傍観者を希望

静流

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「本来なら、学園などでも傅かれる側だ。それだけの、責務が課されていると捉えてもいい。セイ殿の場合は、充分に果たしているのだから恥じることもない。中には、立場に奢って愚かな行動にでる者もいるが、彼方は逆に当然のように跪かせている。慣れないと責めるより、謙虚さや慎み深い態度の方を褒めたくならないか?」

「確かに、セイ殿と同じ年頃に、勘違いし威張っている者がいますからね。親の威光を、自分の力だと思い込んでいる節があって、迷惑極まりない言動が鼻につきます。彼等には、謙虚さが欠落していますが、立ち回りの上手さで上層部の受けがいい」

あれに比べれば、セイ殿は可愛いらしいと、褒めているのか貶されているのか、判らない言葉を掛けられる。

ただ、彼等を不愉快な存在だと思っても、親の機嫌を損ねるような真似もできなくて、歯痒いのだろう。

もっとも、それをぶつけられても、私にはどうしようもないのだが…。

愚痴に、付き合わされていることに漸く気付いた。


助言に紛れ込ませてまで、愚痴を言いたくなるほど酷いのかと、アルフレッドに視線を遣る。

庇う余地がない程度には、問題のようでアルフレッドが真顔で首肯している。

接点がある子供は、陛下のご子息と領内の子のみで、実感も湧かない内容だ。


実は数年前に、外戚や母親の弊害を排除し、阿諛追従型の教師陣を退任させ、中立派で見識が高い者を代わりに雇い入れるなどして環境を整え、兄弟内の格差を是正させた経験がある。

結果的に、兄弟仲も改善しいい関係に落ち着いている。

それを踏まえて、此方をチラチラと見てくるのだとすれば、私に何を期待していると文句の一つも言いたくなる。

ドミニクを預かった関係上、環境を改善させる必要があったから動いたに過ぎない。

よく知らない貴族達の、子息令嬢達への再教育を期待されても、困るだけなのだが…。

功績や助力への褒賞を与える機会がないと嘆くそばから、無理難題を押し付けるのは、何か違わないかと突っ込みたい。

打ち出の小槌や魔法のランプではないのだから、妙な期待をしないで欲しいと切実に思う反面、頭の片隅で方法を模索してもいる。


こんな事をするから、余計に自分の首を絞めるのだと自戒するのだが、先程の陛下の言葉で引っ掛かった事を問えば、呆れた内容を聴く羽目になった。

訊かなちゃ良かった…。好奇心は猫をも殺す。

私は、飛んで火にいる夏虫かと肩を落とした。

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