60 / 121
第六十話 幻影(8)
しおりを挟む
「……どういうこと?」
「店長にも、ずっと嘘ばかり付いてきました。でも、もう良いんです。過去は変えれないみたいですし。さっきだって、店長と彼が楽しそうに話しているのを、隣で聞いていたんです。静かになったから心配になって覗いたら、膝枕なんてしちゃってて、もう店長は彼の物なんだって。彼氏からも別れようって連絡が来て、もう独りなんだって。耐えれなくなって店を出たんです……。そして知らないふりをして、店長と会う自分が馬鹿みたいで……」
「独りぼっちなんかじゃないよ!私はあなたと一緒に居たい。ずっと一緒に美容師をやっていきたい、大好きな親友だもの!金魚すくいの彼だって、あなたが望むなら私は……。他の人を探す!だから、もう泣かないで」
「……ずるいですよ。……何で怒らないんですか。私は店長が誰かと付き合うのも嫌なんですよ?きっと彼と喧嘩してなかったとしても、店長に彼の連絡先を教えていなかったかも知れないんですよ?」
「……それだけ必要としてくれるなら、嬉しいよ。私のことなんかより、あなたに笑っていて欲しいもの」
「……馬鹿みたい。最後まで優しくしないで下さい」
「最後なんて言わないで、一緒に居るから。ね?」
「ううん、最後なんですよ……」
後輩がゆっくりと、私に掴まれている腕から包帯を外し始めた。
「店長にも、ずっと嘘ばかり付いてきました。でも、もう良いんです。過去は変えれないみたいですし。さっきだって、店長と彼が楽しそうに話しているのを、隣で聞いていたんです。静かになったから心配になって覗いたら、膝枕なんてしちゃってて、もう店長は彼の物なんだって。彼氏からも別れようって連絡が来て、もう独りなんだって。耐えれなくなって店を出たんです……。そして知らないふりをして、店長と会う自分が馬鹿みたいで……」
「独りぼっちなんかじゃないよ!私はあなたと一緒に居たい。ずっと一緒に美容師をやっていきたい、大好きな親友だもの!金魚すくいの彼だって、あなたが望むなら私は……。他の人を探す!だから、もう泣かないで」
「……ずるいですよ。……何で怒らないんですか。私は店長が誰かと付き合うのも嫌なんですよ?きっと彼と喧嘩してなかったとしても、店長に彼の連絡先を教えていなかったかも知れないんですよ?」
「……それだけ必要としてくれるなら、嬉しいよ。私のことなんかより、あなたに笑っていて欲しいもの」
「……馬鹿みたい。最後まで優しくしないで下さい」
「最後なんて言わないで、一緒に居るから。ね?」
「ううん、最後なんですよ……」
後輩がゆっくりと、私に掴まれている腕から包帯を外し始めた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる