ルピナスは恋を知る

葉月庵

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185話

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今日の私は久々にこんなに体を動かせて、とても浮かれていた。最近までガルムさんやアルトさんに激しい運動は禁止されていたのだ。

「あっ……!そこにもゴブリンがいるので、行ってきますね……!」

私はガルムさんにもっと褒めてもらいたくて次の目標のゴブリンに駆けていった。

敵は……六匹、今までで一番多いけど、奇襲で何匹か持っていければいけるはず……!

射程範囲に入って深呼吸をして落ち着いてから、魔法で針を飛ばす。

『ghuaaa!!』

やった……!

ダメ元で5本飛ばせば、何と、3匹も倒すことに成功した。このままなら行ける、そう確信したその時、ゴブリンが何かを手に振り上げた。

来るっ……!

そう思って相手の動きを見極めようとすると、何かが後方から飛んできてゴブリンが二匹消えた。それでも残りの一匹が投げてきたものがこちらに飛んでくるのが分かる。

どうする……!?あれは、きのみ……?これなら撃ち落とせるかも……!

私は素早く針を用意し、魔法で狙いを済ませて放った。放たれた針は空を切り、見事きのみに命中した。

「っ……!?」

命中したのはいいが、そのきのみから何か液体が飛び出した。命中した時にもう大丈夫だと安心してしまっていたため、避けれそうになかった。

ヤバっ……!

しかし、目を閉じて身構えていても液体がかかることはなく、私は代わりに誰かに抱きしめられていた。

「ガルムさん……!」

ハッと目を開けると私はガルムさんに抱きしめられており、その瞬間ガルムさんが私を庇ってくれたのだと認識する。その証拠にガルムさんがあの液体で濡れていた。

「ハル、大丈夫か!?何もかかっていないよな……!?」

「私は何ともありません……!ガルムさんこそ、大丈夫ですか……!」

どうしよう……、私のせいでガルムさんがあの謎の液体を被ってしまった……!毒だったらどうしよう……!

「ガルムさん!大丈夫っすか!?」

「あぁ、毒ではないみたいだから大丈夫だ。だからハル、そんな顔をしないでくれ。」

大丈夫だというガルムさんの顔は少し辛そうで、毒ではないと言っても不安がつのっていく。

「で、でも……!私のせいで……!」

「大丈夫だ。……レオ、ハルを頼んでもいいか?俺は先に戻るが、絶対にハルを部屋に入らせるなよ。」

えっ……、何で……?今は私と顔を合わせたくないほど嫌なの……?

私が内心ショックを受けて、動揺している間にもガルムさんはこの後のことに指示を出していく。

「事情は何となく分かったよ。ハル君のことは任せといて。」

「ウィルは似たような物を持っているゴブリンの討伐を頼む。アレを作っているやつがいるはずだ。」

「了解っす。」

指示を出し終わった後、ガルムさんはすぐにその場から跳んで去っていってしまった。

「あ……、ガルムさん……!」

私がもう一度謝ろうと放った言葉は、ガルムさんに届くことはなかった。
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