傍観者を希望

静流

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美味しそうな香りと共に、綺麗な女性が料理を運んでくる。

あぁ夢か。優しげな微笑みを浮かべる女性を、冷めた気分で眺め嘆息する。
続きを見たくない程の悪夢だ。
早く覚めてしまいたい。

おそらく昏睡しているであろう自身を理解し、もっと深く夢さえ見ない眠りへと誘う。
目覚める事が不可能なら、もっと深く濃ゆい眠りを求めた。
目覚めたら、少しでも自分に優しい現実があることを夢見ながら…。
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