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「私には実感しようがないのは、解っているだろう?」
「はぁー。私が悪かったのは認めます。姉さんが、セイ様には砂糖菓子のように甘いのも、精霊が善意のみなのも変わらないでしょうからね」
「そこまで嫌悪するほどなのか?」
「付き合いが長いだけに、ピンポイントで嫌な所を突いてくるんですよ。それを言われたら反論できないと踏んで責められては、反撃の矛を封じられて、なす術もなく聞き役に徹する羽目になます」
ひたすら嫌味を聞かされるだけでは、確かに苦痛だろうと納得がいった。
でも、おそらく誰が報告しても被害は出そうな感じがして、眉根を寄せた。
「因みに、誰なら被害が少なさそうか、判るか?」
「セイ様以外は、大差ない気がするのですが…。強いて言えば、庭師かランでしょうか。ただ、ランは収拾がつかない状態になりますし、庭師とはそりが合わないので、周りに被害が出ます」
「それって、被害が拡大する例の間違いじゃないのか?」
「一応、当人への被害は少ないですよ?」
胡乱気に問えば、苦笑いで返される。
よほど、姉さんの対応は難しいようだ。
「なら、全く知らせない方が無難か?」
「…それは、最悪な選択です。私はせめて安眠したいので、それだけは遠慮しますよ」
「何で、そこで安眠が出てくるんだ?」
「以前に、一晩中耳元で、さめざめと泣かたんですよ。アレは、もう2度と御免です」
思い出したように、身震いまでして拒否されれば、流石に勧められない。
単なる伝達だけなのだが、ここまで嫌がられるのも珍しい気がする。
「行くのも放置も駄目なら、どうしろと言うのだ?」
「内容が内容なだけに、周知は必要なんですが…。悪い情報だけに、報告したがる精霊もいません」
「…姉さんの苛烈な性格が、問題なのはよく解ったが、そうすると私以外は居なくなるな」
「出来ればお願いできませんか?1番安全な選択肢です」
「上手く話を持っていくな。解った、この後手紙で報告して置くよ。それで問題はないだろ?」
遅くなれば飛び火しかねないだろうと振れば、助かったような顔をしているが、完全に安堵するのは気が早いような気がする。
敢えて指摘はしないものの、何となく知った後に姉さんがしそうな事を思い付いていたのだ。内心ライに合掌して置く、多少は罪悪感が緩和される気がする程度だが、しないよりはマシだろう。
「では、私もコレで失礼します。セイ様も手紙を送り次第、お休み下さい」
「ああ、解っている。報告ご苦労様。…ライも体調には気をつけて」
「私はいたって健康ですが、お心遣い感謝します。それでは、御前を失礼致します」
拝跪するような雰囲気の後に、気配が本当に消え去った。
最後に付け加えた言葉の意味に気付くのは、いったい何時になるのやらと、察しの悪いライに苦笑する。
「はぁー。私が悪かったのは認めます。姉さんが、セイ様には砂糖菓子のように甘いのも、精霊が善意のみなのも変わらないでしょうからね」
「そこまで嫌悪するほどなのか?」
「付き合いが長いだけに、ピンポイントで嫌な所を突いてくるんですよ。それを言われたら反論できないと踏んで責められては、反撃の矛を封じられて、なす術もなく聞き役に徹する羽目になます」
ひたすら嫌味を聞かされるだけでは、確かに苦痛だろうと納得がいった。
でも、おそらく誰が報告しても被害は出そうな感じがして、眉根を寄せた。
「因みに、誰なら被害が少なさそうか、判るか?」
「セイ様以外は、大差ない気がするのですが…。強いて言えば、庭師かランでしょうか。ただ、ランは収拾がつかない状態になりますし、庭師とはそりが合わないので、周りに被害が出ます」
「それって、被害が拡大する例の間違いじゃないのか?」
「一応、当人への被害は少ないですよ?」
胡乱気に問えば、苦笑いで返される。
よほど、姉さんの対応は難しいようだ。
「なら、全く知らせない方が無難か?」
「…それは、最悪な選択です。私はせめて安眠したいので、それだけは遠慮しますよ」
「何で、そこで安眠が出てくるんだ?」
「以前に、一晩中耳元で、さめざめと泣かたんですよ。アレは、もう2度と御免です」
思い出したように、身震いまでして拒否されれば、流石に勧められない。
単なる伝達だけなのだが、ここまで嫌がられるのも珍しい気がする。
「行くのも放置も駄目なら、どうしろと言うのだ?」
「内容が内容なだけに、周知は必要なんですが…。悪い情報だけに、報告したがる精霊もいません」
「…姉さんの苛烈な性格が、問題なのはよく解ったが、そうすると私以外は居なくなるな」
「出来ればお願いできませんか?1番安全な選択肢です」
「上手く話を持っていくな。解った、この後手紙で報告して置くよ。それで問題はないだろ?」
遅くなれば飛び火しかねないだろうと振れば、助かったような顔をしているが、完全に安堵するのは気が早いような気がする。
敢えて指摘はしないものの、何となく知った後に姉さんがしそうな事を思い付いていたのだ。内心ライに合掌して置く、多少は罪悪感が緩和される気がする程度だが、しないよりはマシだろう。
「では、私もコレで失礼します。セイ様も手紙を送り次第、お休み下さい」
「ああ、解っている。報告ご苦労様。…ライも体調には気をつけて」
「私はいたって健康ですが、お心遣い感謝します。それでは、御前を失礼致します」
拝跪するような雰囲気の後に、気配が本当に消え去った。
最後に付け加えた言葉の意味に気付くのは、いったい何時になるのやらと、察しの悪いライに苦笑する。
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