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自業自得だろうと言いたいが、流出させた私にも責任はある。
日頃、自分の周りにいる者は魔力耐性があるが魔力がない。
故に、どんなに放出しても、判らないから気付きようがないのだ。
魔力酔いや魔力に怯えないでいいように配慮されていたのが、仇となった。
まったく気付けなかったのを、申し訳なさそうにしている側仕えに首を振っておく。
幼少の頃から精霊王よりも魔力量が多かったが、現在は更に増しているのなら誰も敢えて指摘しないだろう。
触らぬ神に祟りなしとばかりに、逆鱗に触れることを恐れているのだ。
精霊王たちでも一歩退いているのだ、精霊を畏怖してる王宮の者達は尚更だ。
「一応訊くけど、一体どれ位の魔力量なの?まさか、精霊王の総量とまではいかないよね?」
「…。非常に言い難いのだが、その量は当の昔に越えている。現在は、総量の倍以上だが10倍までは何とかいかない位です」
「「!?」」
「私の聴き間違えか?10倍以下と言うのは、幾らなんでもそこまで無いだろう」
「過小評価での値」
「押えた量から判断してるから、それ以上だと思うわ」
「精霊王が魔力酔いに普通ならないからね?」
「あくまで現状で、これからも増加するでしょう。最終的には百倍以下前後ではないかと思われます。お諦めください」
最後通牒を言い渡されても納得がいかない。
それでは、私は歩く爆弾のようで危険物体ではないか。
精霊達が楽し気に言うのを心底嫌そうに聴いていたが、ムスッとなった相手に、追い討ちを掛けてくる一言が「諦めろ」ではあんまりではないか。
苛立ちを隠せない態度にアルフレッド達の方が、顔を青くさせている。
「セイ様、大丈夫です。今までも問題ありませんでしたし、これからも魔力が増えても変わりありません」
「そうです。我等は今まで通りお側にいますから、安心して下さい」
代わる代わる、宥めるように告げられる言葉には偽りはないだろうが、仮に暴走した場合、彼等では止められない事を忘れてないだろうか。
とはいえ、私が暴走すれば精霊王でもお手上げなら、どう仕様もないかと溜息をつく。
「取り敢えず、私が怒り狂う事態にならないように頼む。後、暴走したらせめて周りの者を保護しておいてくれ。我に返ったら廃墟になっているのは笑えないから、お願いしておく」
「性格的に暴走はないと思うけど、了解するわ」
「暴走する事態だけは、回避に努めるから安心して下さい」
「承る」
「承知しました。善処しますね。私が一番弱いので、暴走した後は無理でしょうから回避に努めます」
「退避誘導はお約束します」
「同じく、暴走後はその様に努めますが、暴走中のセイ様は誰がお守りするのです?」
グレンだけは、護衛騎士であるが故の疑問だったのだろう。
だが、まさか破壊大魔神化した者の、守りを問われるとは思わず目を丸くした。
「いや、私自身が破壊者で、下手をすれば殺戮者になるんだけど?そんな危険人物を保護してどうするの。先ずは逃げないと」
自分で妙な突っ込みをする羽目になりながら答えたが、グレンは了承し兼ねるようだ。
眉を顰めて、でもセイ様は人間で魔神ではないですからと言われる始末。
護衛騎士としては立派なのだが、融通が利かない堅物なのだろうか。
返答に窮して、その場合には護衛をお願いする事になった。何でそうなる⁉︎
日頃、自分の周りにいる者は魔力耐性があるが魔力がない。
故に、どんなに放出しても、判らないから気付きようがないのだ。
魔力酔いや魔力に怯えないでいいように配慮されていたのが、仇となった。
まったく気付けなかったのを、申し訳なさそうにしている側仕えに首を振っておく。
幼少の頃から精霊王よりも魔力量が多かったが、現在は更に増しているのなら誰も敢えて指摘しないだろう。
触らぬ神に祟りなしとばかりに、逆鱗に触れることを恐れているのだ。
精霊王たちでも一歩退いているのだ、精霊を畏怖してる王宮の者達は尚更だ。
「一応訊くけど、一体どれ位の魔力量なの?まさか、精霊王の総量とまではいかないよね?」
「…。非常に言い難いのだが、その量は当の昔に越えている。現在は、総量の倍以上だが10倍までは何とかいかない位です」
「「!?」」
「私の聴き間違えか?10倍以下と言うのは、幾らなんでもそこまで無いだろう」
「過小評価での値」
「押えた量から判断してるから、それ以上だと思うわ」
「精霊王が魔力酔いに普通ならないからね?」
「あくまで現状で、これからも増加するでしょう。最終的には百倍以下前後ではないかと思われます。お諦めください」
最後通牒を言い渡されても納得がいかない。
それでは、私は歩く爆弾のようで危険物体ではないか。
精霊達が楽し気に言うのを心底嫌そうに聴いていたが、ムスッとなった相手に、追い討ちを掛けてくる一言が「諦めろ」ではあんまりではないか。
苛立ちを隠せない態度にアルフレッド達の方が、顔を青くさせている。
「セイ様、大丈夫です。今までも問題ありませんでしたし、これからも魔力が増えても変わりありません」
「そうです。我等は今まで通りお側にいますから、安心して下さい」
代わる代わる、宥めるように告げられる言葉には偽りはないだろうが、仮に暴走した場合、彼等では止められない事を忘れてないだろうか。
とはいえ、私が暴走すれば精霊王でもお手上げなら、どう仕様もないかと溜息をつく。
「取り敢えず、私が怒り狂う事態にならないように頼む。後、暴走したらせめて周りの者を保護しておいてくれ。我に返ったら廃墟になっているのは笑えないから、お願いしておく」
「性格的に暴走はないと思うけど、了解するわ」
「暴走する事態だけは、回避に努めるから安心して下さい」
「承る」
「承知しました。善処しますね。私が一番弱いので、暴走した後は無理でしょうから回避に努めます」
「退避誘導はお約束します」
「同じく、暴走後はその様に努めますが、暴走中のセイ様は誰がお守りするのです?」
グレンだけは、護衛騎士であるが故の疑問だったのだろう。
だが、まさか破壊大魔神化した者の、守りを問われるとは思わず目を丸くした。
「いや、私自身が破壊者で、下手をすれば殺戮者になるんだけど?そんな危険人物を保護してどうするの。先ずは逃げないと」
自分で妙な突っ込みをする羽目になりながら答えたが、グレンは了承し兼ねるようだ。
眉を顰めて、でもセイ様は人間で魔神ではないですからと言われる始末。
護衛騎士としては立派なのだが、融通が利かない堅物なのだろうか。
返答に窮して、その場合には護衛をお願いする事になった。何でそうなる⁉︎
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