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第六十六話 傷物(5)
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「……あ、あ、待って」
ゆっくりと身勝手に閉まるドアが小さな音を立てた。
「待って、大丈夫だから、大丈夫……」
頭が冷たく燃えてしまっている、何も考えられずに呼吸の仕方も見失ったまま立ち上がろうとした。膝立ちの状態から力を無くした独楽《こま》のように、回転しながらプラスチック製のテーブルに頭を打ち付けてしまった。
鈍い音と小さい悲鳴の後、少しの間動けずに痛みの中で白い天井を睨んでいた。ピースをして八重歯を光らせて笑う彼女を思い出して、天井からの光がボヤけて見えなくなった。
頭を抑えながら、何とか玄関まで歩いて行く。そこには可愛いピンクのバレエシューズのような、丸みのある靴が綺麗に並んだまま残されていた。
「店長!これ見てくださいよ!ふっふーん、彼に初めてプレゼントしてもらったんですよ!可愛いでしょ!」
「おー!可愛いね!いいなー、ちょっと履いてみてよ!」
「駄目です!勿体無くて、大事なデートの時にしか履きたくないんです!」
「ふふ、本当に嬉しそう。すごい可愛いよ、その靴も、喜ぶあなたも」
「えへへ、ありがとうございます!」
嬉しそうに笑う彼女が、つい昨日の出来事のように輝いていた。
ゆっくりと身勝手に閉まるドアが小さな音を立てた。
「待って、大丈夫だから、大丈夫……」
頭が冷たく燃えてしまっている、何も考えられずに呼吸の仕方も見失ったまま立ち上がろうとした。膝立ちの状態から力を無くした独楽《こま》のように、回転しながらプラスチック製のテーブルに頭を打ち付けてしまった。
鈍い音と小さい悲鳴の後、少しの間動けずに痛みの中で白い天井を睨んでいた。ピースをして八重歯を光らせて笑う彼女を思い出して、天井からの光がボヤけて見えなくなった。
頭を抑えながら、何とか玄関まで歩いて行く。そこには可愛いピンクのバレエシューズのような、丸みのある靴が綺麗に並んだまま残されていた。
「店長!これ見てくださいよ!ふっふーん、彼に初めてプレゼントしてもらったんですよ!可愛いでしょ!」
「おー!可愛いね!いいなー、ちょっと履いてみてよ!」
「駄目です!勿体無くて、大事なデートの時にしか履きたくないんです!」
「ふふ、本当に嬉しそう。すごい可愛いよ、その靴も、喜ぶあなたも」
「えへへ、ありがとうございます!」
嬉しそうに笑う彼女が、つい昨日の出来事のように輝いていた。
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