傍観者を希望

静流

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翌日、領内の報告書に目を通していたら、慌ただしい足音が響いてくる。


来客の予定が有ったかと一瞬思ったが、午後に予定があるので入れてない筈だ。

グレンは、即座に動こうとしたが、ここまで入り込める者は限られている。

不要だと制して、気配を探れば、案の定というべきかドミニクと他の王子たちのようだ。


「ドミニク達だ。問題は…ないが、何の用というのも変だな。一体どこで漏れたんだ?」

「セイ様?何が漏れたんですか?」

不思議そうに訊き返してくるグレンには、罪はないが、勘が悪いと悪態をつきたい衝動に駆られる。

「はぁ、学園の件だよ。耳聡いというか、何を競っているんだか」


間諜でも仕込んでいるのかと疑いたい早さだ。

王子が、勢揃いで駆け込んできたら、何事かと騒ぎになりそうだ。

幸いというより、変に恒例化している所為で、誰も気にも留めない行為になっている。

此処が、王子達の遊び場の一つに化しているのだ。


「まあ、そう邪険にしなくても。皆様、セイ様に構って欲しいのですよ」

微笑ましそうにしているが、彼らに振り回される此方の身になって欲しい。

「アルフレッドが、漏らしたんだろうな。全く、何をさせたいんだか」

恐らく、故意に情報を拡散させている。

仕組んだアルフレッドにも、考えがあるのだろうが、一言あってもいいだろうとボヤいても許されるだろう。

「学生側の情報源では?子供の情報網も、必要だと判断されたのでしょう」

大人とは別ルートの情報網は、子供しか知りようがないが、他に居なかったのか。

秒読み段階で無駄に足掻いても仕方ないが、姦しい喧騒を回避できないか、と頭を悩ませるのは辞められない。

悪い子らではないのだが、よく意見の対立から喧嘩を始めるのだ。

双方共に、間違ってはいないのだが、方向性が違うせいか過程に差がある。

効率か人情、確実性か即効性を主張しあうのだ。
最後は、支離滅裂な難癖の付け合いに成り下がるが…。

妥協点の見えない言い合いの仲裁は、骨が折れるのだ。

何方も頑固で、主義主張を曲げない。
意志堅固は、美点だがこの場合に限り厄介なものに変わる。

方向性も定まっていない、今回の案件に参加させたら、議論が割れた挙句に、荒れそうな予感があるだけに、面倒なのだ。

げんなりと深々と溜息をついたところで、ノックの音が響き渡った。

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