253 / 292
253
しおりを挟む
「小鳥の囀りが、煩わしいなら、手を打ったらどうだ?」
「いえ、稀に役に立つので、それは失礼というものです。意外と、いい情報網を構築してますからね」
侍女達の情報網を、甘くみてはいけない、と真顔で諭されるとは思わなかった。
どうやら、1番の情報通は侍女のようだが、どんな顔をして聞いているのか、想像するとおかしくなってきた。
「それは、知らないとはいえ、失礼した。だが、一体どうやって聞き出しているのだ?そう簡単に、ペラペラ話さないと思うのだがな」
「それは当然です。そうそう、口を滑らす者は居ませんよ」
アルフレッドが、妙に誇らしげに応じてくる。
よく考えれば、宮司長の立場なら、その反応も納得でき、二足の草鞋も大変だ、と他人事のように思っていた。
「宮司長なら、余計に難しくないか?普通なら、警戒対象だ」
「それは言い過ぎですよ。上役とは、煙たい存在ですがね。この立場も、使いようによっては、情報収集にピッタリです。なにしろ、相談という名目がたちます」
「それって…職務規定に犯しないか?」
「もちろん抵触しません。王宮勤務の、円滑な履行を補助しているだけです」
半ば詭弁込みな気がし、ジーと見据えたのだが、和かに微笑まれただけだった。
「あまり聞いていると、空恐ろしくなりそうだ。グレンは、何処まで採りに行ったのだ?随分と遅くないか」
突いていい事はない、と話題を変えがてら、尋ねたのだが、アルフレッドも首を傾げている。
「そうですね。庭園に向かったにしては、おかしいですな」
探しますか?と目で問うてくるが、流石にそれは大袈裟な対応だろう。
グレンならば、純朴とはいえ、立場的に絡まれる恐れもない。
「薔薇といっても、品種が多種多様だからな。何か、拘りがあるのかもしれない。もう少し、待ってからで構わない」
「お茶が、完全に冷めてしまいましたね。グレンは、本質を見落とし、何を考えているのやら。私の指導不足で申し訳ありません」
本末転倒な状態に、詫びてくるが、我儘を言った結果だけに、苦笑いする以外の返答を思いつかない。
「グレンは、アレでいいのではないか?侍従ではないのだから、そう怒ることではないと思うがな」
「確かに、侍従と騎士の違いはございますが、側仕えには変わりありません。最低限の規約は存在します」
アルフレッドの言葉で、それなりの決まりが有った、と初めて知った。
だが、本人の意向だとしても、騎士がせっせと茶を入れるのも、違和感があるのだ。
「いえ、稀に役に立つので、それは失礼というものです。意外と、いい情報網を構築してますからね」
侍女達の情報網を、甘くみてはいけない、と真顔で諭されるとは思わなかった。
どうやら、1番の情報通は侍女のようだが、どんな顔をして聞いているのか、想像するとおかしくなってきた。
「それは、知らないとはいえ、失礼した。だが、一体どうやって聞き出しているのだ?そう簡単に、ペラペラ話さないと思うのだがな」
「それは当然です。そうそう、口を滑らす者は居ませんよ」
アルフレッドが、妙に誇らしげに応じてくる。
よく考えれば、宮司長の立場なら、その反応も納得でき、二足の草鞋も大変だ、と他人事のように思っていた。
「宮司長なら、余計に難しくないか?普通なら、警戒対象だ」
「それは言い過ぎですよ。上役とは、煙たい存在ですがね。この立場も、使いようによっては、情報収集にピッタリです。なにしろ、相談という名目がたちます」
「それって…職務規定に犯しないか?」
「もちろん抵触しません。王宮勤務の、円滑な履行を補助しているだけです」
半ば詭弁込みな気がし、ジーと見据えたのだが、和かに微笑まれただけだった。
「あまり聞いていると、空恐ろしくなりそうだ。グレンは、何処まで採りに行ったのだ?随分と遅くないか」
突いていい事はない、と話題を変えがてら、尋ねたのだが、アルフレッドも首を傾げている。
「そうですね。庭園に向かったにしては、おかしいですな」
探しますか?と目で問うてくるが、流石にそれは大袈裟な対応だろう。
グレンならば、純朴とはいえ、立場的に絡まれる恐れもない。
「薔薇といっても、品種が多種多様だからな。何か、拘りがあるのかもしれない。もう少し、待ってからで構わない」
「お茶が、完全に冷めてしまいましたね。グレンは、本質を見落とし、何を考えているのやら。私の指導不足で申し訳ありません」
本末転倒な状態に、詫びてくるが、我儘を言った結果だけに、苦笑いする以外の返答を思いつかない。
「グレンは、アレでいいのではないか?侍従ではないのだから、そう怒ることではないと思うがな」
「確かに、侍従と騎士の違いはございますが、側仕えには変わりありません。最低限の規約は存在します」
アルフレッドの言葉で、それなりの決まりが有った、と初めて知った。
だが、本人の意向だとしても、騎士がせっせと茶を入れるのも、違和感があるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる