傍観者を希望

静流

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「セイ様。アルフレッド殿の言動なら、しっかり計算されてますから、そう不安がる事はないですよ。アルフレッド殿、少しは控えめにお願いします」

「これは…申し訳ありません。私も主人を心労で倒れさせるのは、不本意ですから、以後気を付けましょう」

宰相殿が宥め、アルフレッドに苦言を呈すれば、神妙な表情で頭を下げてきた。

「そこまで気にしないで良いから、頭を上げてくれないか。私が慣れれば済むことだ」

「そこは違うと思うがな、主人が側使えに合わせては、主従逆転している。合わせるべきは、アルフの方だ。むろん、間違いなら正す必要もあるが、今回の場合は悪いのセイ殿ではないからな」

「陛下に言われるのは、納得がいきませんが、その通りです。私の悪癖ですから、直す方が正解です」

「流石に、アルフもセイ殿には従順だな。私の扱いは、もっと酷かった気がするのだが?」

「それこそ人格の差です。陛下は、随分と手のかかる、我儘な主人でしたからね」

「酷い言いようだな。それほど手を煩わせてない筈だがな」

陛下は、態と拗ねたように言うが、目がしっかり笑っていて、どうも愉しんでいる。
対するアルフレッドも、心得たように応じていて、一種の言葉遊びだ。
落ち着いて観察してみれば、単に戯れているだけで、他意も含みもない。

「セイ様に比べれば、雲泥の差ですが?手を煩わせて頂けませんから、あれこれと世話を焼きたくなるくらいです」

「それが、この朝食という事か?」

陛下の呆れた響きに、居た堪れなくなる。
雲行きの怪しい話題で、スッと視線を逸らせば、視界の隅に苦笑している宰相殿がいた。

「お2人方、脱線はその辺にし、本題に戻っては如何ですか?」

「ああ、悪い。また逸れていたな」

「お茶のお代わりでも用意して来ましょうかね」

アルフレッドは、サッと下がって行く。
あまりの素早い動きに目を見開けば、陛下の忍び笑いが聞こえてきた。

「まだ何も命じてないのだが、相変わらず勘がいいな」

「部下に見習わせたいものです。ああ察しが良い者は、居ませんからね」

「それで、人払いしたい内容は何ですか?無駄話をしていると怒られますよ」

アルフレッドまで下がらせた訳を問えば、押し黙り互いに目配せしている。
それほど言いたくないのなら、碌な内容でなさそうだ。
半ば聞く気も失せてきた頃、仕方なさそうに陛下が口火を切った。

「この間の精霊王に、尋問を依頼できないか?…無理なら、それはそれで構わないのだ。訊くだけ聞いて貰えないか?」

言い澱んだ訳は解ったが、随分と無茶な要求をしてくる。
精霊を政治的に利用するのは、ご法度だと聞いた記憶があるのだが…。
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