【完結】后狩り

音羽夏生

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初夜 ※

12

 時に豹変することもあるが、敬愛に値する主に誇りをもって仕える侍従がいた一方で、主は、侍従に対する特別な情を密かに育んでいたことになる。
 一体いつ、何故、という疑問が湧き起こるが、五年の間気づかずにいたそれが、后狩りの端緒となっているのは確かだろう。
 シェルを置き去りにした主の情が、こうして今、シェルを後宮に繋いでいる。

「エーヴェルト様っ、お許しを、アッ! ぁ、はぁ、……どうか、お許しをっ」
「……箝口布もないのに、よく鳴く黒猫だ」
「あぁ! そこ、で、喋らないでくださいませ……ん、ぅんっ……」

 無言を通す決意は、とうに吹き飛んでいた。 
 寝台に押し倒され、夜着の前をはだかれた時、絶望に青ざめながらも、シェルはのろのろと身を起こそうとした。今宵は張り型を使った「馴らし」はないと聞いていたため、皇帝の前に蹲り、これまでのように口で奉仕するつもりでいた。
 しかしそれを押し留めると、皇帝はするすると脚の間に移動し、その口でシェルを含んだのだ。まさかのことに避ける暇もなく、何が起きたのかを把握した時――逃げるには遅すぎた。
 悲痛な面持ちで、必死に身を捩ろうとするシェルの下肢をがっちりと押さえつけ、皇帝は存分に口内のものを可愛がる。
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