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第六章 初めての 異世界旅行は エルフ村
第93話 魔界旅行か…… わたし(たち)も同行する
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とりあえず、土地関係は教会の管轄ということもあるため、ソフィアにまかせることにした。
……大丈夫だよな?
「ハクトの家に関してはとりあえず大丈夫そうね。それに、異世界親善大使って特殊な立場になることで、色々と自由に動けそうね。……うちの商会との関係をどうするかは後で話すとして、次はやっぱり試練についてかしら?」
「それなんだが、ちょっと前に魔界で魔皇たちと集まって色々と相談したんだ。アキナは、アオイを通じて聞いてるかな? とりあえず、そこで話したこととか、もらった意見とかを説明するな」
ということで、俺が提案したこと、それに対する皆からの案などを説明した。
それを聞いた皆は、色々な意見を出してくれた。
魔族が書いた本に関しては、
「アオイから聞いたけど、是非とも出版したいわね! もちろん内容次第ではあるけど、魔族が書いた本っていうのはかなり珍しいから、興味は引けるはずよ!」
とかなり好感触だった。
それと、本に関しては順調に話が進んでいるみたいだった。
メイからは、人間族が文章を読んでもイメージしにくい部分について、それを補間する形の絵はどうか、イズレは物語の山場で入れるのはどうか、といった意見が出たようだ。
今は、本好きな今井商会の社員などにその意見を踏まえつつ本を読んでもらい、どこに絵があるとよい、という意見を集めている最中のようだ。
ボードゲームに関しては、
「魔界を題材にした人生双六かー。面白そうだし、作ってみたいとは思うけど……。遠い世界の話かと思ってたから、魔界については全然知らないんだよね。……とりあえず、次にハヤテちゃんに会った時にでも聞いてみようかな?」
といった感じで、乗り気ではあるけど、魔界の知識がないからすぐに作ろう! とはいかないようだ。
それと、ゴーレムファイトの話をした時に、
「それは面白そうだな! 実はあたしも、魔族と人間族で遊ぶために、魔道具を考えていてな。魔族っていうのは、基本的に魔力が多いじゃんか。だから、魔力量に関係なく遊べる魔道具があるといいな、ってな。……ただ、アキナが前に発売した魔道具で、それができそうなんだけどな」
あー。
前にアキナから紹介された、ウォーターボールで雪合戦みたいに遊ぶやつのことかな?
「けど、他にも色々な種類があった方がいいと思い直してな。さっきも作業を進めさせてもらってたぜ。……ただ、なんとなくしっくり来なくてな。後でハクトに相談に乗ってもらおうかと思ったんだ。これが上手く言えば、ハクトの試練に役立つかもだしな」
「それなら、むしろこちらからお願いしたくらいだ。よろしくな」
さっき、話が難しいからと作業していたやつがそうだったのか。
……自由だ、なんて思っちゃったけど、俺の為に進めてくれていた、ってのもあるんだな。
とりあえずこんな感じで、
◇
そして、魔界の料理について説明した時、ちょっとした事件が起きた。
……まあ、俺以外には事件でも何でもないんだろうけどな。
「魔界の食材について調べてみたんだけど、やっぱり魔力が空気中に少しずつ抜けていってしまうみたいね。収納用の魔道具に入れて持ち運ぶことで、ちょっとはそれを防げるみたいだけど、やっぱり完全ではないみたいね」
……あの魔道具も、異世界の物語でよくある時間が進まない、みたいなものではないからな。
と思っていたら、
「それでしたら、ハクトさんがよい魔道具を持っていますね。創造神様からお土産としていただいたもので、中に入れた物の状態を完全に保存できるものでしたので、魔界の食材も魔力が抜けることなく輸送や保存ができると思います」
……ソフィア。
神様からもらったって、なんで言ってしまうん?
それを聞いた皆は驚いた表情を……、してないのね。
「ええー! 今、神様からのお土産って言った!? ということは、ハクトは神様に会ったってこと!? ええー!」
……訂正。
ユズだけはとっても驚いてくれた。
うん、ユズにはそのままでいて欲しい。
他の皆は、まあハクトだし、そういうこともあるよな、みたいな感じだった。
ディニエルは、そもそも表情がほとんど変わらないので、何を考えているのか全然わからなかったけどな。
◇
その後は、アキナから商会で魔界と進めている商売について、クレアからこの国と魔界とで行っている交流について説明してもらった。
アキナの方からは魔族に人気の商品、クレアの方はこの国で魔皇が行っているパレードについてや、魔界への旅行を希望しているのがどういった人物か、なども説明してもらえた。
それと、それをまとめた資料も渡してくれた。
今後、色々と考える上で役立ちそうな情報だろうし、ありがたいな。
旅行の話が出たこともあって、話の流れで魔界への旅行を予定していることを伝えた。
それぞれの魔皇がおすすめする場所に行き、魔界の色々な姿を見てみたい、そしてそれを元に試練についてまた考えたいな、みたいなことを説明した。
すると、
「魔界かー。あたしはまだ一度も行った事がないんだよなぁ。前にアオイから、魔道具があちこちにあるっている街の話を聞いたこともあって、ちょっと行ってみたくなったんだよな。ハクト、その旅行って、あたしも同行したりできるのか?」
と、ベイラから申し出があった。
……どうなんだろう?
「うーん。俺としては、誰かとの旅行ってのは大歓迎なんだけど、それぞれの魔皇に聞いてみないとかな? それに、魔界に行くには申請とかも必要みたいだし」
「それでしたら、魔皇の方からの許可があれば問題ないのですわ。私たちの国では、犯罪歴等がなければ出入りは自由なのですわ! ただ、別の国へ行く場合にはもちろん、相手国の許可は必要なのですわ」
そうだったのか。
「ハクトが問題ないなら、わたしも一度同行させてもらおうかしら? 他にも、ハクトと魔界旅行に行きたい人がいれば、一緒に確認しておくわよ!」
アキナがそう呼びかけると、
「魔界の食べ物には興味がありますので、私も行きたいですね」
というグルメ天使や
「私も、公務以外で旅行してみたいのですわ。……いえ、むしろ公務と言う扱いで、堂々と行けばいいのですわ?」
公私混同王女から声が上がった。
それと、
「……ソフィア様と一緒に旅行。……一度はしてみたいです」
なんて、モニカがボソッと言っていた。
そして、
「興味あり」
と、まさかのディニエルからも声が上がった。
そんな声を聴いたアキナは、
「クレアは自分で調整してもらうとして、他の人については代表して私がまとめて声を掛けてみるわ!」
と、自ら調整役を買って出ていた。
「あれ? そういえば、ユズはいいのか?」
「うーん。魔界どころか、自分の住んでる街からもほとんど出たことがないからねー。ちょっと不安が大きいかな。……もしも行く覚悟ができたら、ハヤテちゃんに相談してみようかな?」
確かに、初めての遠出の旅行が魔界っていうのは、ちょっと段階を飛ばし過ぎな気がする。
それに、この機会じゃなくても、ハヤテと仲良くしているならいつでも行く機会はありそうだしな。
というか、ハヤテ側から積極的に行こうよって声を掛けて来そうな気がするな。
◇
話が一段落し、お昼の時間も近づいたということで、一旦休憩ということになった。
今日のお昼もお城で用意してくれているらしい。
……お城に来るたび、当たり前のように食事もいただいているけど、普通に考えてすごいことだよな。
まあ、出してくれるものはありがたくいだたくとして、一度ディニエルと会話してみようかな。
リューナのこともあるし、イズレの娘さんってことで、どういった人物なのかも気になるしな。
……大丈夫だよな?
「ハクトの家に関してはとりあえず大丈夫そうね。それに、異世界親善大使って特殊な立場になることで、色々と自由に動けそうね。……うちの商会との関係をどうするかは後で話すとして、次はやっぱり試練についてかしら?」
「それなんだが、ちょっと前に魔界で魔皇たちと集まって色々と相談したんだ。アキナは、アオイを通じて聞いてるかな? とりあえず、そこで話したこととか、もらった意見とかを説明するな」
ということで、俺が提案したこと、それに対する皆からの案などを説明した。
それを聞いた皆は、色々な意見を出してくれた。
魔族が書いた本に関しては、
「アオイから聞いたけど、是非とも出版したいわね! もちろん内容次第ではあるけど、魔族が書いた本っていうのはかなり珍しいから、興味は引けるはずよ!」
とかなり好感触だった。
それと、本に関しては順調に話が進んでいるみたいだった。
メイからは、人間族が文章を読んでもイメージしにくい部分について、それを補間する形の絵はどうか、イズレは物語の山場で入れるのはどうか、といった意見が出たようだ。
今は、本好きな今井商会の社員などにその意見を踏まえつつ本を読んでもらい、どこに絵があるとよい、という意見を集めている最中のようだ。
ボードゲームに関しては、
「魔界を題材にした人生双六かー。面白そうだし、作ってみたいとは思うけど……。遠い世界の話かと思ってたから、魔界については全然知らないんだよね。……とりあえず、次にハヤテちゃんに会った時にでも聞いてみようかな?」
といった感じで、乗り気ではあるけど、魔界の知識がないからすぐに作ろう! とはいかないようだ。
それと、ゴーレムファイトの話をした時に、
「それは面白そうだな! 実はあたしも、魔族と人間族で遊ぶために、魔道具を考えていてな。魔族っていうのは、基本的に魔力が多いじゃんか。だから、魔力量に関係なく遊べる魔道具があるといいな、ってな。……ただ、アキナが前に発売した魔道具で、それができそうなんだけどな」
あー。
前にアキナから紹介された、ウォーターボールで雪合戦みたいに遊ぶやつのことかな?
「けど、他にも色々な種類があった方がいいと思い直してな。さっきも作業を進めさせてもらってたぜ。……ただ、なんとなくしっくり来なくてな。後でハクトに相談に乗ってもらおうかと思ったんだ。これが上手く言えば、ハクトの試練に役立つかもだしな」
「それなら、むしろこちらからお願いしたくらいだ。よろしくな」
さっき、話が難しいからと作業していたやつがそうだったのか。
……自由だ、なんて思っちゃったけど、俺の為に進めてくれていた、ってのもあるんだな。
とりあえずこんな感じで、
◇
そして、魔界の料理について説明した時、ちょっとした事件が起きた。
……まあ、俺以外には事件でも何でもないんだろうけどな。
「魔界の食材について調べてみたんだけど、やっぱり魔力が空気中に少しずつ抜けていってしまうみたいね。収納用の魔道具に入れて持ち運ぶことで、ちょっとはそれを防げるみたいだけど、やっぱり完全ではないみたいね」
……あの魔道具も、異世界の物語でよくある時間が進まない、みたいなものではないからな。
と思っていたら、
「それでしたら、ハクトさんがよい魔道具を持っていますね。創造神様からお土産としていただいたもので、中に入れた物の状態を完全に保存できるものでしたので、魔界の食材も魔力が抜けることなく輸送や保存ができると思います」
……ソフィア。
神様からもらったって、なんで言ってしまうん?
それを聞いた皆は驚いた表情を……、してないのね。
「ええー! 今、神様からのお土産って言った!? ということは、ハクトは神様に会ったってこと!? ええー!」
……訂正。
ユズだけはとっても驚いてくれた。
うん、ユズにはそのままでいて欲しい。
他の皆は、まあハクトだし、そういうこともあるよな、みたいな感じだった。
ディニエルは、そもそも表情がほとんど変わらないので、何を考えているのか全然わからなかったけどな。
◇
その後は、アキナから商会で魔界と進めている商売について、クレアからこの国と魔界とで行っている交流について説明してもらった。
アキナの方からは魔族に人気の商品、クレアの方はこの国で魔皇が行っているパレードについてや、魔界への旅行を希望しているのがどういった人物か、なども説明してもらえた。
それと、それをまとめた資料も渡してくれた。
今後、色々と考える上で役立ちそうな情報だろうし、ありがたいな。
旅行の話が出たこともあって、話の流れで魔界への旅行を予定していることを伝えた。
それぞれの魔皇がおすすめする場所に行き、魔界の色々な姿を見てみたい、そしてそれを元に試練についてまた考えたいな、みたいなことを説明した。
すると、
「魔界かー。あたしはまだ一度も行った事がないんだよなぁ。前にアオイから、魔道具があちこちにあるっている街の話を聞いたこともあって、ちょっと行ってみたくなったんだよな。ハクト、その旅行って、あたしも同行したりできるのか?」
と、ベイラから申し出があった。
……どうなんだろう?
「うーん。俺としては、誰かとの旅行ってのは大歓迎なんだけど、それぞれの魔皇に聞いてみないとかな? それに、魔界に行くには申請とかも必要みたいだし」
「それでしたら、魔皇の方からの許可があれば問題ないのですわ。私たちの国では、犯罪歴等がなければ出入りは自由なのですわ! ただ、別の国へ行く場合にはもちろん、相手国の許可は必要なのですわ」
そうだったのか。
「ハクトが問題ないなら、わたしも一度同行させてもらおうかしら? 他にも、ハクトと魔界旅行に行きたい人がいれば、一緒に確認しておくわよ!」
アキナがそう呼びかけると、
「魔界の食べ物には興味がありますので、私も行きたいですね」
というグルメ天使や
「私も、公務以外で旅行してみたいのですわ。……いえ、むしろ公務と言う扱いで、堂々と行けばいいのですわ?」
公私混同王女から声が上がった。
それと、
「……ソフィア様と一緒に旅行。……一度はしてみたいです」
なんて、モニカがボソッと言っていた。
そして、
「興味あり」
と、まさかのディニエルからも声が上がった。
そんな声を聴いたアキナは、
「クレアは自分で調整してもらうとして、他の人については代表して私がまとめて声を掛けてみるわ!」
と、自ら調整役を買って出ていた。
「あれ? そういえば、ユズはいいのか?」
「うーん。魔界どころか、自分の住んでる街からもほとんど出たことがないからねー。ちょっと不安が大きいかな。……もしも行く覚悟ができたら、ハヤテちゃんに相談してみようかな?」
確かに、初めての遠出の旅行が魔界っていうのは、ちょっと段階を飛ばし過ぎな気がする。
それに、この機会じゃなくても、ハヤテと仲良くしているならいつでも行く機会はありそうだしな。
というか、ハヤテ側から積極的に行こうよって声を掛けて来そうな気がするな。
◇
話が一段落し、お昼の時間も近づいたということで、一旦休憩ということになった。
今日のお昼もお城で用意してくれているらしい。
……お城に来るたび、当たり前のように食事もいただいているけど、普通に考えてすごいことだよな。
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