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8章 ※
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言うなり布団を跳ね除け、うつ伏せに押さえつけられた。腰だけを引き上げられ、ベッドとの隙間に丸めた布の塊を詰められる。さきほど脱がされた寝間着かと思ったが、肌に当たる乾いた感触から、背後の一洋が脱いだものだと知れた。
「何するの!」
「これが空になるまで、今夜は存分に達かせてやる。男が気持ちよくなれるのは、ここだけじゃない」
これ、と言いながら撫でられたのは、散々搾り取られたところだ。また弄り回されるのかと怯え、慌てて逃れようとしたが、鍛え抜かれた軍人であり、柔道家でもある男を前に、志貴は非力な子供同然だった。
しかも、逃げられないならせめて、と懸命に腰をベッドに押し付け、前に触られないようにと足掻く志貴を嘲笑うように、濡れた指が触れたのは双丘の狭間――無防備な後孔だったのだ。
「ひっ! あ、あ、アッ、あぁ……」
まだ身の内に燻る愉悦に緩んでいたそこは、具合を計るように揉まれて、ひくりと蠢く。それを確かめた指先がそっと中に押し入っても、嫌がるそぶりも見せずに呑み込んでいく。
そんな場所を弄られたことなど、これまでの人生で一度もない。それなのに志貴の体は、体内に一洋の指を受け入れる衝撃と生理的な不快感を、甘い悦びへと変換していた。
潮を噴くという未知の体験が、快楽の感度を歪めてしまったのかもしれない。中を探られて生まれるのは、陰茎を触られる快感とはまるで違う、むず痒いような、それだけに腹の奥に響く、重く鈍い肉の悦びだ。
そんなものに感じ入り、また濡れ始めている自らの肉体に恐れを感じ、少しずつ奥に押し入り暴こうとする指を払おうと、志貴は腰を振りたくる。その様は艶めかしく、男の指を深々と咥え、もっともっとと貪欲に肛悦に狂う淫乱と何も変わるところはなかった。
「はあぁ……ぁあ、んうっ、……あぁう……」
逃れようとする自らの動きのせいで指が当たる場所が変わり、中の粘膜が引き絞られる。まざまざと感じる一洋の指の形、そして深まる愉悦に怯え、志貴は悲鳴じみた声で叫んだ。
「抜いてっ」
「何を」
「ゆ、……アッ! ゆびっ」
「誰の指をだ?」
「イチ兄さんの、指……あぁぁっ」
「俺の指を、どこから抜くんだ」
「言わないとわからないぞ」と意地悪な声が促す。
一洋は、徹底的に剥ぎ取ろうとしている。志貴が自らを取り繕うために作り上げ、身に付けた鎧を、すべて。無力な子供が泣きながら自分の胸に飛び込んでくるのを、待ち構えているのだ。
そして追い詰められた志貴に、抗う術は残されていなかった。
「……くの、僕のっ、……肛門から……」
「志貴の尻の穴から、俺の指を抜けばいいのか」
脳を焼く羞恥に押し潰されそうになりながら、どうにか小さく頷いたが、一洋はにべもなく言い捨てる。
「はっきり言うんだ。俺が言った通り、してほしいことを声に出してみろ」
あまりの淫らさと絶望に、目の前が真っ暗になった気がした。それでも従わなければ、一洋は志貴のそこを――男に指を入れられて悦ぶ穴を、弄ることをやめないだろう。
「何するの!」
「これが空になるまで、今夜は存分に達かせてやる。男が気持ちよくなれるのは、ここだけじゃない」
これ、と言いながら撫でられたのは、散々搾り取られたところだ。また弄り回されるのかと怯え、慌てて逃れようとしたが、鍛え抜かれた軍人であり、柔道家でもある男を前に、志貴は非力な子供同然だった。
しかも、逃げられないならせめて、と懸命に腰をベッドに押し付け、前に触られないようにと足掻く志貴を嘲笑うように、濡れた指が触れたのは双丘の狭間――無防備な後孔だったのだ。
「ひっ! あ、あ、アッ、あぁ……」
まだ身の内に燻る愉悦に緩んでいたそこは、具合を計るように揉まれて、ひくりと蠢く。それを確かめた指先がそっと中に押し入っても、嫌がるそぶりも見せずに呑み込んでいく。
そんな場所を弄られたことなど、これまでの人生で一度もない。それなのに志貴の体は、体内に一洋の指を受け入れる衝撃と生理的な不快感を、甘い悦びへと変換していた。
潮を噴くという未知の体験が、快楽の感度を歪めてしまったのかもしれない。中を探られて生まれるのは、陰茎を触られる快感とはまるで違う、むず痒いような、それだけに腹の奥に響く、重く鈍い肉の悦びだ。
そんなものに感じ入り、また濡れ始めている自らの肉体に恐れを感じ、少しずつ奥に押し入り暴こうとする指を払おうと、志貴は腰を振りたくる。その様は艶めかしく、男の指を深々と咥え、もっともっとと貪欲に肛悦に狂う淫乱と何も変わるところはなかった。
「はあぁ……ぁあ、んうっ、……あぁう……」
逃れようとする自らの動きのせいで指が当たる場所が変わり、中の粘膜が引き絞られる。まざまざと感じる一洋の指の形、そして深まる愉悦に怯え、志貴は悲鳴じみた声で叫んだ。
「抜いてっ」
「何を」
「ゆ、……アッ! ゆびっ」
「誰の指をだ?」
「イチ兄さんの、指……あぁぁっ」
「俺の指を、どこから抜くんだ」
「言わないとわからないぞ」と意地悪な声が促す。
一洋は、徹底的に剥ぎ取ろうとしている。志貴が自らを取り繕うために作り上げ、身に付けた鎧を、すべて。無力な子供が泣きながら自分の胸に飛び込んでくるのを、待ち構えているのだ。
そして追い詰められた志貴に、抗う術は残されていなかった。
「……くの、僕のっ、……肛門から……」
「志貴の尻の穴から、俺の指を抜けばいいのか」
脳を焼く羞恥に押し潰されそうになりながら、どうにか小さく頷いたが、一洋はにべもなく言い捨てる。
「はっきり言うんだ。俺が言った通り、してほしいことを声に出してみろ」
あまりの淫らさと絶望に、目の前が真っ暗になった気がした。それでも従わなければ、一洋は志貴のそこを――男に指を入れられて悦ぶ穴を、弄ることをやめないだろう。
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