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ハイド・パークの昼食、あるいはデート
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「何故わたしでなければならないんだ?新聞に広告を出せばいい。エリィほどではないにしろ、有能な従僕はたくさんいるよ」
これまでに何度もそうしてきた、しかし誰も勤めを全うできなかったのだと答えた。それはレジナルドに対する答えだ。
だが自分に対しては?
――何故レジナルドでなければならないのか。
考えるまでもなくジェイムズの中では、レジナルドが側にいるのは当然のこととして確定済だ。空気がなければ生きていけないのと同じ、疑問を差し挟む余地もない。しかし敵を説得するためにも、少し掘り下げてみる必要があるかもしれない。
きっかけは、珈琲を入れる腕前だった。文句の付けどころのない、ぴたりとジェイムズの好みに合ったその風味もさることながら、給仕する所作の美しさも大変に気に入ったのだ。
それ以外にも、レジナルドについて好ましいと思っているところを挙げてみる。
眼に心地よい整った顔、しなやかな体つき、聞く者を癒す声、柔らかな微笑み。
ユーモアを解する知性と機知、美しい立ち居振る舞い、何者にも汚されない品格、慈母のような分け隔てのないやさしさ。
そして切り崩すことのできない芯の強さ。
これまでに何度もそうしてきた、しかし誰も勤めを全うできなかったのだと答えた。それはレジナルドに対する答えだ。
だが自分に対しては?
――何故レジナルドでなければならないのか。
考えるまでもなくジェイムズの中では、レジナルドが側にいるのは当然のこととして確定済だ。空気がなければ生きていけないのと同じ、疑問を差し挟む余地もない。しかし敵を説得するためにも、少し掘り下げてみる必要があるかもしれない。
きっかけは、珈琲を入れる腕前だった。文句の付けどころのない、ぴたりとジェイムズの好みに合ったその風味もさることながら、給仕する所作の美しさも大変に気に入ったのだ。
それ以外にも、レジナルドについて好ましいと思っているところを挙げてみる。
眼に心地よい整った顔、しなやかな体つき、聞く者を癒す声、柔らかな微笑み。
ユーモアを解する知性と機知、美しい立ち居振る舞い、何者にも汚されない品格、慈母のような分け隔てのないやさしさ。
そして切り崩すことのできない芯の強さ。
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