后狩り

音羽夏生

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偽妃 ※

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「后の夜は始まったばかりだというのに……眠るには早いぞ」

 にゅぷ、ぐぽ、と粘膜が絡まる淫らな水音が、閨に満ちる。
 やがてそこにシェルの矯声が重なり、皇帝の荒い息が重なった。
 北の夏の夜は、短い。
 一時いっときをも惜しみ存分に享受するかのように、皇帝の褥は乱れる。外の灯篭の明かりにぼんやりと照らされた閨の壁には、いつまでも絡み合い蠢く二つの影が映し出される。
 それはまるで、熱気だけが取り柄の、猥雑で淫靡な場末の演し物のようだった。

 それから毎夜、皇帝の仕置きは念入りに行われ──一月の後、シェルの体は、射精を伴わず絶頂へ至るように躾けられていた。
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