傍観者を希望

静流

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「私にも、これといった説明が難しいのだが、何となく気に掛かるのだから、仕方がないだろう」

「魚の骨が刺さったような、妙な気分という事ですか?」

「ああ、まさしくその通りだ。どうにも、人任せでは危うい気がしてな。心が騒つき、落ち着かないのだ」

「…では、宰相殿の取調べに同行し、後ろで話を聴いてみたらどうですか?」

「セイ様、何を唆しているのです。政務が溜まって、それどころではないのですよ?」

「ですが、気になって政務に身が入らないなら、同伴した方が早いのでは?」

単なる好奇心なら、それで満足だろうし、何かの虫の知らせなら、同伴して情報を共有した方が無難だ。目配せすれば、理解したようで上を見上げ、諦め顔になっている。

「この際、セイ様もご一緒に如何ですか?むろん、急用があるのでしたら、無理にとは言いませんが…」

「急用がないのは、ご存知では?」

態とらしい追加の文句に、異議を挟めば、空惚けた反応で同意を迫られる。


「結局は、私も巻き込む予定だったのですか?」

「私は命じていないが…、まあ、偶には良いのではないか?」

ごり押しのように承諾を取り、宰相殿は一時退席し、手配に向かっている。
強引過ぎるやり方に、陛下の意向か尋ねたが、首を傾げられる始末で、心当たりはなさそうだ。

「(陛下の道楽に)付き合わされるのを、陛下に慰められても、嬉しくないのですが?」

「私は強制してないが?」

「代わりに宰相殿がしているので、同罪です」

「セイ様。それを言われては、先に陛下の同伴を勧めたのが、原因となるかと」

「…巡り巡って、自分に返ってきたという事なのか?」

陛下に責任を問えば、アルフレッドが、申し訳なさそうに進言してきた。
指摘された内容からいくと、自分が招いた結果になる。
思わず渋い顔になって、呟いていた。

「いや。そうすると、私の我儘が先だ。だが、こうなると、堂々巡りで意味がないな。迷惑を掛けて済まん」

最終的に、陛下が詫びる形で纏まったが、単に終わらせる為にした様なものだった。
形ばかりの謝罪に、余計に苛立ちを覚えるが、陛下が折れて詫びたのだから、蒸し返す訳にもいかない。

「いえ。それよりも、いったい何が気になるのですか?」

「報告には問題ない筈なんだが、報告書と話に聞く男が、全く合致しないのでな」

話題を変える為に、ごねた理由を改めて訊けば、不可解そうに眉を寄せて応じられた。
道理で、宰相殿には告げない筈だと、納得がいくのだが、別の懸念も生まれる。
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