傍観者を希望

静流

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「話は変わるが、隣の大国は未だに諦めてないのか?」

ライが、急に変な話題を振ってきて目を丸くする。
陛下は一気に渋面になり、宰相殿も冷気が漂いそうな笑みを浮かべるが、目が据わっている。

「相変わらず、セイ殿を自国に取り返そうと必死ですよ。執念深く、此方の粗を探り、隙あらば拐っていこうとでもしているようです」

「セイ様の意思を、考慮しない勝手な言い草だな、第一領主を拐う時点で他国から非難されないか」

「その辺が巧妙で、子供に領主は無理だから名目だけだと主張してます。セイ殿やミンスファ領をご存知でない方は、その言い分を信じている者もいるようです」

宰相殿が、普通の子供なら私も同意してますと、仕方がないという雰囲気で溢す。

貶しているのか、と文句を付けたくなるが、注釈の捉え方次第では、褒めているとも言える。狡い言い方だが、政治の中枢にいる者らしい対応だ。

半ば無意識にやっているだけに、習性化している感じをうけた。

「相手を黙らせる材料はないのか?随分やりたい放題されているようだが」

「あれば苦労してない。尻尾を掴ませるような下手を打たない。流石大国だというところだ」

嫌味混じりだが、苦々しい思いを散々させられたような実感が篭っている。

「そうか」と此方に意味深な流し目をしてくるライに、眉を寄せる。

一連の会話に何かあるのかと、眼を瞬き「アッ」と声を上げそうになった。
口元に手をやり、そういう事かとライを見れば、ウインクをされる。

その手があったかと、苦笑してしまう。
灯台下暗しで、暗示されるまで気付きもしなかった。

さて、陛下にとって何方が価値があるのやらと、未だに渋い顔をしているのを盗み見していた。
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