114 / 292
114
しおりを挟む
「受けた以上は検討しますが、期限は何時まででしょうか?幾ら何でも、今日中に出せなんて無茶は言わないですよね」
「ああ…そうだな、3日後ではどうだろうか?無理なら、最大で5日後までは許容範囲だが、出来れば早い方が有り難い」
「3日後ですか…。努力はしますが、お約束はでき兼ねますので、5日以内としておいて下さい。出来上がり次第、一報させて頂きます」
「宜しく頼む。急き立てるようで済まないが、楽しみにしている」
「話が纏まった処で、お暇申し上げます。ほら、陛下もお戻り下さい」
話が付いたところで、慌ただしく宰相殿の言われるがままに去って行った。
呆気にとられて見送ったが、言い逃げされた事に気付いた。
「はぁ~。いい逃げっぷりだな。ライ?学園の内情は詳しいかったかな。他国も含めて情報が欲しいのだが、誰が適任か教えてくれないか」
「学園側にツテはありますが、残念ながら、内情までは把握してないです。調査ならライトが適任です。情報収集だけなら、ライカもお勧めですが?」
「そう‥、アルフレッド達はどう?学園の方と交流がある筈だけど、詳しい情報は知らないか」
「運営側の情報でしたら詳細を把握してますが、学生の方はよく分かりません」
「私も同様です。ただ、騎士候補関連で多少漏れ聴くことはあります」
「では、ライトとライカを借りても大丈夫か?他にも依頼しているから、併行して情報収集して貰うことになる。本来の仕事もあるだろうから、無理なら他をあたるが」
「其れでしたら、問題ありません。本日付けで緑雲宮勤務に異動届を出しておきます。ご随意にお使い下さい」
「助かるが…薬師塔の方で、申し送りや後処理をする期間を、設けなくて大丈夫か?」
「お話を頂いた時点で、業務を切替て対処済みです。ご心配なく」
「セイ様、精一杯お勤めさせて頂きます」
「セイ様。至らぬ点もあるかと思いますが、よろしくお願いします」
即座に二人とも、跪き首を垂れる。
恭順の態度を示されるのは、線引きされるようで寂しくなる。
礼を解くように命じ、改めて情報収集を頼む。
息があった承諾の言葉に、頷き返したが、今までの気軽さが消えたことを、早々に実感する羽目になった。
「早くも後悔されてますか?ですが、気に入ったのなら、これも含めて受け入れて下さい。親しき中にも礼儀ありです。礼節を欠く訳にはいきません」
気軽さがなくなったのを、残念がっているのに気付き、ライが釘を刺してくる。
「今までの礼節で充分だという主張は、通らないのは解っている。だが、余りに他人行儀に思えて哀しくなるのは仕方がないだろう?もう少し、気楽な関係でいられた方が良かったが、こうなると解っていても必要だと判断したのも自分だ」
自嘲混じりに解っていると返すが、感情はそう簡単に割り切れない。
「侍従と女官ですから、緑雲宮内においては、今まで通りでも構いません」
アルフレッドが、意外にも妥協案を勧めてくる。
余程しょげかえって見えたようだ。
ただ、建国祭までの期間限定の緩和というオチが付いた。
その間に教育指導するつもりのようで、完璧な状態になって本採用したいようだ。
私の為の緩和策では、なかったようだと苦笑が漏れる。
双方の意向に、沿っているだけ良しとすべきだろうが、抜け目がない提案に呆れも混ざってしまう。
「ああ…そうだな、3日後ではどうだろうか?無理なら、最大で5日後までは許容範囲だが、出来れば早い方が有り難い」
「3日後ですか…。努力はしますが、お約束はでき兼ねますので、5日以内としておいて下さい。出来上がり次第、一報させて頂きます」
「宜しく頼む。急き立てるようで済まないが、楽しみにしている」
「話が纏まった処で、お暇申し上げます。ほら、陛下もお戻り下さい」
話が付いたところで、慌ただしく宰相殿の言われるがままに去って行った。
呆気にとられて見送ったが、言い逃げされた事に気付いた。
「はぁ~。いい逃げっぷりだな。ライ?学園の内情は詳しいかったかな。他国も含めて情報が欲しいのだが、誰が適任か教えてくれないか」
「学園側にツテはありますが、残念ながら、内情までは把握してないです。調査ならライトが適任です。情報収集だけなら、ライカもお勧めですが?」
「そう‥、アルフレッド達はどう?学園の方と交流がある筈だけど、詳しい情報は知らないか」
「運営側の情報でしたら詳細を把握してますが、学生の方はよく分かりません」
「私も同様です。ただ、騎士候補関連で多少漏れ聴くことはあります」
「では、ライトとライカを借りても大丈夫か?他にも依頼しているから、併行して情報収集して貰うことになる。本来の仕事もあるだろうから、無理なら他をあたるが」
「其れでしたら、問題ありません。本日付けで緑雲宮勤務に異動届を出しておきます。ご随意にお使い下さい」
「助かるが…薬師塔の方で、申し送りや後処理をする期間を、設けなくて大丈夫か?」
「お話を頂いた時点で、業務を切替て対処済みです。ご心配なく」
「セイ様、精一杯お勤めさせて頂きます」
「セイ様。至らぬ点もあるかと思いますが、よろしくお願いします」
即座に二人とも、跪き首を垂れる。
恭順の態度を示されるのは、線引きされるようで寂しくなる。
礼を解くように命じ、改めて情報収集を頼む。
息があった承諾の言葉に、頷き返したが、今までの気軽さが消えたことを、早々に実感する羽目になった。
「早くも後悔されてますか?ですが、気に入ったのなら、これも含めて受け入れて下さい。親しき中にも礼儀ありです。礼節を欠く訳にはいきません」
気軽さがなくなったのを、残念がっているのに気付き、ライが釘を刺してくる。
「今までの礼節で充分だという主張は、通らないのは解っている。だが、余りに他人行儀に思えて哀しくなるのは仕方がないだろう?もう少し、気楽な関係でいられた方が良かったが、こうなると解っていても必要だと判断したのも自分だ」
自嘲混じりに解っていると返すが、感情はそう簡単に割り切れない。
「侍従と女官ですから、緑雲宮内においては、今まで通りでも構いません」
アルフレッドが、意外にも妥協案を勧めてくる。
余程しょげかえって見えたようだ。
ただ、建国祭までの期間限定の緩和というオチが付いた。
その間に教育指導するつもりのようで、完璧な状態になって本採用したいようだ。
私の為の緩和策では、なかったようだと苦笑が漏れる。
双方の意向に、沿っているだけ良しとすべきだろうが、抜け目がない提案に呆れも混ざってしまう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる