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第十一話 後編
臼井と犬神のパレード 6
しおりを挟む周囲の時間が止まっていることに気付いた
最初は観覧車が停止したと思っていたが、窓から覗くアトラクションや人が止まっている
この光景はもしかして、と立花桃はゴンドラ内に視線を戻す
思わず体を震わせる
向かい側に鬼塚悟史が座っていた
「…驚かせないでください」
「すみません、立花さん」
鬼塚悟史の表情は厳しそうだった
「急に現れて、何かあったんですか?」
「立花さんに話さなければならないことがあって」
「なんですか?」
「立花さん、状況が変わりました。立花さんは命を狙われています」
「私の命を!?」
「複雑なんですが…立花さんの命を狙っている者と、立花さんに近づく人の命を狙う者がいます」
「私の能力のせい?」」
「立花さんに与えられた疎遠の能力には、他人の命を狙うどころか、危害を加えることは一切ありません。そもそもこの能力は、立花さんの命を守るために危険から遠ざける能力です」
「…私の周りで何が起きてるんですか?」
「以前、立花さんの様子は感じ取ることしか出来ないと言っていたこと、覚えてます?」
「ああ、そう言ってましたね」
「あれ、嘘です」
「はあ?!」
「ずっと見られてるように感じたら、死にたくなるでしょ?」
「そうですね…ただ、死ぬ前に貴方と風宮を殺します」
「ご心配なく、危険を感じた時だけですから」
「…もういいです。で、誰が私を殺そうとしてるんですか?」
「猿渡という男性です。そして、あなたに近づく人の命を狙っている者も、猿渡です」
「私の能力は猿渡を退ける能力があるんでしょ?」
「その状況が変わったので、こうして来ました。実は、立花さんに近付いている人の中に能力者がいます。これは想定外でした。能力者がいると立花さんの能力は低下します。つまり、猿渡が近付きやすくなるんです」
「臼井のことですね…私はどうすれば?」
「臼井誠、その方の能力は厄介です。能力の中では高いレベルの力です。立花さんが能力を与えられた時には、まだ臼井誠に能力はありませんでした。後から与えられ、そして能力者の立花さんに接触しようとしてる。これは風宮に対する挑発です!」
「…あの、そんなに熱くならなくても。風宮神楽と臼井の神は対話できないんですか?」
「できません。ただ、誰が能力者で何の能力を持っているかは分かります。なので、話を戻すと、立花さんの命を守る為に、立花さんの能力のレベルを上げることになりました」
「なんか怖いんですけど…透明人間にされないですよね?」
「大丈夫です。ただ、今までとは状況が変わります。今までは立花さんに深く関わる人がみんな退けられてきました。しかしレベルを上げると、特定の人だけを如何なる方法からも退けることができます。例えば、遠くから狙撃をしようとしたり、地球の反対側からロケットを撃ち込んでも、全て失敗します」
「特定の人になるってことは…」
「はい、今まで深い関係になれなかった人からの接触が可能になります。それほど、特定の人に集中することはパワーを使います。この特定の人は、二人までしか選べません」
「私が選べるんですか?」
「はい、既に危険が迫ってますので今選んでください」
「どうせ半年も無い期限だから、いずれは避けられない危険でしょうけど」
「すみませんが、先のことは答えられません」
「…分かりました。まず、一人目は、猿渡慎吾です。これは当然、命を狙われているから」
「分かりました」
「そして、もう一人は………」
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