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第四章 伝承の おもちゃとちゃちゃっと パーティを
第55話 魔力には個人差があり、威力を保証するものではありません
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「それで、次に行きたい場所とか、やりたいことはあるか?」
「うーん、そうね……。あっ、そうだ! それなら、ハクトと最初に会ったお店に行きたいかも。あのお店には、わたしが開発に関わったものとか、目利きして入荷しているものとか、色々と紹介したいものがあるのよね。苦労話や魅力的な商品に出合った経緯とかも含めてね。もちろん、気に入ったら買ってくれてもいいのよ?」
「それはちょっと気になるかも。まあ買うかどうかはアキナの紹介次第、なんてな」
「ふふふっ。ハクトこそ、買い過ぎて財布が軽くならないようにね! それじゃ、行きましょ!」
◇
ということで、今井商会の娯楽用品店に来た。
「そうね、まずはこれを紹介しようかしら。この手袋状の商品なんだけど、手の甲の部分に魔石がついているの。手に魔法を込めると、手のひらにある魔法陣から威力の低いウォーターボールが出るのよ」
俺のいた世界でいう、水鉄砲みたいなものなのかな?
ただ、使える魔法も単純そうだし、これがすごい商品には見えてこないなぁ。
俺がそう思っていたのが表情に出たのか、
「なんだか微妙な表情をしているわね。全然すごい商品に見えない、って思ったかしら?」
なんて、思っていたことを当てられてしまった。
「ふふっ。まあ実際、この商品は昔からあるものだから、そう思うのが普通ね。子供たちが魔法の練習をしたり、水をぶつけあって遊んだりするのに使われているわ」
「なんだ、そうなのか。……それじゃ、その商品を俺に紹介した理由は何かあるのか?」
「もちよんよ! 商品を開発したというより、この商品を使った遊びを発明したって感じね。まずこの手袋なんだけど、誰が使っても同じ威力のウォーターボールが出るの。つまりこれを使えば、魔法の得意不得意が関係なくなるってことなの。そこでピンッときたのよね。これを使えば、多くの人が楽しめるような、魔法を使ったスポーツが作れそうって」
こっちの世界に来てから色々な話を聞いた感じ、人によって魔力の大きさにはかなり違いがあるみたいだからな。
もし魔法を使ったスポーツを何か考えるとしたら、その辺りが結構難しそうだ。
「まずは、建物を使ったものを考えたわ。簡単に説明すると、壁に隠れて待ち伏せしたり窓越しに魔法を撃ったりして、相手に魔法をぶつけたほうが勝ち、っていうルールね。何人かでチームを組んでやってみたんだけど、結構楽しかったわ」
いわゆるサバゲ―みたいな感じかな?
それと、アキナも参加者としてやってみたのね。
「ただ、遊ぶためには広い建物が必要だったりして、気軽には遊べないのよね。だから、次はもう少し手軽に遊べる方法を考えることにしたわ。とはいえ、わたしも他の参加者も楽しかったって感想だったから、これはこれで採用することにしたの。壁とか窓を再現した場所を何種類か作って、時間を決めて貸し出しすことで遊べるようにしてみたわ」
そこでも商売に繋げるとは、流石はアキナだな。
「次は、わたしが生まれた東方のスポーツを参考に考えてみたの。冬にやるスポーツで、お互いが雪玉を投げ合うものなんだけど、雪で作った壁で雪玉をやり過ごしつつ雪玉を作ったり、そうしている相手を山なりに投げた雪玉で狙ったり、みたいに結構面白いスポーツよ」
それって、もしかしなくても雪合戦てやつだな。
「俺のいたとこでも同じようなスポーツがあったな。俺が住んでいたところはそんなに雪が積もらなかったこともあって、実際にやったことはないけど」
「やっぱり、どこでも似たようなことを考える人はいるのね。それで、それを参考にしたスポーツを作ってみたの。壁は結界魔法の魔道具で作って、ウォーターボールを撃てる魔道具には、一度発射した後何秒か撃てなくなる機能を追加したの。それと、これね」
アキナは、手袋の横に置いてあった、箱テッシュくらいの大きさをした箱を手に取った。
「これは、結界魔法を使って壁を作る魔道具ね。威力が弱いウォーターボールを防ぐだけだから、結界魔法の魔道具も小型で安く作れたの。それで、これらを実際に売り出してみたら、そこそこな人気商品になったわ。特に夏にはぴったりってなって、今の時期は主力商品の一つなのよ」
「なるほどな。俺のいた世界でも水を飛ばす道具はあったけど、壁の方は手軽に持ち運べなさそうだな。夏のスポーツといえば、海辺で遊べる道具が色々あったなぁ」
浮き輪とかビーチバレーの道具とか、サーフボードとか、考えれば色々出てくるな。
「ハクトのいた世界での娯楽用品も、色々聞いてみたくなるわね……。まあそれは後の楽しみにして、まずは商品の紹介を続けるわね!」
あっ、やっぱり後で色々聞かれるんですね。
◇
他にも、釣りに使う道具として、魔力を加えると魚そっくりに動くルアーや、キャンプ用品として、テント専用に小さく作った空調用の魔道具など、趣味に使う色々なものについて紹介してもらった。
特にキャンプ用品なんかは、冒険者にも結構売れているとか。
……そういえば、異世界っぽい施設の冒険者ギルドには一回も行った事がないな。
まあ、用がないのに行くってのもあれだけどさ。
とはいえせっかくの異世界だし、一度は行ってみようかな。
それにしても、こうして案内してもらうと、おもちゃ以外にも色々な娯楽用品を扱っているんだって知ることができたな。
……何かわからないものが多くて、そっちのコーナーを全然見てなかったからなんだけどさ。
次に、アキナとボードゲームが置いてあるコーナーに移動した。
アキナは一つの商品を手に取ると、説明を始めた。
「わたしが見つけた中で、一番ピン、ときたのはこれ! 人生双六っていうボードゲームよ! この街で散歩していた時に見つけたおもちゃ屋さんが、自分の所で制作して売っていたの。他にも色々面白そうなおもちゃを売っていて、そこの店主さんにうちの商会でここの商品を扱わせてほしい、ってお願いしたのよね。その時はまだ責任者じゃなかったから、わたしのお父さんから許可をもらってお願いしたのよね。許可を貰う時は、我ながらかなりの熱弁《ねつべん》をしたわね……」
ユズのお店のことだな。
ということは、アキナはユズと面識がありそうだな。
「まあでも、それくらい、いい商品だと思ったってことか」
「そうなのよ! それで話を戻すとね、店主さんからは、売るよりも色々なおもちゃを作る方が好きだから是非お願いしたい! って言われたの。それとね、もし人気が出た場合はうちの商会で量産してほしい、とも言われたわね。個人で作っているから、製作が間に合わないし、何より買えなかった子供たちに申し訳ない、ってね」
確かに、今井商会みたいに大きな規模のお店で人気が出たら、個人生産では到底間に合わないだろう。
それと、量産をお願いする理由が子供たちに申し訳ないから、っていう理由もいいな。
「なるほどなぁ。多分だけど、子供たちが喜ぶ顔が見たくておもちゃ屋をやっているのかもな」
「子供たちが楽しそうにおもちゃを選んでるのを見た店主さんが顔を綻ばせていたから、絶対そうね。それで、今は週に二回くらいしかお店を開けてないみたいね。他の日はほとんどおもちゃ製作の時間にあてていたり、このお店に顔を出したりしているみたいよ。それと、最近では新作はお孫さんと一緒に作っているみたいね」
「みたい、ってことは、アキナは会ったことがないのか? 俺はこの前、ハヤテの紹介であったことがあるんだけど……」
と、前にユズに会った時の経緯をアキナに説明した。
「そんなことがあったのね……。そのユズって子には会ったことが無いわね。それに、公園で新作の発表会もしてたのね。こちらとしては、宣伝してくれてる感じになっててありがたいわね」
「あれ? 公園で新作を紹介しているのも知らなかったのか」
「うちの商会で量産と販売をするってだけで、それ以外はほとんどあちらの自由に任せてるの。それもあったから、今まで会う機会がなかったのよね。それにしても異世界人に反応を示したってことは、もしかしたら店主さんは異世界人だったりするのかしら? いや、会ったことがあって、おもちゃに関するヒントを貰ったって感じかしらね」
「少なくともヒントは貰ったことがあるんじゃないかな。この人生双六ってボードゲームに似た商品が俺の世界にはあるんだ」
「なるほど……。うん、そうね。ハクト、次の目的地が決まったわ! そのおもちゃ屋にいくわよ!」
ということで、次の目的地が決まった。
そういえば、前にユズと会った時は色々聞きたいことがあるって言ってたな。
これは、アキナとユズの両方からの質問攻めってパターンになるかもしれない。
……すまんがユズ、今日は出かけていてくれ。
「うーん、そうね……。あっ、そうだ! それなら、ハクトと最初に会ったお店に行きたいかも。あのお店には、わたしが開発に関わったものとか、目利きして入荷しているものとか、色々と紹介したいものがあるのよね。苦労話や魅力的な商品に出合った経緯とかも含めてね。もちろん、気に入ったら買ってくれてもいいのよ?」
「それはちょっと気になるかも。まあ買うかどうかはアキナの紹介次第、なんてな」
「ふふふっ。ハクトこそ、買い過ぎて財布が軽くならないようにね! それじゃ、行きましょ!」
◇
ということで、今井商会の娯楽用品店に来た。
「そうね、まずはこれを紹介しようかしら。この手袋状の商品なんだけど、手の甲の部分に魔石がついているの。手に魔法を込めると、手のひらにある魔法陣から威力の低いウォーターボールが出るのよ」
俺のいた世界でいう、水鉄砲みたいなものなのかな?
ただ、使える魔法も単純そうだし、これがすごい商品には見えてこないなぁ。
俺がそう思っていたのが表情に出たのか、
「なんだか微妙な表情をしているわね。全然すごい商品に見えない、って思ったかしら?」
なんて、思っていたことを当てられてしまった。
「ふふっ。まあ実際、この商品は昔からあるものだから、そう思うのが普通ね。子供たちが魔法の練習をしたり、水をぶつけあって遊んだりするのに使われているわ」
「なんだ、そうなのか。……それじゃ、その商品を俺に紹介した理由は何かあるのか?」
「もちよんよ! 商品を開発したというより、この商品を使った遊びを発明したって感じね。まずこの手袋なんだけど、誰が使っても同じ威力のウォーターボールが出るの。つまりこれを使えば、魔法の得意不得意が関係なくなるってことなの。そこでピンッときたのよね。これを使えば、多くの人が楽しめるような、魔法を使ったスポーツが作れそうって」
こっちの世界に来てから色々な話を聞いた感じ、人によって魔力の大きさにはかなり違いがあるみたいだからな。
もし魔法を使ったスポーツを何か考えるとしたら、その辺りが結構難しそうだ。
「まずは、建物を使ったものを考えたわ。簡単に説明すると、壁に隠れて待ち伏せしたり窓越しに魔法を撃ったりして、相手に魔法をぶつけたほうが勝ち、っていうルールね。何人かでチームを組んでやってみたんだけど、結構楽しかったわ」
いわゆるサバゲ―みたいな感じかな?
それと、アキナも参加者としてやってみたのね。
「ただ、遊ぶためには広い建物が必要だったりして、気軽には遊べないのよね。だから、次はもう少し手軽に遊べる方法を考えることにしたわ。とはいえ、わたしも他の参加者も楽しかったって感想だったから、これはこれで採用することにしたの。壁とか窓を再現した場所を何種類か作って、時間を決めて貸し出しすことで遊べるようにしてみたわ」
そこでも商売に繋げるとは、流石はアキナだな。
「次は、わたしが生まれた東方のスポーツを参考に考えてみたの。冬にやるスポーツで、お互いが雪玉を投げ合うものなんだけど、雪で作った壁で雪玉をやり過ごしつつ雪玉を作ったり、そうしている相手を山なりに投げた雪玉で狙ったり、みたいに結構面白いスポーツよ」
それって、もしかしなくても雪合戦てやつだな。
「俺のいたとこでも同じようなスポーツがあったな。俺が住んでいたところはそんなに雪が積もらなかったこともあって、実際にやったことはないけど」
「やっぱり、どこでも似たようなことを考える人はいるのね。それで、それを参考にしたスポーツを作ってみたの。壁は結界魔法の魔道具で作って、ウォーターボールを撃てる魔道具には、一度発射した後何秒か撃てなくなる機能を追加したの。それと、これね」
アキナは、手袋の横に置いてあった、箱テッシュくらいの大きさをした箱を手に取った。
「これは、結界魔法を使って壁を作る魔道具ね。威力が弱いウォーターボールを防ぐだけだから、結界魔法の魔道具も小型で安く作れたの。それで、これらを実際に売り出してみたら、そこそこな人気商品になったわ。特に夏にはぴったりってなって、今の時期は主力商品の一つなのよ」
「なるほどな。俺のいた世界でも水を飛ばす道具はあったけど、壁の方は手軽に持ち運べなさそうだな。夏のスポーツといえば、海辺で遊べる道具が色々あったなぁ」
浮き輪とかビーチバレーの道具とか、サーフボードとか、考えれば色々出てくるな。
「ハクトのいた世界での娯楽用品も、色々聞いてみたくなるわね……。まあそれは後の楽しみにして、まずは商品の紹介を続けるわね!」
あっ、やっぱり後で色々聞かれるんですね。
◇
他にも、釣りに使う道具として、魔力を加えると魚そっくりに動くルアーや、キャンプ用品として、テント専用に小さく作った空調用の魔道具など、趣味に使う色々なものについて紹介してもらった。
特にキャンプ用品なんかは、冒険者にも結構売れているとか。
……そういえば、異世界っぽい施設の冒険者ギルドには一回も行った事がないな。
まあ、用がないのに行くってのもあれだけどさ。
とはいえせっかくの異世界だし、一度は行ってみようかな。
それにしても、こうして案内してもらうと、おもちゃ以外にも色々な娯楽用品を扱っているんだって知ることができたな。
……何かわからないものが多くて、そっちのコーナーを全然見てなかったからなんだけどさ。
次に、アキナとボードゲームが置いてあるコーナーに移動した。
アキナは一つの商品を手に取ると、説明を始めた。
「わたしが見つけた中で、一番ピン、ときたのはこれ! 人生双六っていうボードゲームよ! この街で散歩していた時に見つけたおもちゃ屋さんが、自分の所で制作して売っていたの。他にも色々面白そうなおもちゃを売っていて、そこの店主さんにうちの商会でここの商品を扱わせてほしい、ってお願いしたのよね。その時はまだ責任者じゃなかったから、わたしのお父さんから許可をもらってお願いしたのよね。許可を貰う時は、我ながらかなりの熱弁《ねつべん》をしたわね……」
ユズのお店のことだな。
ということは、アキナはユズと面識がありそうだな。
「まあでも、それくらい、いい商品だと思ったってことか」
「そうなのよ! それで話を戻すとね、店主さんからは、売るよりも色々なおもちゃを作る方が好きだから是非お願いしたい! って言われたの。それとね、もし人気が出た場合はうちの商会で量産してほしい、とも言われたわね。個人で作っているから、製作が間に合わないし、何より買えなかった子供たちに申し訳ない、ってね」
確かに、今井商会みたいに大きな規模のお店で人気が出たら、個人生産では到底間に合わないだろう。
それと、量産をお願いする理由が子供たちに申し訳ないから、っていう理由もいいな。
「なるほどなぁ。多分だけど、子供たちが喜ぶ顔が見たくておもちゃ屋をやっているのかもな」
「子供たちが楽しそうにおもちゃを選んでるのを見た店主さんが顔を綻ばせていたから、絶対そうね。それで、今は週に二回くらいしかお店を開けてないみたいね。他の日はほとんどおもちゃ製作の時間にあてていたり、このお店に顔を出したりしているみたいよ。それと、最近では新作はお孫さんと一緒に作っているみたいね」
「みたい、ってことは、アキナは会ったことがないのか? 俺はこの前、ハヤテの紹介であったことがあるんだけど……」
と、前にユズに会った時の経緯をアキナに説明した。
「そんなことがあったのね……。そのユズって子には会ったことが無いわね。それに、公園で新作の発表会もしてたのね。こちらとしては、宣伝してくれてる感じになっててありがたいわね」
「あれ? 公園で新作を紹介しているのも知らなかったのか」
「うちの商会で量産と販売をするってだけで、それ以外はほとんどあちらの自由に任せてるの。それもあったから、今まで会う機会がなかったのよね。それにしても異世界人に反応を示したってことは、もしかしたら店主さんは異世界人だったりするのかしら? いや、会ったことがあって、おもちゃに関するヒントを貰ったって感じかしらね」
「少なくともヒントは貰ったことがあるんじゃないかな。この人生双六ってボードゲームに似た商品が俺の世界にはあるんだ」
「なるほど……。うん、そうね。ハクト、次の目的地が決まったわ! そのおもちゃ屋にいくわよ!」
ということで、次の目的地が決まった。
そういえば、前にユズと会った時は色々聞きたいことがあるって言ってたな。
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