異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第七章 妖精と 夜空彩る そのきせき

第111話 魔法で作ってあそぼ

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「うわーん! ハヤテちゃーん! おーろーしーてー!」

「大丈夫~、もう着くよ~」

 ハヤテがそう言うと、今度は地面に向かって降り始めた。

 そして、無事地面に着地すると、

「うう……、ひどい目にあったよー……」

 と、ちょっとやつれた感じのユズが言った。
 ……飛んでいた時間はほんの一、二分くらいだったけどな。

「う~ん。ユズと空を飛ぶのは難しそうかな~」

「難しそうかな~、じゃないよ! とっても怖かったんだからね!」

「あ~、それは、えっと、ごめん」

「むー。……まあ、ハヤテちゃんも悪気があったわけじゃないしなー。……今度また、おいしいものを食べさせてね!」

「もちろんだよ! ……けど、そっか~。そうなると、ユズと一緒に妖精たちと空の散歩をする、とかは難しいかな~」

「妖精さんたちと散歩!? ……それは、かなり魅力的だよー。……ハヤテちゃん、今度、飛行魔法に慣れる訓練をしたいかな」

 怖さより、妖精たちと空中散歩がしたい、って欲が勝ったみたいだな。

 それに対して、ハヤテは快諾し、ユズは更に、いたずらはなし、高さも急に上げないで! なんてハヤテに要求したりしていた。
 
 そんな感じで、いつものようにハヤテとユズがわいわい言い合っていると、

「あの~、風魔皇様~? こちらに何か御用でしょうか~?」

 と、ハヤテより少し背の高い、青緑色の長髪をした少女が、間延びした話し方ではなしかけてきた。
 ……そして、その少女の背中には羽が生えていた。

「あっ、*****! 今日は、妖精の皆と遊ぼうと思ってね~。さっきは小さい子たちと遊んできたんだよ~」

「なるほど、そうでしたか~。それで、そちらのお二人は~?」

「こっちがユズで、こっちがハクトだよ~。どっちもボクの友達なんだ! それでね、……」

 と、ユズと俺について、簡単にハヤテが説明した。
 その流れで、リューナの名前と、その名前を俺が考えたことも伝えていた。

「ユズさん、ハクトさん、よろしくお願いしますね~。私は……、ああ、そうでした~。人間界の方に魔界の言葉は、聞き取りづらいのでした~。私は、ここの谷で妖精たちをまとめている者です~」

「よろしく! けど、名前が呼べないっていうのも、不便だね。ハヤテちゃん、何かいい方法はないかな?」

「それなら、いつも通りハクトに考えてもらえばいいよ!」

 ……うん。
 何となくそんな流れになる気がして来た。

 妖精ということで、知っている妖精の名前をいくつか頭の中で挙げ、それを少し変えた名前を提案した。

「タニア、ってのはどうだ? 俺のいた世界では、妖精の女王の名前として、ティターニア、って名前が有名なんだ。そこから少し変化させた名前だな」

 それと、国民的RPGの六作目に出てくる妹に似た名前にしてみた。
 ……髪も青系統だったし。

「……タニア、ですか~。悪くない名前だと思います~。……それにしても、誰かから名前を付けてもらうのは初めてで、何だか不思議な気持ちですね~」

「え? それじゃ、妖精さんたちの名前って、どうやって付けてるの?」

 それは俺も気になった。

「それはですね~……」

 妖精のまとめ役、タニアによると、妖精は成人した時に、自分自身で名前をつけるみたいだ。
 誰かに相談するのはいいけど、最後は自分で決めなくてはいけない、という決まりのようだ。

「私たち妖精というのは、どこか不確ふたしかな存在ですので~。それならせめて、自分の名前を自分の意志で決めることで、この世界に存在を刻もう、といった発想から始まったのです~」

「……何だか、ちょっと寂しい理由なんだね」

「……というのは、表向きの理由でして~。そうした理由で自分の名前を決めた妖精も、確かにいたのですが~。一番は私が名前を考えるのが大変、ということなのです~。……数人であればよかったのですが~、どこかで生まれる度に、こちらに運ばれて来ますので~」
 
「そ、そうなんだね……」

 ……気持ちはわかる。

 なんて話していると、妖精たちが集まってきた。
 中妖精がいっぱいと、大妖精が数人、って感じかな?

「あら~? みんなが集まって来てしまいましたね~。風魔皇様~、どうしましょ~?」

「元々皆と遊ぶつもりだったから、問題ないよ~。ユズ~。今日も、色々なおもちゃを持ってきてるよね? いくつか貸してもらってもいいかな~?」

「へっ? ……うん、もちろんいいけど、何に使うの? 流石にこの人数だと、全員が遊ぶまでに、すごく時間がかかっちゃうよ?」

「まあ、見てて~」

 ハヤテは、ユズからおもちゃの入った収納袋を受け取ると、中身を確認し、

「うん! 思った通り、これもあった! それじゃ、大きい子たち~。ボクの前に集まって~。それと、ハクトも~」

「えっ、俺も?」

 ということで、大妖精たちと一緒にハヤテの前に集まった。

「この中で器用な子は、君と君、だったかな~? それと、ハクトにも、はい! これ、けん玉って言うだ~」

 と、俺と二人の大妖精にけん玉を手渡した。
 ……教えろってことかな?

「それじゃあハクトは、この子たちにけん玉を教えてあげてね。それで、君と君。このけん玉を色々観察して、複製してみて~。その後で、小さい子たちにも教えてあげてね~」

 ……もしやと思ったけど、さっきのクッキーみたいに、けん玉を魔力で複製させるってことか。

「そっかー! そうすれば、みんなで同じおもちゃで遊べるね! ハヤテちゃん、流石だね!」

「ふふ~ん」

「今度時間のある時に、と思い、先ほどは相談しませんでしたが、ヒカリさんに伝えておくべきでしたね……」

 こういう時、リューナみたいな人は大変だな……。

 ということで、俺は大妖精の二人にけん玉の技を教えていった。
 ハヤテの言った通り、二人は簡単に教えただけで、ある程度の技ができるようになった。

 そして、その二人と俺、ハヤテが教える側になって、妖精たちにけん玉を教えていった。
 ユズも、比較的得意ではない妖精に対して、コツなんかを教えていた。

 本人も練習した分、そうした子たちへ教えるのは得意そうだもんな。

 ということで、午後は妖精たちとおもちゃで遊ぶことになった。



 ある程度皆でけん玉を練習した後は、人生双六をやってみることにした。

 まずはユズが進行役になって、タニアと大妖精全員でやってみることにした。
 中妖精たち全員が見れるかな? なんて思ったけど、本人たちは小さいし、空も飛べることもあって、問題ないみたいだった。

 中には、空を飛びつつ、けん玉をやりながら見ている妖精なんかもいて、ちょっと面白かった。

 双六の方もかなり盛り上がって、終わったころには中妖精たちからやってみたいー! なんて声がいくつもあがった。

 けん玉と違って、こっちは各マスに色々と文字が書いてあるし、複製は難しいかな、なんて思ったけど、記憶力のいい妖精がパパッと複製していた。
 
 ……うーん。
 何度も見ているけど、やっぱりすごいな。

 そんな感じでしばらく遊んでいると、辺りが段々と暗くなっていった。

「う~ん。今日はそろそろおしまいかな? ハクトとユズを連れていきたいところもあるし~」

 というハヤテの言葉もあり、今日はお開きとなった。

 ユズはすっかり妖精たちと仲良くなったみたいで、また遊ぼうねー、次はもっと上手くなってるからね! みたいに、妖精たちから色々な言葉をかけられていた。

 ユズの方も、もちろんだよ! なんて声をかけた後で、

「ハヤテちゃん。明日も、時間があったらまた妖精さんたちと遊びたいな!」

 と、ハヤテにお願いしていた。
 
 明日は山登りだから、体力が残ってるといいな。
 ……はしゃぎすぎてへとへと、とかになっていたりして。
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DQシリーズでは6が一番好きです。
色々な要素がてんこ盛り、って感じだったり、音楽が好きだったり、といった感じですね。
もちろん、他のシリーズも大好きです!
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