傍観者を希望

静流

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「成程。まあ、親孝行な息子とも言えるが、虚偽は虚偽として、悪いが処罰させてもらう」

「謹んで承りましょう。当家の恥を晒し、申し訳ありません」

親の立場を慮ったとも考えられるが、国政に関わる者がやってはいけない。
申し訳なさそうに、処罰が下ると口にしているが、宰相殿の方は穏やかに頷いて、逆に詫びていた。
下手に手心を加えるなと、無言の圧力まで感じられる。

「だが、確か末の息子だったのではないか?」

「それが何か?確かに、アレは末息子ですが」

処罰を当然とばかりに応じられ、陛下の方が挙動不審な状態で、再確認しているようだ。

「普通、末息子は可愛いものだと聞く。本当に構わないのか?」

「はい。すっぱり解雇して貰った方が、アレの為には良いでしょうから、お気遣いは不要です」

「…当人が解雇処分で、上司は減俸ですが…家族間の溝が深まりませんか?」

晴れ晴れと解雇を希望され、つい尋ねてしまっていた。
陛下の同類では、家で立場がなさそうで、心配になったのだ。

「セイ様。お心遣い感謝しますが、個人的な事ですので、お捨て置きください」

「セイ殿、心配無用だ。一応、私より家族的な面もあるし、愛妻家で有名だぞ」

宰相殿には、ピシャリと拒絶されたが、陛下がニヤッと内情を教えてくる。

「愛妻家…って、え?宰相殿の事ですよね」

「陛下。余計なことを、言わないでくれませんか?」

思わず聞き返し、宰相殿を凝視していれば、顔を幾分赤らめ文句を言っていた。

「家に帰らずとも、毎日のように手紙を書いて贈っている。花やお菓子も添えてな」

「誤解していたようで、申し訳ありません。ですが、随分とマメだったんですね」

陛下の追加情報に、更に目を白黒させられたが、殺伐とした話題の後では、寧ろほのぼのした気分が心地よく思えた。

「…だから、知られたくなかったんです」

目元を赤らめ逸らしながら、照れた一言が可愛いく感じる。
純情な部分もあったんだ、と失礼な感想を抱きつつ、微笑んでいた。

「意外な一面を知れて良かったです。陛下には、微笑ましい話題はないのですか?」

「私の私生活は、あってないのと一緒だ。セイ殿が、耳にする以外には縁がないな」

肩を竦め、どうでも良さげに応じられる。
公人であるが故の、諦めが入り混じっていた。

「1番殺伐とした日々を送ってますね。ことに最近、引っ切りなしに問題ばかりですから、陛下こそ体調に留意して下さい」

「セイ様、見解が甘いですね。陛下は、この手の波乱を愉しんでますよ。心配するだけ損ですからね?」

アルフレッドが、そんな繊細さは皆無だと言わんばかりに、手を振っている。
気心が知れてるにしても、聞いている方が肝が冷える言動だ。
だが、本人の申告通り、陛下は気にもしてなさそうに笑っている。
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