ルピナスは恋を知る

葉月庵

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20話

その後、私は試着していた服の他に、数点服を買ってもらい、店を出た。元着た服に着替えようとしたが、ガルムさん達に勧められて、試着していた服はそのまま着ていた。

「この後はギルドに寄る。そこでハルには仮登録をして、適正検査を受けてもらう。」

「えっ……、いいんですか?」

仮登録?もしかして、冒険者になることを許してもらえたのだろうか。期待に胸が高鳴る。レオさんとウィルさんは少し嫌そうな顔をしているが、何も言わなかった。いつの間にか話し合っていたのだろう。

「ただし、適正が低い場合は諦めてもらうし、依頼を受ける際も俺達が良いと言うまでは一人で行わないのが条件だ。いいな。」

「はい、ありがとうございます。」

私はこれ以上ガルムさん達に迷惑をかけないようにできるかもしれないと、この後の適正検査を頑張ろうと誓うのであった。

♢♢♢♢♢♢♢♢

初めて訪れた冒険者ギルド。中に入るまで、すっかり、サリアさんの言葉を忘れていた。

ガルムさんが先行し、その後ろを私が進むようにと背中を押すレオさん、そのまた後ろにニコニコと笑っているウィルさんの順に入っていく。

「あれは、ガルムさんじゃないか!?」

「まじで!!どれどれ……マジじゃん!」

「ん、あのちびっこは誰だ?迷子か?」

そうだ、ガルムさんはこの町で実力がトップなんだ。こんなに注目されるのは仕方がない。ガルムさんには劣るかもしれないが、同じパーティーのレオさんやウィルさんだって相当な手練れなはずだ。

先頭のガルムさんが、受付のカウンターの前で止まる。

「昨日の依頼達成報告だ。証拠品は……これでいいな。」

ガルムさんは腰のバックから何かを取り出し、受付の女性に渡す。

「はい、大丈夫です。ガルムさん依頼お疲れ様でした。これが、達成報酬です。受け取って下さい。」

ガルムさんの前にほぼ同じ大きさの袋が三つ置かれる。それを掴んだガルムさんはその袋を一つずつレオさんとウィルさんに渡す。どうやら、既に報酬は分けられているようだ。

「それと、……こいつの仮登録と適正検査を受けさせたい。」

ガルムさんに手招きされたため、近づくと優しく背中を押され、前に出される。

「マジかよ!?あんな小さい子が!?」

「いやいや、仮登録でも15歳は必要だろう!?」

ガルムさんの発言でそれを聞いていた周りの人達が騒ぎ出す。私は確かに身長は小さいが、そこまでだろうか。

「失礼ですが、君?今いくつなんですか?」

受付の人も困惑しているようだ。

「今17歳です……。」

「マジか!あと一年で成人だと!?」

「それにしても小さいなぁ~。」

また周囲がざわめき出す。目の前の受付の人も目を見開いている。

「……分かりました。ではこちらに名前と性別、それから血印をお願いします。」

そう言ってカウンターに掌サイズのカードと小さな針が出される。

……どうしよう。ガルムさん達はもう知っているけど、ここには人が沢山いる上に注目されている……。私の体質がバレてしまったらどうしよう。傷が癒える前に血印をしなくてはいけないし、周りにこの体質がバレないようにしなくてはいけない。どっちみち、時間の勝負だ。

私はカードに名前を書きながら、どう対処しようか考えていた。

針を手に持つ。若干手が震えてしまっている。いつの間にかガルムさんやレオさん、ウィルさんまでもが、心配そうに見つめている。

私は覚悟をして指の腹を下に向ける。そして、すぐに針で指の腹を横一文字に切る。血が出る感覚がし、カードに指を押し付ける。

指の腹のヒリヒリがすぐになくなってしまい、少し焦ったが、カードを見ると血印が確かに押せていた。

私はほっと息を吐いた。

「これで仮登録は完了です。ハルさんですね。……えっ、男の子なんですか!?」

「マジかっ!!」

「あんな細さでか!?」

またも周囲がざわつく。もう何回目になるのだろう。

「ん゛っん゛ん……、失礼しました。で、では、隣の部屋で適正検査を実施するので、ハルさんはこちらに来て下さい。」

受付に言われ、付いていく前にガルムさん達を待たせることになり、申し訳なくなり様子を見る。

「頑張れっす!」

「複雑な気持ちだけど、応援してるよ。」

そう言われ、ここで謝るのは違うなと思い、礼をしてから再び受付についていく。

適正検査って何をするんだろう?何も知らないけれど、稼げるようになるために頑張ろうと気合いを入れ直す。
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