傍観者を希望

静流

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「だから、あり得ないと言っているだろうが、いい加減認めろ。私生児の癖にっ」

怒れば本性が出るとはいうが、普通もう少し堪えるものだと、他人事のように眺める。

猫を被るのも下手なようだなと、冷静に観察していたら、背後に気配を感じた。

次の瞬間には、何故だか広い背中に庇われている上に、すぐ側からは冷気が放たれてる。

「本日は、如何様あっての来訪です?」

「いえ、それ以前に無許可での来宮は禁止されてます。仮にも、公爵ともあろう者が知らないでは済みません。どういうおつもりです?」

グレンに続き、アルフレッドが冷ややかに追求している。

「主人に似て無礼な物言いだな。義弟に会うのに許可は不要だ。これでも、一応は親族だからな」

上から目線で、呆れた主張をする義兄には、公爵としての品性が欠如している。
陛下の甥の割には、宮司長や近衛騎士団長を知らないのだろうか?と唖然とした。

「義兄上。私は兎も角として、アルフレッドとグレンには謝罪を」

「断る。側仕え如きに詫びる気はない。仕えた主が悪かったと諦めるんだな」

敢えて名を呼んで喚起させても、気付かなければ意味がない。
こちらの善意を払い退ける義兄の対応に、作り笑いも引き攣る。

「セイ様、気に病まないで下さい。我らも謝罪は求めませんから」

にっこりと、含みのある言葉を告げられれば、既に手遅れだと分かる。

「躾のなってない側仕えだな。もっと従順な者に変えたらどうだ」

自分の立場を全く理解してない義兄にだけは、言われたくない。

「お気遣いなく。陛下が選別した2人に、充分満足してますから」

「はぁ?陛下が選別って…。そういえば、聞き覚えがあるような」

目を丸くしたと思えば、マジマジと2人を見始めた。
そのうち、顔色が青褪めていき、最後には蒼白状態で口をパクパクさせている。

「おや、今頃お気付きになるとは、何とも遅いことで。セイ様には悪いですが、不出来な公爵と言わざるを得ませんな」

酷評を、残念そうに態と言う辺りが、アルフレッドらしくて苦笑を漏らす。
グレンは沈黙している割に、殺気混じりの威圧を義兄に放っている。

嫌味と殺気に当てられ、震え上がっている義兄は、どう見ても小物でしかない。

まあ、散々貶した相手が悪かったとも言えるが、その辺は自業自得だ。
助け舟を出すつもりは勿論ないし、慰める気にもなれないで、無感情な視線を向けていた。

「いい加減、返答頂けますか?」

グレンが、端的に最初の問いの返事を求めるが、頭が思考停止している義兄には、理解が及ばない。

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