世界へと旅立っていった。
うーん、俺はどうしようかな。
「本は読みたいけど、ずっと同じ姿勢なのも結構辛いんだよな。……そういえば、ソフィアはずっと本を読んでいるけど大丈夫なのか?」
「そうですね。身体強化の魔法を弱めにかけることで、対策していますので。メイさんも使用しているようですね」
「え、何それ。詳しく知りたいんだけど」
メイの方を注意して見ると、確かに微弱な魔力の流れを感じる。
というか身体強化の魔法って普通、戦闘で使う魔法なんじゃ……。
まあ、あの辛さが無くなるならどうでもいいか!
ということで、ソフィアに魔法のコツを教わり、実際に座りながらやってみた。
「おお……。なんか血行が良くなってる気がする。……これなら、あんまり疲れずに読書ができそうだな。ソフィア、ありがと」
「それならよかったです」
こうして、引き続き午後も読書に励《はげ》んだ。
◇
本を読み終わり時計を見てみると、夕方がそろそろ終わりそうな時間だった。
「もうこんなに時間が経ったのか。疲れを感じないからか、全然わからなかった」
身体強化、すごいな。
使用するのに慣れたら、読書に集中してしまった。
「うーん。一日にこんなに大量の本を読んだのは、久々な気がする」
ゴブリンの本は、こっちの常識に疎かったりして、何だかんだで読むのに時間が掛かったからな。
そういう意味では、メイの読書の速さがさらにすごく感じるかも。
そういえばソフィアとメイはどうしているかな? と二人の方を見てみると、メイは読書に夢中だった。
ソフィアは、こちらの独り言に反応したのか、本から顔を上げて時計の方を見ていた。
「もうこんな時間でしたか。そろそろ夕食を考える時間ですね」
「そうだな。……メイは、まだ読書中か」
「でしたら、夕食もこちらで作りましょうか」
と、またソフィアと一緒に料理を作ることにした。
というわけで完成したのが、前に作ってみた焼肉のたれを使った焼肉丼だ。
つけあわせにサラダとかも作ったぞ。ソフィアが。
メイやソフィアとは、本の感想を言い合ったり、疑問に答えたりしつつ食事をした。
うん、今日もおいしかった!
◇
食事と片付けが終わり、今日のソフィア図書館は閉館ということになった。
メイとはリンフォンの魔力を交換し、ソフィアとも同じように交換していた。
メイは去り際、
「……知らない本がいっぱいあって、本を読んでいたら料理が出てくる。……ここ、すごく気に入った」
なんて言っていた。
……明日以降、教会でメイと会う機会がすごく増えそうだ。
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