傍観者を希望

静流

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あんまりにも嬉しそうに、綺麗な笑みを浮かべるセイ様に固まった。

実のところ精霊たちは、その微笑みと同時に発せられた、魔力酔いも含めて硬直したのだ。

そうとは知らず、セイ様は何故か暗い顔をして顔を撫でている。

「セイ様、どうされましたか?」

いち早く立ち直り、問う姿は流石アルフレッドだ。

「いや、そんなに怖い顔でもしていたかと思って」

「申し訳ありません。嬉し気な笑顔に見惚れてしまい、誤解させてしまったのですね」

執り成すように言うのを怪訝そうに見遣る。

「姉さんなら解るけど…。第一まだ固まってるのは?」

魔力に影響されない二人以外は、未だに挙動不審のままで、何処かぼんやりと、視線が定まらない感じだ。

胡乱気な視線に、騎士団長が我に返って、苦笑いして誤魔化している。
嘘臭い笑いに顔を顰めれば、あたふたして庭師に肘鉄を喰らわせ正気づかせている。

「セイ様、アルフレッド殿の言うとおりで、気になさる必要はありませんから」

庭師も横で頷いて同意しているが、何か隠している違和感がある。


「姉さん?私が何かしたかな?」

「セイ様の魔力、極上の美酒だけど強烈過ぎるの。酔っちゃったわ~」

夢見心地の姉さんに尋ねれば、酔っ払いのように呂律がまわっていない。

商人は意識が飛んだままでどうにか座っている。

魔力酔いかと漸く合点がいくが、別段放出した記憶がないのだ。
おや?と首を傾げてしまう。

「セイ様。微笑まれた際に幾分か流れ出ていまして、今も少々漏れ出ています」

諦めて白状するように告げられて、慌てて魔力を押さえ込む。

無念そうに嘆息されるが、他の面々は流出が止まり落ち着きだしていた。


酒では酔わない精霊も魔力には酔い潰れることが理解できた。

酒とは違い悪酔いもなく、酔いが醒めるのも早いようだ。

念のため、アルフレッドに何時ものお茶を入れてもらう。

多少濃ゆめにお願いしたから渋味の強い味になっている。

目も覚めるだろうが、頭も冷めそうなお茶を味わう。
お茶で意識が回復してきた精霊に冷めざめとした視線を遣る。

首を竦めて釈明してきた内容に拠れば、魔力量と質が年々増して、多少漏れ出ているのも把握していたそうだ。

敢えて教えなかったのは、漏れ出した分が欲しかったいうなんとも呆れた理由だった。

別段あげないと言っている訳ではないのだから、一言欲しいと言えば済む話だ。

だが、彼等にすれば、掠め取るスリルも加味して楽しんでいた。

しかし、今回は運悪く(?)多く流出させてしまい、過剰摂取で魔力酔いになったのだ。

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