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第九十八話 霞んだ桜色(6)
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「違いますよ!それは未来の有名な画家が描いたんですって。ほら、危ないから私やるよ」
後輩は呆れ顔で答えながら、背伸びをして震える手にコップを持つ少女に向けて手を伸ばした。
「いい!私が先生にお水あげるんだもん!」
「朝顔に水あげるみたいに言ってるけど、倒さないでよ。店長に風邪引かれたら大変なんだから」
「分かってる!はい、先生どうぞ!」
包帯の巻かれた手に包まれた、薄いピンク色したプラスチック製のコップを慌てて受け取った。
「ありがとう、このケチャップのハートも可愛い。さすが未来の画家さんだね」
少女は後退りしながら、目は大きく開かれていて、それこそ蕾が咲いたような笑顔を見せてくれた。
「もう、店長ったら優しいんだから。私が描いたって言ったら絶対引いてましたよね?」
「ふふ、そんなことないわよ」
「ちょっとごめんよ、そこにテーブル置くからね」
細長い会議用のテーブルのような物を持ってきて、お爺さんはベットの高さと同じになるテーブルに、手際よく食器を並べていった。
後輩は呆れ顔で答えながら、背伸びをして震える手にコップを持つ少女に向けて手を伸ばした。
「いい!私が先生にお水あげるんだもん!」
「朝顔に水あげるみたいに言ってるけど、倒さないでよ。店長に風邪引かれたら大変なんだから」
「分かってる!はい、先生どうぞ!」
包帯の巻かれた手に包まれた、薄いピンク色したプラスチック製のコップを慌てて受け取った。
「ありがとう、このケチャップのハートも可愛い。さすが未来の画家さんだね」
少女は後退りしながら、目は大きく開かれていて、それこそ蕾が咲いたような笑顔を見せてくれた。
「もう、店長ったら優しいんだから。私が描いたって言ったら絶対引いてましたよね?」
「ふふ、そんなことないわよ」
「ちょっとごめんよ、そこにテーブル置くからね」
細長い会議用のテーブルのような物を持ってきて、お爺さんはベットの高さと同じになるテーブルに、手際よく食器を並べていった。
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