傍観者を希望

静流

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「分かっているが…。我ながら、子供らしさが皆無だと思ってな」

そう零せば、「へ?」と奇声をあげられた上に、マジマジと観られる。

「セイ様、急にどうしたんです。今更、そんな当たり前なことを」

呆れたように問われるのも、微妙だ。
挙句、当然とばかりに肯定されてしまう。

「え、いや。私も一応子供なのだが…」

「セイ様は、ずっと子供である前に領主でしたよ」

喜ぶべきか判断に困る断定に、目を泳がせてしまう。

「なんで変な顔をしているんですか。私たちの方が、ずっと子供ですよ」

苦笑して指摘してくる。
自虐でもないが、自分を子供だと宣言されれば、つい頷きそうになる。

「それは威張って言うことではないだろう、成人して何年になるんだ」

呆れて言い返す羽目になるが、こちらの方がしっくりくる。

「そうそう、その調子です!やっぱりこうでないと」

ニッと笑っている。どうも、励まされているようだ。
やり方は、どうであれ気分は上昇している。
策に嵌ったとしても、結果が良ければ問題ない。

「その対応だけは、成長した証だな。多少釈然としないが、言及しても詮無いだけだな」

「褒め言葉として受け取っておきますよ」

「はあ、可愛げがないというより、ちゃっかりしているな」

「これでも、責任者ですから。甘くみられては困ります」

強かな笑みを見せる相手に、この辺りが退き際かと話を纏める。

「では、責任者らしくバザーでは、問題を起こさないようにお願いします。念の為に、監視の目は光らせておきますが、防犯の方に力を注いで下さい。今後は、ステファンが総責任者ですから、其方とも連携をとるように。まだまだ、慣れてない領主ですから、補佐も含めてよろしくお願いします」

「承知致しました。今後は此方へは?」

「薬草園と治癒園は、名誉顧問扱いになる予定です。運営からは手を引きますが、相談には応じられます。まあ、その辺は今と変わりませんね。いつでも連絡して下さい」

少しずつ運営から手を引いていき、現在は彼女が全てこなしていた。
お蔭で、特に混乱もなく身をひける。

「了解です。でも、こうなると見越して準備万端だというのも、有難いですが狡くないですか」

頷きつつも、何だかすっきりしないようだ。

「そういうが。ここを立ち上げる前からの、決定事項だから仕方ないだろう?」

「私はつい最近になって聞きましたが?」

目が据わっているが、その点は釈明しようがない。
少々ど忘れしていたのだ。

「悪い。伝えていたと勘違いしてたんだ。まさか、言い忘れていたとは思わなかった」

素直に詫びれば、溜息を吐かれた。

「やっぱり、どうみても私は子供です。セイ様、大人過ぎます」

プクッと頬を膨らませている様は、確かに子供染みている。

「拗ねられても困るが…。何が気に入らないんだ?」

「だって…セイ様、甘いんだもの。どう見ても屁理屈で言い掛かりですよ?」

「だが、納得がいかないのだろう?その原因が、伝え忘れなら私に非がある」

「そうだけど、そうじゃないんです。セイ様は、困らないだけの布陣をしっかり敷いていました。ただ、私が気付くのが遅かっただけで、片鱗は常にみえていました。訊けば応えてくれた筈です。だから、悔しいんです」

確かに、徐々に移行したのだから、訊かれても可笑しくはなかった。

全部完了し、暫くしてから話を振られ、伝えてない事に気付いて教えたのだ。

予兆は確実にあっただろうが、それとこれは話が違う。

「アリサ。それは違う。予兆があろうが、説明責任があるのは領主の私だ。悔やむ必要もないし、そう思わせた私が悪い。君に非は一切ない」

言い切る私に、何故か泣き笑い状態になっている。

「ほら、やっぱり領主でしょう?子供の様に、自分は悪くないと絶対に言わないんだもの。私は常に、自分は悪くないと主張してしまう。なかなか大人になりきれないわ」

自嘲気味の発言に、返す言葉が思いつかない。
確かに、子供らしくない思考しか持っていないようだ。
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