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「ああ、どう身内贔屓をしても、学園でやっていける様には見えなかったのでね。本人も乗り気ではなかったしな。その代わりに薬草園を創る事にした」
「何故、薬草園なんですか?」
「アリサの得意分野で、好きなことだったからかな。この仕事なら、どんなに人見知りでも、此処なら働けるという安心も与えられる。同様に考えて設立したのが治癒園だ。あちらは魔力がある者を保護するのが目的で、門戸はさほど開かれていないのが難点だな」
「どうして…僕の質問に答えてくれるんです」
「マーカスが訊くからだが、応じない方が良かったか?」
苦笑して問えば、首を思いっきり振って否定している。
「領主様からみて、私は学園にむいてますか?」
急に、真顔になって訊いてきた。
「私は日頃のマーカスを知らないが、何処でもやっていけると思う。頭の回転も良いし、度胸も据わっている。学園でもやっていけるだろう。特に、特待生は国の保護下で、安心して学べる環境を保障されている」
「っはぁ?保護下って…そんな話聴いてない」
目を見張って、素が出ているが気付いてもない。
年相応の態度が、取り繕われた対応より判りやすい。
「誰かに学園の話を聴いたのかい?」
「えっあ、はい。派閥争いだとか、弱肉強食で平民は下僕扱いだとか…」
混乱して、つい口が滑ったのだろう。仕舞ったと口を押さえている。
「成程ね。それなら、行く気にもならないな。私が耳にした内容では、貴族間で派閥争いはあるようだが、平民を巻き込むような事態にはなってない。第一、平民を下僕扱いするような愚か者もいない。彼らの自尊心が、許さないよ」
説明すれば、目を瞬かせていたが、納得がいったようで頷いている。
「言われれば、その通りです。確かに、貴族は平民には寛容です。同等の礼儀作法を、強要する事もない。常に一段下にみてるから、出来なくて当然だという感じですね」
冷ややかな言いっぷりが、苛立ちを表している。
「それが貴族である唯一の矜持でもあるから、そう目くじらを立てないでくれ。どれほど生活に困窮しても、それだけが心の支えだという者も居るからな」
嗜めるように教えれば、微妙な顔をしている。
「それって…生き辛くないですか?」
「それ、間違っても貴族には言うなよ。怒られるぞ」
素直すぎる感想に破顔しつつ、一応忠告して置いた。
「まあ、確かに正しいが、自分は貴族で偉いという自尊心や、過去の栄光が忘れられない者に、手放せと言うのは死ねと宣告するのと同じだ。彼らは、誇りで生きている。どんなに困窮しても、助けを求めるのは恥だと思い込み、身動きが取れない」
肩を竦めて、頑固なんだと説明するが、自分も貴族の端くれだけに、げんなりする。
「あの、領主様も同じですか?」
「一応貴族だが…。残念ながら、共感は湧かないかな。マーカスではないが、爵位を返上して平民や冒険者になる方を選ぶ」
私の言い分に、マーカスは「僕はそこまで言ってません」と呆れているが、嬉しそうにしている。
「何故、薬草園なんですか?」
「アリサの得意分野で、好きなことだったからかな。この仕事なら、どんなに人見知りでも、此処なら働けるという安心も与えられる。同様に考えて設立したのが治癒園だ。あちらは魔力がある者を保護するのが目的で、門戸はさほど開かれていないのが難点だな」
「どうして…僕の質問に答えてくれるんです」
「マーカスが訊くからだが、応じない方が良かったか?」
苦笑して問えば、首を思いっきり振って否定している。
「領主様からみて、私は学園にむいてますか?」
急に、真顔になって訊いてきた。
「私は日頃のマーカスを知らないが、何処でもやっていけると思う。頭の回転も良いし、度胸も据わっている。学園でもやっていけるだろう。特に、特待生は国の保護下で、安心して学べる環境を保障されている」
「っはぁ?保護下って…そんな話聴いてない」
目を見張って、素が出ているが気付いてもない。
年相応の態度が、取り繕われた対応より判りやすい。
「誰かに学園の話を聴いたのかい?」
「えっあ、はい。派閥争いだとか、弱肉強食で平民は下僕扱いだとか…」
混乱して、つい口が滑ったのだろう。仕舞ったと口を押さえている。
「成程ね。それなら、行く気にもならないな。私が耳にした内容では、貴族間で派閥争いはあるようだが、平民を巻き込むような事態にはなってない。第一、平民を下僕扱いするような愚か者もいない。彼らの自尊心が、許さないよ」
説明すれば、目を瞬かせていたが、納得がいったようで頷いている。
「言われれば、その通りです。確かに、貴族は平民には寛容です。同等の礼儀作法を、強要する事もない。常に一段下にみてるから、出来なくて当然だという感じですね」
冷ややかな言いっぷりが、苛立ちを表している。
「それが貴族である唯一の矜持でもあるから、そう目くじらを立てないでくれ。どれほど生活に困窮しても、それだけが心の支えだという者も居るからな」
嗜めるように教えれば、微妙な顔をしている。
「それって…生き辛くないですか?」
「それ、間違っても貴族には言うなよ。怒られるぞ」
素直すぎる感想に破顔しつつ、一応忠告して置いた。
「まあ、確かに正しいが、自分は貴族で偉いという自尊心や、過去の栄光が忘れられない者に、手放せと言うのは死ねと宣告するのと同じだ。彼らは、誇りで生きている。どんなに困窮しても、助けを求めるのは恥だと思い込み、身動きが取れない」
肩を竦めて、頑固なんだと説明するが、自分も貴族の端くれだけに、げんなりする。
「あの、領主様も同じですか?」
「一応貴族だが…。残念ながら、共感は湧かないかな。マーカスではないが、爵位を返上して平民や冒険者になる方を選ぶ」
私の言い分に、マーカスは「僕はそこまで言ってません」と呆れているが、嬉しそうにしている。
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