傍観者を希望

静流

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「私は基本的に人を信用できないから、それは仕方がないだろう?アルフやグレンは付き合いが長いし、信用しているけど他は…ね。ああ、それでも領民は割と良好な関係だな」

ふと、他に良好な関係と考えて浮かんだのが領民達の顔だった。
思わずといった感じで顔がほころべば、アルフレッドが少々ムッとして妬いているようだ。

「ミンスファ領の領民が羨ましいですね。セイ様の心を、しっかり掴んでいる理由が知りたいくらいです」

「それこそ、物心つく前からの付き合いだからな。嫉妬されても彼等も困るだけだ」

拗ねたような物言いに笑い声が混じった返事を返せば、生温かい目で観られていた。

「偶には、そういう表情も見せて頂けるとホッとします。セイ様は、少し肩の力を抜いた方がいいですよ」

「そう言われると、逆に気恥ずかしくて気が抜けないのだがな。気楽な会話には、最近とんと縁がないな」

年相応の反応と揶揄られたが、冗談や軽口も全て計算尽くでやりはしても、素で口にする余裕はないのだ。

もっと言えば、何も考えずに反応できる気安い関係は、精霊以外にはほぼ居ないのだ。
例外は、側仕えのアルフレッドとグレンなのだが、完全に気を抜けるかというと、そういう訳にもいかない相手だったりする。

私の側仕えだが、同時に陛下の忠実な部下でもあるのは昔から変わらない事実だ。

「これは口が滑りましたな。ですが…確かに最近落ち着きませんね」

余計な事を言ったか、と口を押さえて戯けて見せたが、次第に眉根を寄せて考え込んでしまった。

「アルフ、そう深く考える程でもない話だ。最近世相が落ち着かないのが原因だろうしな」

「…それもあるでしょうが、作為的な要素もあるのではと、愚行したくなりましてね」

「作為…ね。まあ、なきにしもあらずかもね。大国の横槍が増してるから、一概に否定できないな」

「成人前に手を打ちたいと、そういう事でしょうな」

「随分と勝手な言い分で、私を軽んじているのだがな」

成人前の子供なら、いいように操れると信じている思考に呆れるが、それでいくと陛下の都合の良い駒だという認識なのだろう。

確かに、結果的には陛下にとって都合のいい状況だと言えるが、私が制限をかけられないから好きにしたのが原因であって、望み通りとは違う現状もある筈だ。
陛下は大抵笑って流すから、正確なところは不明だが…、駒だとは思われてないと信じてはいる。

「あの国は大国故の傲慢さがありますが、さて何時まで続きますかな。もう既に翳りが見えてますし、そう長くは続かないでしょう」

「だから、余計に私という存在に執着しているのだろう。いい迷惑でしかない」

挙句に、手に入れればどうにかなると勘違いしているかのような行動が、矢鱈と鼻について不愉快だ。
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