傍観者を希望

静流

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「まあ、それもあるが、思考回路が正反対では相容れないだろう?毎回陛下が、上手く立ち回っているから、衝突しないだけだ」

物は言いようだ。あれは、誘導して陛下に都合がいい展開に持ち込んでいるのであって、ほぼ口先だけで翻弄していた筈だ。
要は、我が親ながら、少々お馬鹿なのだ。
本人は全く自覚してないから、充分幸せな方だといえる。

「他には何かあるか?」

「えっ、他…ですか」

「知らないというか、調べてない」
「同じく、手付かずです」

アスカルトとリラティスは、問いの意図を理解したようだが、無駄に足掻きもしない。

「不勉強だったようですね。私も、存じ上げません」

ブランディアは、察するのにも遅れを取ったのが悔しいようで、顔を歪めている。

「素直で宜しいと言いたいが、疑問に思ったら調べる習慣をつけなさい。先代の王が溺愛したのが、そもそもの原因で、何事も弟には甘かったそうだよ」

端的な情報だけ教え、後は各自で調べなさいと指示を出して置いた。

「それは初耳ですが、そんなに甘かったのですか?」

「秘密裏に尻拭いをする程度には甘いですね。陛下も、即位後に知った事が多かったくらいですから」

肩を竦め、他人事のように応じる。その一つが、自分の存在だとまで教える気はない。

「それは…かなり酷いですね」

呆れたように呟く声が聞こえてくる。

「セイ様、話はそれ位になさって、お休み下さい。殿下方も、次のご予定がお有りでしょうから、そろそろ退席を願います」

頃合いを見計らったように、アルフレッドが半ば追い立てるように散開を勧めてくる。

「ああ、それではこれで解散ということで、いいかな?」

先に席を立ち一応尋ねるが、応えを期待してはいない。
ただの儀礼としての掛け言葉だ。

「悪いが、私は先に休ませて貰うから。各自、後は自由にしてくれ」

言い置いて、部屋の方へ下がりながら、アルフレッドに目配せをする。
これで、後は時間を見計らって、上手く送り出す筈だ。

嘆息して、気が抜けると同時に一気に身体が重く感じる。
想像以上に疲れていたようだと、自分に対して苦笑してしまう。

「グレン、今から3日間は休んで構わないから、アルフにも伝えて置いてくれるか?」

後ろに付き従っていたグレンに告げるが、想像以上に反発を受けた。

「セイ様、それはどういう意味ですか?その間誰がお仕えするのです」

「言葉通りだが…別に誰も要らない。多分それくらい目覚めないから、休みにするだけだよ。ああ、急ぎの案件がきたら困るか。どちらか交代で休むか、下の詰め所に依頼してくれれば事足りるだろう」

「要するに寝込まれると、では尚更看病が必要では?まさか、それも要らぬと仰せですか、私もアルフも断固拒否します」

言えば言うほど、目がつり上がってくる。

「悪いが、無意識で結界を張り巡らせて誰も入れなくなるから、先に言っているだけで許可は求めていない」

「セイ様!それでは、我らがいる意味がありません。お考え直しを」

泣き落としのように拝跪までして、嘆願されてしまうが、別に意地悪でやっている訳でもない。単に生存本能が働くだけなのだ。

「何度も言わせるな、無意識でやる事まで制御を求めるないでくれ。そういうことだから、後は任せた。お休みなさい」

嘆息しながら、言い捨てるように部屋に入り、ドアを閉めた。

外から呼びかけられるが、本当にこれ以上は限界で、ベットに倒れ込むように眠りに落ちた。

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