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290話
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それから日替わり温泉の柚子湯からあがり、様々な温泉へと入っていった。所々、お二人から高温すぎて体に悪いからやめた方が良いと、入れない所もあったが、それでも多くの温泉に入れて楽しかった。
「さて、時間的にも次で最後にしようか。ハル、どれに入りたい?」
「そうですね……。あっ、ではあそこの黒い所に行きたいです……!先程から気になっていたんです……!」
「あそこだな?分かった。じゃあ行こうか。」
「丁度人も少ないみたいで、ゆっくりできそうだな。ハル、手を。」
「ありがとうございます、ガルムさん。」
私は差し出されたガルムさんの手を取り、その黒い温泉へと足を入れる。外気で少し冷えた体に温泉の温かさが心地良い。先程はアルトさんの膝の上にいたため、今度はガルムさんの膝の上へおろされる。
あぁ……、やっぱり気持ち良いなぁ……。
ゆったりしながら身体の力を抜いてまったりとしていると、ふと手が足に当たったことで、肌がスベスベしていることに気づく。
「す、凄いです……!この温泉、なんだか肌がスベスベします……!」
「そうか?ふむ……、俺達獣人は毛で覆われているから、いまいち分からないな……。どれ……。」
すると、ガルムさんがスルッと私の内股を撫でてくる。その突然の刺激に体がビクリと跳ね、パシャッと水面が揺れる。
「ひゃっ……!?なっ……!?」
「本当だな。いつもより滑りがいいな。」
「ほう?では俺も……、」
「っ……!あ、アルトさんまで……!」
ガルムさんだけでなく、アルトさんからも肌を撫でられ頬が熱くなってしまう。ただ幸いにも温泉に入っているため、頬が赤くても不自然ではなかった。
「お、お二人とも……!」
「フフッ……、すまんすまん。つい、な?だが、これでハルの言っていたことが正しいことが分かったな。」
「うぅっ……。」
お二人はこれ以上触ろうとはせず、そのままゆったりと湯に浸かっていた。ただ、ガルムさんはしっかりと手をお腹に回してギュッと抱きしめてくれていた。すると、何かの獣人さんかは分からないが、大きな垂れ耳のお爺さんが私達に近づいて来て、ガルムさんに問いかけてきた。
「失礼。お隣よいかの?」
「あぁ、俺は構わないが……。ハルは良いか?」
「はい、大丈夫ですよ。お気になさらないでください。」
「番さんもすまないのぅ。そちらのもう一人の番さんも失礼するぞ?では、よっこらせっと……。ふぅー……。」
「わざわざどうも。ごゆっくり。」
番さん……!番としてちゃんと見られた……!
そんなことに内心喜んでいると、そのお爺さんが続けて話しかけてくる。
「ところで、お前さん達、ここらじゃ見ない顔じゃのぅ。ここには旅行としてきたのかのぅ?」
「あぁ。こっちのもう一人の番の兄がここらに居を構えていてな。顔を見せるついでに温泉旅行として来たんだ。」
「ほう、それはそれは。それでどうじゃ?ここの温泉は。楽しめたかのぅ?」
「そうだな。こっちの番が楽しんでいるようで俺としては満足だ。」
ガルムさんがそう話しながら、私の方を見て話したため、私も自分の感想をお爺さんに伝えることにした。
「はい……!温泉は初めてですが、色々あって楽しめました……!」
「そうかそうか、それはよかった。ここの温泉はのぅ、ここらで一番大きな温泉施設でな。種類の多さが売りなんじゃよ。初めてをここに選んでくれて、儂は嬉しいのぅ。」
「その口ぶり。経営側の人か?」
えっ、そうなの……!?でも、アルトさんが言うなら、そうなのかな……?
「まぁ、少しばかり一枚噛んでいるだけじゃ。そんな大層なものじゃない。じゃから、そんな緊張せんでもえぇぞ、番さん?」
「えっ……!?あっ、はい……!」
ば、バレた……!そ、そんなに私って、分かりやすいかな……?
「フォッフォッ。……して、お前さん達はこれから他の温泉には行くのかのぅ?」
「いや、今日は行かないが、明日以降は行く予定だ。」
「そうかそうか。なら、ここまでジジイの話しに付き合ってくれたお礼として、オススメの秘湯を教えてやろう。秘湯と言っても、少し森を歩くだけだがのぅ。」
「そちら側の人のオススメか……。是非教えてくれるとありがたい。」
「フォッフォッ、構わんよ。この町の南に森があるじゃろう?そこを少し抜けた先にその温泉施設があるんじゃ。またそこの温泉から見える景色が絶景でな?この老いぼれでも足が伸びてしまうくらいじゃ。」
「ほう、それほどか。なら早速明日、行ってみるのもいいな。道中、道が厳しいのなら、俺達が運んであげればいい話だしな。どうする?ハル。」
「私はそれで大丈夫ですよ。」
「よし、決まりだな。じゃあ、爺さん。俺達はそろそろあがる。色々話せて楽しかった。」
「フォッフォッ、それはこちらのセリフじゃ。こんな老いぼれに付き合ってくれてありがとう。じゃあの。また来てくれると嬉しいのぅ。」
こうしてお爺さんと別れを告げて私達は先に温泉からあがるのであった。
「さて、時間的にも次で最後にしようか。ハル、どれに入りたい?」
「そうですね……。あっ、ではあそこの黒い所に行きたいです……!先程から気になっていたんです……!」
「あそこだな?分かった。じゃあ行こうか。」
「丁度人も少ないみたいで、ゆっくりできそうだな。ハル、手を。」
「ありがとうございます、ガルムさん。」
私は差し出されたガルムさんの手を取り、その黒い温泉へと足を入れる。外気で少し冷えた体に温泉の温かさが心地良い。先程はアルトさんの膝の上にいたため、今度はガルムさんの膝の上へおろされる。
あぁ……、やっぱり気持ち良いなぁ……。
ゆったりしながら身体の力を抜いてまったりとしていると、ふと手が足に当たったことで、肌がスベスベしていることに気づく。
「す、凄いです……!この温泉、なんだか肌がスベスベします……!」
「そうか?ふむ……、俺達獣人は毛で覆われているから、いまいち分からないな……。どれ……。」
すると、ガルムさんがスルッと私の内股を撫でてくる。その突然の刺激に体がビクリと跳ね、パシャッと水面が揺れる。
「ひゃっ……!?なっ……!?」
「本当だな。いつもより滑りがいいな。」
「ほう?では俺も……、」
「っ……!あ、アルトさんまで……!」
ガルムさんだけでなく、アルトさんからも肌を撫でられ頬が熱くなってしまう。ただ幸いにも温泉に入っているため、頬が赤くても不自然ではなかった。
「お、お二人とも……!」
「フフッ……、すまんすまん。つい、な?だが、これでハルの言っていたことが正しいことが分かったな。」
「うぅっ……。」
お二人はこれ以上触ろうとはせず、そのままゆったりと湯に浸かっていた。ただ、ガルムさんはしっかりと手をお腹に回してギュッと抱きしめてくれていた。すると、何かの獣人さんかは分からないが、大きな垂れ耳のお爺さんが私達に近づいて来て、ガルムさんに問いかけてきた。
「失礼。お隣よいかの?」
「あぁ、俺は構わないが……。ハルは良いか?」
「はい、大丈夫ですよ。お気になさらないでください。」
「番さんもすまないのぅ。そちらのもう一人の番さんも失礼するぞ?では、よっこらせっと……。ふぅー……。」
「わざわざどうも。ごゆっくり。」
番さん……!番としてちゃんと見られた……!
そんなことに内心喜んでいると、そのお爺さんが続けて話しかけてくる。
「ところで、お前さん達、ここらじゃ見ない顔じゃのぅ。ここには旅行としてきたのかのぅ?」
「あぁ。こっちのもう一人の番の兄がここらに居を構えていてな。顔を見せるついでに温泉旅行として来たんだ。」
「ほう、それはそれは。それでどうじゃ?ここの温泉は。楽しめたかのぅ?」
「そうだな。こっちの番が楽しんでいるようで俺としては満足だ。」
ガルムさんがそう話しながら、私の方を見て話したため、私も自分の感想をお爺さんに伝えることにした。
「はい……!温泉は初めてですが、色々あって楽しめました……!」
「そうかそうか、それはよかった。ここの温泉はのぅ、ここらで一番大きな温泉施設でな。種類の多さが売りなんじゃよ。初めてをここに選んでくれて、儂は嬉しいのぅ。」
「その口ぶり。経営側の人か?」
えっ、そうなの……!?でも、アルトさんが言うなら、そうなのかな……?
「まぁ、少しばかり一枚噛んでいるだけじゃ。そんな大層なものじゃない。じゃから、そんな緊張せんでもえぇぞ、番さん?」
「えっ……!?あっ、はい……!」
ば、バレた……!そ、そんなに私って、分かりやすいかな……?
「フォッフォッ。……して、お前さん達はこれから他の温泉には行くのかのぅ?」
「いや、今日は行かないが、明日以降は行く予定だ。」
「そうかそうか。なら、ここまでジジイの話しに付き合ってくれたお礼として、オススメの秘湯を教えてやろう。秘湯と言っても、少し森を歩くだけだがのぅ。」
「そちら側の人のオススメか……。是非教えてくれるとありがたい。」
「フォッフォッ、構わんよ。この町の南に森があるじゃろう?そこを少し抜けた先にその温泉施設があるんじゃ。またそこの温泉から見える景色が絶景でな?この老いぼれでも足が伸びてしまうくらいじゃ。」
「ほう、それほどか。なら早速明日、行ってみるのもいいな。道中、道が厳しいのなら、俺達が運んであげればいい話だしな。どうする?ハル。」
「私はそれで大丈夫ですよ。」
「よし、決まりだな。じゃあ、爺さん。俺達はそろそろあがる。色々話せて楽しかった。」
「フォッフォッ、それはこちらのセリフじゃ。こんな老いぼれに付き合ってくれてありがとう。じゃあの。また来てくれると嬉しいのぅ。」
こうしてお爺さんと別れを告げて私達は先に温泉からあがるのであった。
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