異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第七章 妖精と 夜空彩る そのきせき

第103話 旅行いったのか、ボク以外の人と……

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 というわけで次の日、さっそく魔皇の城へと行くことにした。

 ……帰りは転移門の広場経由で帰らないとだけど、行きはどこからでも城まで直行できるのは楽だな。
 転移の魔道具、やっぱり便利すぎる。



 俺用の部屋まで転移し扉を開けると、既にリューナが待機していた。
 
「すまん、待たせたか? ……というか、集合する部屋で待っていてくれてもよかったんだけどな」

「いいえ。ハクト様が転移してきたのを感知し、私もこちらに短距離の転移をしましたので大丈夫です。それに、その。……案内が必要かと思いまして」

 ……うん。
 確かに、リューナと一緒に城内を歩いてた時に、一度迷いかけたことがあったけどさ。
 けど、流石にもう大丈夫、……だと思いたい。



 ということで、念のため。
 うん、念のため、リューナの案内で、いつものソファが置いてある部屋に来た。
 
「お、来たか。まだ全員は揃ってないし、適当に雑談でもしてようぜ」

 とのことで、今集合しているホムラ、アオイ、メイ、それとリューナで話をしながら待つことにした。

 とりあえず俺の近況報告として、アキナ達とも同じように俺についての会議をしてもらった事、むこうでも異世界親善大使という立場になったこと、それによってどんなメリットがあるかを説明した。
 ……リューナの補足付きで。

 本に関しては、アキナがかなり前向きに検討していることを話すと、メイはとても喜んでいた。
 
 ゴーレムファイトに関しては、ベイラが面白そうと言ってくれたこと、そのベイラが、魔族と人間族とで遊べる魔道具を考えていること、ウォーターボールをぶつけあって遊べる魔道具がある事を話した。

 それを聞いたアオイは

「そんな魔道具があったんだね……。魔道具のお店にはなかったから知らなかったよ。うん、近々人間界に行くことにしようかな。ベイラともまた色々と話をしたいからね」

 と、魔道具に関してはやっぱり興味を持ったみたいだ。

「ただ、その魔道具の話を聞いて気づいたんだけど、魔族と人間族でゴーレムファイトをする場合、いくつか問題があるね」

 ゴーレムファイトの問題ってなんだろう?
 アオイに続きをうながすと、

「そもそも、人間族に魔力が少ない人も多いということに気がついたんだ。だから、ゴーレムの維持と操作の両方を行なおうとするとすぐに魔力が無くなってしまうんじゃないかな?」 

 とのことだった。
 ……俺がチートな魔力だったから忘れてたけど、そうだったな。
 これは、ルール作りの前に色々と考えておかないといけないな。

 それと、その会議の時に、話の流れで魔界へ旅行に行く話をしたこと、それを聞いた何人かが、その旅行に同行したいと希望していることを話した。
 今いる魔皇たちからは、少人数であれば問題ない、と言ってもらえたので、後で皆に伝えておこう。

「ああ、旅行と言えばな。イズレの娘にエルフの村を案内してもらったんだ。そもそも、イズレに娘……」

 と、イズレに娘がいてびっくりした話をしようとしたら、

「え~! ハクト、もう旅行に行っちゃったの! ボクたちの魔界旅行より前に!?」

 そのタイミングでハヤテが来たみたいだ。
 
「そりゃあ、ハクトも旅行くらい行くだろう。そもそも、ハヤテが全然決められなくて遅くなってるんじゃねぇか」

「む~。だって、色々紹介したい場所があるんだもん~。どこか一つになんて絞れないよ~」

「……あー。まあ、間隔さえ空けてくれれば、他の場所にも旅行に行ってみたいかな。そんなに悩むくらいおすすめな場所なら、やっぱり気になるし」

「あ、そうだった! 簡単な話だったのに、長い間考えちゃったよ~……」

「はぁ、それで解決する問題だったのね。……まあ、ハヤテは度々視野が狭くなるものね。今回もそのパターンだった、ってことかしら」

 なんて、ハヤテとほぼ同時に部屋に来たレイが言った。
  
 ……ユズに正体を明かそうとした時も、もしかしたらそうなっていたのかもな。
  
「それなら、ハクトと最初に行く旅行先を考えればいいんだね! ……う~ん。それも中々決めるのが難しいよ~」

「結局、悩むんじゃねぇか。まあ、ハヤテの番になったら強制的に決めてもらうことになってるし、問題はねぇか」

「だって~。やっぱり、最初が肝心だと思うんだ!」

 ……ハヤテが来て、急に賑やかになったな。

 そんな感じで雑談をしたり、お土産を配って皆に感謝されたりした。

 それと、ヒカリはまた予定が入ってしまったようで、すぐには来れないようだ。
 なんでも以前までは遠慮していた魔族が、ヒカリの忙しさが減ったらしいとの噂を聞いて、ヒカリにお願いするようになってしまったからみたいだ。
 なので、旅行に関しても順番は最後でいい、とのことだった。

 ……魔道具で問題がある程度解決したと思ったけど、むしろ逆パターンになってしまったか。

 俺の試練もだけど、こっちも皆に協力してもらって、なんとかしたいな。

「それじゃ、旅行に行く順番を決めよう~! もうクジは準備してあるよ~」

「それだけど、そういった時用の魔道具を作成してみたんだ。作業の片手間でできたし、また何度もこういった機会があると思ってね」

 確かに、主にハヤテが原因で必要になりそうだ。
 それと、片手間でそういった魔道具を作ってしまうのは、流石はアオイと言ったところか。

「でもその魔道具、アオイが作ったんでしょ~? 何か隠し機能とかあるんじゃないの~? アオイに有利な結果になるよう操作できるとかさ~」

「いいや、そういったことはやらないさ。……ハヤテとは違って、ね?」

「な、なんのことかな~。ボク、よくわからないや~」

 ハヤテはそういいつつ、口笛を吹き始めた。
 アオイは、前にハヤテがクジに細工したことに気づいてたっぽいな。
 
 ……というか、ハヤテの口笛うまっ!
 異世界だから知らない曲ではあるけど、それでも上手いってわかるレベルだ。

「……まあ、いいけどね。それじゃあ、この魔道具について説明しようか」

 アオイの話によると、この魔道具には六属性と無属性の魔石が円状に並べてあり、それがランダムな順番で光るようだ。
 各魔石は光らないようにすることもでき、それにより2から7人までのパターンに対応可能だった。

 この魔道具には出力が不安定な魔石を使い、その特性を利用してランダムな結果がでるようにしているみたいだ。

 今回は無属性と光属性を無効にして、五人で使用するモードにした。

 ホムラ、レイ、メイは自分の属性を選んでいたが、

「それぞれの属性があるなんて、やっぱり何か細工してる気がするな~。……それならボクは、あえて地属性を選ぶからね! ふふん、これでアオイの企みもついえたね!」

「じゃあ私は最後に残った風属性になるね。それじゃ、魔道具を起動しようか」

 アオイが魔道具を起動すると、地、水、火、風、闇、の順番で光った。

「え~! もう少し考えようとしたのに!」

「さて、ハヤテが一番になったことだし、早く行先を決めてもらわないね。後ろにヒカリを含めて5人もいるし、同行したい人もいるみたいだからね」

「……やっぱり、結果を操作されてる気がする!」

「私が有利になるような操作はしていないさ。ただ、地属性が一番になるように細工はしたけれどね。……うたがった誰かが選ぶだろうと思って、ね」

 アオイ、策士さくしだな。
 ……ハヤテと違って、策に溺れなさそうだ。

「え~! ずるい! こんなの無効だよ~!」

 とハヤテが抗議したけど、それでも選んだのはお前じゃねぇか、とか前のクジの事はいいのか? なんてホムラに言われて、すごすごと引き下がっていた。

 というわけで、おすすめの旅行先に行く順番は、ハヤテ、レイ、ホムラ、アオイ、メイの順となった。

 あ、ちなみにこの魔道具は操作できる機能を無くしたバージョンも作ってあるみたいだ。
 ハヤテが、変な機能がないかじっくりと分析するからね! と言い、アオイからその魔道具を借りていた。

 ……むしろ、ハヤテが細工しそうな気がする。
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