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よく判らないが、ライの陛下に対する意地悪な悪戯も気が済んだようで、何時もの状態に戻っている。
引き金が何だったのか不明だが、落ち着いたのなら良いかと、軽く捉えていた。
陛下を見遣れば、予想通りの蒼白顔で、まだ此方は落ち着くどころではないようだ。
「陛下。念の為にお訊きしますが、この場にいる薬師塔の者が、全員精霊である事をお気付きではなかったんですか?」
陛下と宰相殿が揃って、首を振り顔を強張らせている。
日頃の陛下をよく知った者がみれば、眼を見張って驚くか、胸がすく思いをしたかもしれない。
「転移の者以外も、精霊だと知りようがない。そう言い訳が認められるのなら、助かるが、立証しようがない」
肩を竦めて、淡々と応じてくる。
顔色さえ見なければ、飄々として捉えどころのない態度だ。
「薬師長とは面識があると思うのですが、違和感と言うよりは、既視感を感じた事はありませんか?」
「公式の場で何度か顔をあわせているが、悪いが印象にもさほど残っていない」
怪訝な感じを滲ませるが、本当に埋没するほど普通だったようで、記憶の片隅にすら引っ掛かってない感じだ。
「最後に。今一度、薬師長の顔をよくご覧になって下さい。本当に何も思い出しませんか?」
真剣に見つめていたと思ったら、不審そうに首を傾げ、漸く合点がいったようだ。
眼を見開き「アッ」と奇声を上げて、口をパクパクしている。
そうかと思えば、サーとまた青ざめる。
忙しないが、側で見ている分には面白かったりする。
そんな事を言えば機嫌を損ねるだろうが、内心何を思ったところで問題ない。
「思い出されたようで何よりです。先ほど気付いてないと拗ねてましたから」
笑いを含んで告げるが、陛下は「そ、そうか。失礼した」とうわずっている。
ライは、含み笑いを漏らしている。
これは完全に陛下を、玩具扱いしているなと呆れても、多少の意趣晴しは仕方がない。
気付かれないように、変装していても、全く意識もされてもいなかったのは、面白くないのだ。
矛盾しているが、露見しない様に注意する反面、誰かに暴いて貰いたいという相反した願望は、叶わないことを前提に誰もが微かに抱くものだ。
「私も一つ確認したいのだが、他の精霊王も、王宮内や王都に在住していませんよね」
ふと気になったように訊ねてくるが、否定を期待しているだけに、応え難い。
「残念ながら、王宮内で勤務しているし、王都で働いている者はいる。それぞれ、特技を活かして地道に出世している。そういう訳だけに、部署や勤務先等は不問に願う」
一瞬何か言いかけたが、嘆息し頷いてくれた。
引き金が何だったのか不明だが、落ち着いたのなら良いかと、軽く捉えていた。
陛下を見遣れば、予想通りの蒼白顔で、まだ此方は落ち着くどころではないようだ。
「陛下。念の為にお訊きしますが、この場にいる薬師塔の者が、全員精霊である事をお気付きではなかったんですか?」
陛下と宰相殿が揃って、首を振り顔を強張らせている。
日頃の陛下をよく知った者がみれば、眼を見張って驚くか、胸がすく思いをしたかもしれない。
「転移の者以外も、精霊だと知りようがない。そう言い訳が認められるのなら、助かるが、立証しようがない」
肩を竦めて、淡々と応じてくる。
顔色さえ見なければ、飄々として捉えどころのない態度だ。
「薬師長とは面識があると思うのですが、違和感と言うよりは、既視感を感じた事はありませんか?」
「公式の場で何度か顔をあわせているが、悪いが印象にもさほど残っていない」
怪訝な感じを滲ませるが、本当に埋没するほど普通だったようで、記憶の片隅にすら引っ掛かってない感じだ。
「最後に。今一度、薬師長の顔をよくご覧になって下さい。本当に何も思い出しませんか?」
真剣に見つめていたと思ったら、不審そうに首を傾げ、漸く合点がいったようだ。
眼を見開き「アッ」と奇声を上げて、口をパクパクしている。
そうかと思えば、サーとまた青ざめる。
忙しないが、側で見ている分には面白かったりする。
そんな事を言えば機嫌を損ねるだろうが、内心何を思ったところで問題ない。
「思い出されたようで何よりです。先ほど気付いてないと拗ねてましたから」
笑いを含んで告げるが、陛下は「そ、そうか。失礼した」とうわずっている。
ライは、含み笑いを漏らしている。
これは完全に陛下を、玩具扱いしているなと呆れても、多少の意趣晴しは仕方がない。
気付かれないように、変装していても、全く意識もされてもいなかったのは、面白くないのだ。
矛盾しているが、露見しない様に注意する反面、誰かに暴いて貰いたいという相反した願望は、叶わないことを前提に誰もが微かに抱くものだ。
「私も一つ確認したいのだが、他の精霊王も、王宮内や王都に在住していませんよね」
ふと気になったように訊ねてくるが、否定を期待しているだけに、応え難い。
「残念ながら、王宮内で勤務しているし、王都で働いている者はいる。それぞれ、特技を活かして地道に出世している。そういう訳だけに、部署や勤務先等は不問に願う」
一瞬何か言いかけたが、嘆息し頷いてくれた。
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