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初光
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とはいえ王太女と死別していなければ、外交問題となるため手も足も出ないが──実際シェルの結婚期間は打つ手もなく、かといって妃と閨をともにする気になれず、鬱々とする昼と夜を過ごしてきたが──今は、違う。再び同じ空を見るためなら、手段を選ぶつもりはない。
戴冠式から戻り、久しぶりに召し出したクリスティーナは、長い軟禁生活の疲れを多少滲ませていたが、顔色は良く、目には力があった。
シェルを逃しクリスティーナを戻したユングリングの──そしてミレニオの思惑が気に入らず、クリスティーナは今も手元に留めていた。
后狩りは終結していない。彼女にはまだ手駒としての価値がある。
ただし、あらゆる意味で安全な場所へ密かに移した。以前のように皇宮の一角ではなく、広大なリンネ大公邸──つまりハルディスの管理下に置いたのである。
大公邸と呼ばれても、その実権を握り家政を預かるのは、女主人である。家を取り仕切るのは、皇位爵位を継げない女性の役割であり、権利でもある。
それは後宮でも変わらない。君臨するのは皇帝だが、実際に統治するのは皇后、皇后が不在であれば皇帝に指名された者であり、だからこそシェルは断種の危機に晒された。
帝国の子宮は、その母体である女たちの論理で動く。皇宮では政治の主体である皇帝も、後宮では次代に血を繋ぐ装置の一部に過ぎない。
戴冠式から戻り、久しぶりに召し出したクリスティーナは、長い軟禁生活の疲れを多少滲ませていたが、顔色は良く、目には力があった。
シェルを逃しクリスティーナを戻したユングリングの──そしてミレニオの思惑が気に入らず、クリスティーナは今も手元に留めていた。
后狩りは終結していない。彼女にはまだ手駒としての価値がある。
ただし、あらゆる意味で安全な場所へ密かに移した。以前のように皇宮の一角ではなく、広大なリンネ大公邸──つまりハルディスの管理下に置いたのである。
大公邸と呼ばれても、その実権を握り家政を預かるのは、女主人である。家を取り仕切るのは、皇位爵位を継げない女性の役割であり、権利でもある。
それは後宮でも変わらない。君臨するのは皇帝だが、実際に統治するのは皇后、皇后が不在であれば皇帝に指名された者であり、だからこそシェルは断種の危機に晒された。
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