ルピナスは恋を知る

葉月庵

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291話

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「温泉、とても気持ち良かったですね。初めてでしたが、とても有意義でした。」

「そうか、それは良かった。俺も久々に入ったが、やはりいいものだな。よし、終わったぞ。」

「ありがとうございます。」

温泉からあがり、私はアルトさんから髪を乾かしてもらっていた。ガルムさんは場所を取ってしまうからと、渋々ながら外で待ってくれている。

「さて、ガルムのためにも早く合流しようか。」

「はい、分かりました。確か、出てすぐの所のソファで待っているって言っていましたね。」

早速向かうと、ガルムさんは言っていた通りソファに座って待っていてくれていた。ただ、その手には何か持っていた。

「来たな。ただ待っているのもなんだから、ハルが楽しみにしていたものを買っておいた。」

「あっ……!牛乳ですか……!」

「ククッ……、そうだ。色々種類があったから、全員違うものを買ってきた。まず、普通の牛乳。それと、イチゴミルクとフルーツオレだ。コーヒー牛乳はカフェインが入っているから、また今度な。」

「ほう、今はこんなに種類があるのか。以前来た時よりも種類が増えたのか。ハル、どれが飲みたいんだい?好きなものを選ぶといい。」

どれがいいかな……?悩ましいな……。あっ、でも、お二人は甘い物じゃない方が良いよね。

「でしたら、イチゴミルクが良いです。」

「イチゴミルクだな?ほら。」

「ありがとうございます。」

私がイチゴミルクを受け取ってお礼を言うと、ガルムさんはニコッと笑ってくれた。

「それで、アルトはどうする?俺は余った方でいい。」

「いや、待たせてしまったからガルムから選んでくれ。」

「そうか?なら、俺は普通の牛乳にしよう。」

「じゃあ俺は、フルーツオレだな。何気に初めて飲むな……。ん?ハル、飲んでいても良いんだぞ?フフッ……、それとも、こっちの味も気になるのかい?」

「そうか。なら、俺のも飲ませてあげよう。」

「あっ、いえ……!そういう訳では……!いや、そう言う気持ちも無きにしもあらず、ですが……。ただ、一緒が良いなって、思って……。」

「フッ……、そうか。じゃあ皆に渡ったことだし、飲むとしようか。一緒に、な?」

「はい……!で、では、いただきます……!」

お二人が瓶を開けて傾けるのを見てから、それを真似する。ゴクリと一口飲むと、乾いた喉が潤うのと同時に火照った体に染み渡る感覚がする。

「ん、美味しいです……!」

「そうだな。久々だが、温泉あがりと言えば、やはりこれだな。」

「これは、中々いけるな。」

こんなに温泉の後の牛乳って美味しいんだ……!

そんな感動を感じつつ、もう一口コクリと飲む。すると、アルトさんが自分の分を差し出してくれる。

「フフッ……、気になっていたんだろう?飲んでみるといい。ほら、そっちは持っていてあげよう。」

「あっ、ありがとうございます……。」

なんだか、欲張っているようで少し恥ずかしいが、差し出されてしまったから仕方ないと自分で言い訳しつつ、アルトさんのフルーツオレを一口飲む。

「ん、こっちも美味しいですね……!フルーツは、バナナがメインでしょうか……?他にはリンゴ……?とにかく、とても美味しいです……!」

「そうか、それは良かった。」

「俺のは普通の牛乳だが、飲むか?普段飲むものよりも美味しく感じるぞ?」

「いいんですか……!ありがとうございます……!あっ、お二人も私の、良かったらどうぞ。」

お二人にも私のイチゴミルクを勧めつつ、ガルムさんからも瓶を受け取り、早速一口飲んでみる。

うん……!牛乳は牛乳でも、本当に普段より美味しく感じる……!瓶から飲むからなのかな……?それとも温泉あがりだから……?とにかく、こっちも美味しい……!

「ククッ……。間接キス、だな。」

「なっ……!?えっ、あっ……!」

急にガルムさんがそんなことを言うものだから、温泉からあがったというのに顔が赤くなってしまう。咄嗟にパッと唇に手を当ててしまい、余計に意識してしまう。

「フフッ……。まさか間接キスでもそうなるとはな。初で可愛らしいな。」

「ククッ……、このイチゴミルクは飲まない方がハルのためにも良さそうだな。」

「うぅっ……、が、ガルムさんのせいです……。」

その後飲んだイチゴミルクはなんだか先ほどよりも甘く感じるのであった。
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