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「いや、以前から交流があってそうでもない。ライカは料理全般が得意だし、ライトは事務作業に向いている。何より、2人共に腕が立つ」
「…薬師塔の者ですよね?」
ドミニクが怪訝そうに念押ししてくる。
アルフレッドが、苦笑を浮かべ頷いているのが、視界に入り目を細めた。
「アルフまで同意してどうするのだ。薬師塔勤務に間違いないと知っているだろう?」
「もちろん存じ上げています。ただ、ドミニク様の反応は至極納得がいくもので。大変失礼しました」
思ってもないと、よく分かるほどの棒読みでの謝罪だ。
「ドミニクの薬師のイメージは、どういうものなのだ?」
「そうですね…、どちらかと言えば内向的な研究者で、荒事に無縁な感じでしょうか」
「それはそれで、随分と偏っているな。何となく、学者を連想するのだが」
塔の学者達の方を言ってないかと、零せばキョトンとされる。
「何か違うのですか?」
「え、本気で訊いているのか?アルフ、これが一般的な反応なのか?」
唖然とし、アルフレッドに確認をとるのだが、ドミニクの不思議そうな表情に嘘はなさそうで、余計に目を疑う状態だった。
「いいえ。ドミニク様は、交流のある白亜の塔が一般的だと、勘違いされている様です。実際には、彼方の方が特殊なんですがね」
アルフレッドは、少しばかり渋い表情で否定してきたのだが、ドミニクの方を気にしている。
「そういう事か。確かにあの塔の者を連想すれば、ライト達は異質だろうが…。他の塔からすれば、それほど浮くほどではない。割と力仕事が多いから、軟弱では務まらないのが実情だ」
「ですが、薬師に力仕事がありましたか?薬の処方ですよね」
ドミニクは、納得がいかないようで、訝しげな態度だ。
「それも職務の1つだが、先ずは薬草の栽培が必要だ。それに、調査や品種改良などもある。土を耕すのが、新人の最初の仕事だと聞くくらい力作業が多い職場だ」
「は?土を耕すのですか…。研究者ですよね?」
「無論そうだが、何が可笑しい?素が無ければ、何も生まれないのは何事も同じだ」
「そうですが…薬草を買ってこれば、済むのではないですか?」
「気持ちは分かるが…それでは、研究費が嵩むだろう。国が支援しているのは、薬師だけではないのは知っているはずだ」
認めたくない様で、次々と言い募ってくる。
だが、どれも根拠に欠ける上に、現実的でもない。
「ドミニク様。頭では理解されているのでしょう?過ぎた行為は、見苦しいだけです。いい加減お引き下さい」
アルフレッドが、見かねたようで口を挟んできた。
「そういうが、アルフも同意したではないか」
憮然とし、忠告するアルフレッドにまで噛みついている。
「…薬師塔の者ですよね?」
ドミニクが怪訝そうに念押ししてくる。
アルフレッドが、苦笑を浮かべ頷いているのが、視界に入り目を細めた。
「アルフまで同意してどうするのだ。薬師塔勤務に間違いないと知っているだろう?」
「もちろん存じ上げています。ただ、ドミニク様の反応は至極納得がいくもので。大変失礼しました」
思ってもないと、よく分かるほどの棒読みでの謝罪だ。
「ドミニクの薬師のイメージは、どういうものなのだ?」
「そうですね…、どちらかと言えば内向的な研究者で、荒事に無縁な感じでしょうか」
「それはそれで、随分と偏っているな。何となく、学者を連想するのだが」
塔の学者達の方を言ってないかと、零せばキョトンとされる。
「何か違うのですか?」
「え、本気で訊いているのか?アルフ、これが一般的な反応なのか?」
唖然とし、アルフレッドに確認をとるのだが、ドミニクの不思議そうな表情に嘘はなさそうで、余計に目を疑う状態だった。
「いいえ。ドミニク様は、交流のある白亜の塔が一般的だと、勘違いされている様です。実際には、彼方の方が特殊なんですがね」
アルフレッドは、少しばかり渋い表情で否定してきたのだが、ドミニクの方を気にしている。
「そういう事か。確かにあの塔の者を連想すれば、ライト達は異質だろうが…。他の塔からすれば、それほど浮くほどではない。割と力仕事が多いから、軟弱では務まらないのが実情だ」
「ですが、薬師に力仕事がありましたか?薬の処方ですよね」
ドミニクは、納得がいかないようで、訝しげな態度だ。
「それも職務の1つだが、先ずは薬草の栽培が必要だ。それに、調査や品種改良などもある。土を耕すのが、新人の最初の仕事だと聞くくらい力作業が多い職場だ」
「は?土を耕すのですか…。研究者ですよね?」
「無論そうだが、何が可笑しい?素が無ければ、何も生まれないのは何事も同じだ」
「そうですが…薬草を買ってこれば、済むのではないですか?」
「気持ちは分かるが…それでは、研究費が嵩むだろう。国が支援しているのは、薬師だけではないのは知っているはずだ」
認めたくない様で、次々と言い募ってくる。
だが、どれも根拠に欠ける上に、現実的でもない。
「ドミニク様。頭では理解されているのでしょう?過ぎた行為は、見苦しいだけです。いい加減お引き下さい」
アルフレッドが、見かねたようで口を挟んできた。
「そういうが、アルフも同意したではないか」
憮然とし、忠告するアルフレッドにまで噛みついている。
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