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第七章 妖精と 夜空彩る そのきせき
第106話 風の谷、なう
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ユズの叫びを聞いて、こういう地形だしやっぱり声が響くなー、なんて呑気に考えていると、
「ね~ね~。あなただれ~? あっちの人はなんでさけんでるの~? あ、りゅうのおねえちゃんと風まこ~もいる~」
「え?」
と、十センチよりは大きそうな、羽の生えた小さな少女? が若干舌足らずな感じで話しかけてきた。
……全然気配とか感じなくて、ぴっくりした。
小さくて羽が生えているし、彼女が妖精ってことでいいんだよな。
ということはやっぱり、あの小さな家々は妖精の住む家、ってことだな。
「あー、えっと。まず俺はハクト。あっちにいる叫びの少女がユズ。俺たちはハヤテ、じゃなくて風魔皇の転移でここに来たんだ」
「そうなんだ~。そういえば、前にハヤテってよんで~、って風まこ~が言ってたかも~。もしかして、今日はみんなであそびにきたの~?」
「あー。まあ、そんな感じかな?」
なんて話していたら、皆が集まって来た。
ユズは、彼女を見るなり
「うわぁー、かわいい! 背中に羽も生えてるー! ねぇねぇ、ハヤテちゃん、ハヤテちゃん! この子はいったいなんなの!?」
と、興奮した様子でハヤテに話しかけた。
「この子はこの谷に住む妖精だよ! 周りに小さい家が見えるでしょ? あれがこの子たちの家なんだ~。ここは風属性の魔力が豊富で、昔は風の谷って言われてたんだけど、ここに妖精が住むようになったから、妖精の谷、って呼ばれるようになったんだよ~」
「へぇー! そうなんだ! ……ねぇねぇ、あなたはどの家に住んでるの? いつもはどんなことをしているの?」
ユズが妖精にすごく興味を持ったみたいで、目をキラキラさせながら質問していた。
「おうちはあっちだよ~。それで、う~んと。ごはんを食べたり、おひるねしたり、おうたをうたったり、かけっこしたり、あとはね~。……あっ、今はおひるねの時間だった~」
「そうなんだね。それじゃ、お休みの邪魔をしちゃったかな? 起こしちゃって、ごめんね」
「ううん。今日は目がさめちゃったから、だいじょうぶ~。ほかのみんなは、ねてたよ~」
なんてユズと妖精が話していると、遠くから
「どこいったのー!」
なんて声が聞こえて来た。
それに対し、この妖精が、
「あっ、こっそりでてきたのがばれちゃった~。お~い。こっちこっち~」
と、声を掛けると、
「もう! 今はお昼寝の時間でしょ! って、あっ! 風魔皇様が来てたのね!」
と、突然俺たちの目の前に別の妖精が現れ、そう言った。
こっちの妖精は、一回り大きいんだな。
……どっちも同じ妖精だとわかりずらいし、小さい方を小妖精、今来た妖精の方を中妖精、みたいにしておこうかな?
「おはよ~。そっか、あっちは朝だったけど、ここはもうお昼過ぎだったんだね~。今日はお邪魔してるよ!」
「いらっしゃい! もっとお話ししたいけど、今はこの子たちの面倒を見なきゃだから、また後でね!」
と、中妖精は小妖精の手を取ったかと思うと、パッと消えた。
「あっ、行っちゃった……。 けど、そっかー。お昼寝の時間なら仕方ないね。それと、これが時差ってやつなんだね! 確かに、お日さまの位置が高いかも! 遠くの場所に行った事がなかったら、なんだか新鮮だよー。なんというか、旅行に来たって感じだね!」
ユズは、妖精たちが消えたのを残念がっていたけど、すぐに気を取りなおして旅行気分に浸っていた。
それと、今まで意識していなかったけど、時差とかもあるんだったな。
ホムラの土地は、俺が今生活している街とあんまりずれがないみたいだったし、魔皇の城とかでは意識してなかったから、その存在を忘れていた。
けど、これからあちこち魔界を旅行するなら、それも意識しておかないとだな。
「それで、ハヤテはなんで俺たちをここに連れて来たんだ? ここにいる妖精たちと交流をするため、なのか?」
他に理由も思いつかないし、多分そうかな?
けどそれって、旅行と言っていいのか怪しい気がするけど。
「ふっふっふ~。もちろんそれも考えていたけど、それはおまけだよ! 今回の旅行の目的は~……」
そういうとハヤテは、遠くの方を指さした。
その方向を見ると、周囲の山の中でもひときわ大きな山がそびえたっていた。
……って、まさか!?
「あの山のてっぺんに登ることだよ! ここに来るたび、登ってみたいと思っていたんだ~」
……あの山、素人が登って大丈夫な高さなんだろうか?
しかも、ハヤテも登ったことがないみたいだし。
「ハ、ハヤテちゃん。あの山って、普段から山登りをしている人が挑戦する山なんじゃないかな? ほら、あの部分なんて雪が被ってるし、滑ったら危ないよ!」
「もしそうなっても、ボクが魔法で助けるから大丈夫! それに、高いところは空気が薄いみたいだけど、それもボクの魔法でなんとかできるからね!」
「そ、そうだね。……けど、私とハクトが一緒に滑ったりしたら、すぐに両方助けるのは大変じゃないの? その途中で、魔物が出るかもしれないし。助けるのが遅れたら、怪我しちゃうかもよ?」
「それこそ、ハクトは自分で魔法を使えるから大丈夫じゃないかな? それに、ボクだけじゃなくてリューナもいるから、どっちにしろ安心だね!」
それを聞いたユズが、恨めしそうにこっちを見た。
いや、俺の魔法は、欲しいと思って得たわけじゃないから。
……とはいいつつ、便利に使わせてもらってるけど。
まあ俺も、あの山を登ろうと言われて、よし行こう! とは言えないし、ハヤテを説得してみるか。
「なあハヤテ。そもそも、何日かけてあの山を登るつもりなんだ? 大変な部分は魔法に頼るとしても、一日や二日で登るのは無理だと思うんだ。実際、元いた世界では、プロの人が何日もかけて登ってるみたいだったし」
テレビとかを見ていると。登山家の人がそういった山を登る場合、何日もかけて登っていたと思う。
色々と魔法で補うにしても、素人の俺たちではかなりの時間がかかりそうだ。
「む、むぅ……。そう言われてみると、確かに時間がかかりそうかも。……う~ん、大変そうな山をボクの力を使って楽々登ることで、ユズにいいところ見せようと思ったのに~」
「ハヤテちゃん、そんなこと考えていたんだね……。けど、山登り自体は面白そうだね! もっと気軽に登れる山なら、挑戦してみたいかも!」
「それなら、あの山とかはどうかな? そんなに標高が高くなさそうだし、斜面もそんなに急じゃなさそうに見えるかなって。……魔物に関しては、わからないけど」
中学生の時に登ったのが、あんな感じの山だった気がする。
途中岩場があったりして大変だったけど、それでも日帰りで行ける山だったからな。
「それこそ、魔物はハヤテちゃんが何とかしてくれるよね? いい景色を見ながらお昼を食べる、っていうのもいいね!」
「山のてっぺんでお昼か~。それもいいかも! 魔物に関しては、ボクに存分に頼ってもらっていいからね!」
ということで、登る山が決定した。
今回の旅行はハイキングって感じになりそうだな。
……というか、さっきからリューナが全然喋らないけど、どうしたんだろう?
「リューナはどう思う?」
そう聞くと、リューナはちらっとハヤテの方を見た。
「あ、そういえばリューナには、ボクが登山について喋ってる時は意見を言わないで、ってお願いしてたんだった! 絶対に、ボクよりもいい意見を言いそうだったからからね~。けど、もう大丈夫だよ!」
「ハヤテ……」
「ハヤテちゃん……」
そこまでして、いいところを見せたかったのか……。
「あ、そ、そうだ! 山でお昼を食べるなら、登山は明日の朝からがいいね~。それじゃあ、今日は何をしようか?」
「露骨に話題をそらしてきたね……。けどそれなら、妖精さんたちと遊びたい! あ、でも、今はお昼寝中だったね。……そうだ! ハヤテちゃん。妖精さんについてとこの谷について、詳しく教えて!」
「それなら、リューナに教えてもらうのがいいね! というわけでリューナ、よろしく~」
「わかりました。お任せください」
あ、そっちはリューナに頼るのね。
「ね~ね~。あなただれ~? あっちの人はなんでさけんでるの~? あ、りゅうのおねえちゃんと風まこ~もいる~」
「え?」
と、十センチよりは大きそうな、羽の生えた小さな少女? が若干舌足らずな感じで話しかけてきた。
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小さくて羽が生えているし、彼女が妖精ってことでいいんだよな。
ということはやっぱり、あの小さな家々は妖精の住む家、ってことだな。
「あー、えっと。まず俺はハクト。あっちにいる叫びの少女がユズ。俺たちはハヤテ、じゃなくて風魔皇の転移でここに来たんだ」
「そうなんだ~。そういえば、前にハヤテってよんで~、って風まこ~が言ってたかも~。もしかして、今日はみんなであそびにきたの~?」
「あー。まあ、そんな感じかな?」
なんて話していたら、皆が集まって来た。
ユズは、彼女を見るなり
「うわぁー、かわいい! 背中に羽も生えてるー! ねぇねぇ、ハヤテちゃん、ハヤテちゃん! この子はいったいなんなの!?」
と、興奮した様子でハヤテに話しかけた。
「この子はこの谷に住む妖精だよ! 周りに小さい家が見えるでしょ? あれがこの子たちの家なんだ~。ここは風属性の魔力が豊富で、昔は風の谷って言われてたんだけど、ここに妖精が住むようになったから、妖精の谷、って呼ばれるようになったんだよ~」
「へぇー! そうなんだ! ……ねぇねぇ、あなたはどの家に住んでるの? いつもはどんなことをしているの?」
ユズが妖精にすごく興味を持ったみたいで、目をキラキラさせながら質問していた。
「おうちはあっちだよ~。それで、う~んと。ごはんを食べたり、おひるねしたり、おうたをうたったり、かけっこしたり、あとはね~。……あっ、今はおひるねの時間だった~」
「そうなんだね。それじゃ、お休みの邪魔をしちゃったかな? 起こしちゃって、ごめんね」
「ううん。今日は目がさめちゃったから、だいじょうぶ~。ほかのみんなは、ねてたよ~」
なんてユズと妖精が話していると、遠くから
「どこいったのー!」
なんて声が聞こえて来た。
それに対し、この妖精が、
「あっ、こっそりでてきたのがばれちゃった~。お~い。こっちこっち~」
と、声を掛けると、
「もう! 今はお昼寝の時間でしょ! って、あっ! 風魔皇様が来てたのね!」
と、突然俺たちの目の前に別の妖精が現れ、そう言った。
こっちの妖精は、一回り大きいんだな。
……どっちも同じ妖精だとわかりずらいし、小さい方を小妖精、今来た妖精の方を中妖精、みたいにしておこうかな?
「おはよ~。そっか、あっちは朝だったけど、ここはもうお昼過ぎだったんだね~。今日はお邪魔してるよ!」
「いらっしゃい! もっとお話ししたいけど、今はこの子たちの面倒を見なきゃだから、また後でね!」
と、中妖精は小妖精の手を取ったかと思うと、パッと消えた。
「あっ、行っちゃった……。 けど、そっかー。お昼寝の時間なら仕方ないね。それと、これが時差ってやつなんだね! 確かに、お日さまの位置が高いかも! 遠くの場所に行った事がなかったら、なんだか新鮮だよー。なんというか、旅行に来たって感じだね!」
ユズは、妖精たちが消えたのを残念がっていたけど、すぐに気を取りなおして旅行気分に浸っていた。
それと、今まで意識していなかったけど、時差とかもあるんだったな。
ホムラの土地は、俺が今生活している街とあんまりずれがないみたいだったし、魔皇の城とかでは意識してなかったから、その存在を忘れていた。
けど、これからあちこち魔界を旅行するなら、それも意識しておかないとだな。
「それで、ハヤテはなんで俺たちをここに連れて来たんだ? ここにいる妖精たちと交流をするため、なのか?」
他に理由も思いつかないし、多分そうかな?
けどそれって、旅行と言っていいのか怪しい気がするけど。
「ふっふっふ~。もちろんそれも考えていたけど、それはおまけだよ! 今回の旅行の目的は~……」
そういうとハヤテは、遠くの方を指さした。
その方向を見ると、周囲の山の中でもひときわ大きな山がそびえたっていた。
……って、まさか!?
「あの山のてっぺんに登ることだよ! ここに来るたび、登ってみたいと思っていたんだ~」
……あの山、素人が登って大丈夫な高さなんだろうか?
しかも、ハヤテも登ったことがないみたいだし。
「ハ、ハヤテちゃん。あの山って、普段から山登りをしている人が挑戦する山なんじゃないかな? ほら、あの部分なんて雪が被ってるし、滑ったら危ないよ!」
「もしそうなっても、ボクが魔法で助けるから大丈夫! それに、高いところは空気が薄いみたいだけど、それもボクの魔法でなんとかできるからね!」
「そ、そうだね。……けど、私とハクトが一緒に滑ったりしたら、すぐに両方助けるのは大変じゃないの? その途中で、魔物が出るかもしれないし。助けるのが遅れたら、怪我しちゃうかもよ?」
「それこそ、ハクトは自分で魔法を使えるから大丈夫じゃないかな? それに、ボクだけじゃなくてリューナもいるから、どっちにしろ安心だね!」
それを聞いたユズが、恨めしそうにこっちを見た。
いや、俺の魔法は、欲しいと思って得たわけじゃないから。
……とはいいつつ、便利に使わせてもらってるけど。
まあ俺も、あの山を登ろうと言われて、よし行こう! とは言えないし、ハヤテを説得してみるか。
「なあハヤテ。そもそも、何日かけてあの山を登るつもりなんだ? 大変な部分は魔法に頼るとしても、一日や二日で登るのは無理だと思うんだ。実際、元いた世界では、プロの人が何日もかけて登ってるみたいだったし」
テレビとかを見ていると。登山家の人がそういった山を登る場合、何日もかけて登っていたと思う。
色々と魔法で補うにしても、素人の俺たちではかなりの時間がかかりそうだ。
「む、むぅ……。そう言われてみると、確かに時間がかかりそうかも。……う~ん、大変そうな山をボクの力を使って楽々登ることで、ユズにいいところ見せようと思ったのに~」
「ハヤテちゃん、そんなこと考えていたんだね……。けど、山登り自体は面白そうだね! もっと気軽に登れる山なら、挑戦してみたいかも!」
「それなら、あの山とかはどうかな? そんなに標高が高くなさそうだし、斜面もそんなに急じゃなさそうに見えるかなって。……魔物に関しては、わからないけど」
中学生の時に登ったのが、あんな感じの山だった気がする。
途中岩場があったりして大変だったけど、それでも日帰りで行ける山だったからな。
「それこそ、魔物はハヤテちゃんが何とかしてくれるよね? いい景色を見ながらお昼を食べる、っていうのもいいね!」
「山のてっぺんでお昼か~。それもいいかも! 魔物に関しては、ボクに存分に頼ってもらっていいからね!」
ということで、登る山が決定した。
今回の旅行はハイキングって感じになりそうだな。
……というか、さっきからリューナが全然喋らないけど、どうしたんだろう?
「リューナはどう思う?」
そう聞くと、リューナはちらっとハヤテの方を見た。
「あ、そういえばリューナには、ボクが登山について喋ってる時は意見を言わないで、ってお願いしてたんだった! 絶対に、ボクよりもいい意見を言いそうだったからからね~。けど、もう大丈夫だよ!」
「ハヤテ……」
「ハヤテちゃん……」
そこまでして、いいところを見せたかったのか……。
「あ、そ、そうだ! 山でお昼を食べるなら、登山は明日の朝からがいいね~。それじゃあ、今日は何をしようか?」
「露骨に話題をそらしてきたね……。けどそれなら、妖精さんたちと遊びたい! あ、でも、今はお昼寝中だったね。……そうだ! ハヤテちゃん。妖精さんについてとこの谷について、詳しく教えて!」
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あ、そっちはリューナに頼るのね。
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