傍観者を希望

静流

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あれからあっという間に5年の月日が過ぎ去った。
人形めいたドミニク様は、始めは流されるままだった。

環境に慣れたら、一方的に突っかかり怒りの対象にしてきた。
アルフレッド曰く「甘えとコンプレックスが原因です」と。

理不尽なことで怒りを向けられるのには手を焼かされた。
1日かけて作成した書類を駄目にされた時は、グレン達の方が激怒してしまった。
幸い魔法で復元可能で、この時ばかりは魔法が使えたことを神に感謝した。
それまで何をしても激怒された事がなかった分、骨身に染みたようで多少落ち着きをみせた。アルフレッドが課した罰にも効果があり。一息つけた。

その後は、私が目を掛ける相手に嫉妬して嫌な態度をとったり、自分の方に意識を向かせるために問題行動をとったりと忙しない。

自我の目覚めに精神面の急成長、第三者とすればよく真っ直ぐに育って良かった。
その一言に尽きる。ただ当事者となると漸と落ち着いたと安堵の方が強い。

現在の攻撃対象は、次期領主予定で王宮内で若手官僚のステファンのようだ。
書類の受渡しの為に訪ねてきた際によく噛みついて、無駄吠えするのだ。
同い年の所為もあり、余程面白くないのだろう。
噛みつかれるステファンの方は、弟妹が居るからか上手く流している。

「一度も怒ったことのないセイ様にはいわれたくないです。私も昔散々突っ掛かった記憶がありますよ。どんなに攻めてもサラッと流されて手応えがない。だからやり方を変えて少しでも反応を引き出すことに燃えているうちに今の状態ですから」
「そういえば、そうだったかな。でも、ステファンはいいこでしたよ」
褒めたのに何でか溜め息を疲れてしまった。挙句相変わらずですねと呆れたような反応つきで余計なんで?と疑問だけが残された。

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