傍観者を希望

静流

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「いえ、特に言われた訳ではありません。ただ、アルフは護衛も兼ねているのに、私は護衛以外、関知しないというのはどうかと…」

「グレンが、そこまで引け目に感じているとは、気付かなかった。済まなかったな…。だがな、アルフは元々が騎士だ。だから、陛下が選任したのだが、聞いていないのか?」

「あの、どういう事ですか?」

「やっぱり、知らないのか…道理で妙な思考になるはずだ。陛下は、初めからアルフが全て兼任できると推挙した。その上で、宮司長の仕事で外す際の護衛が必要だ、とグレンを挙げたんだ」

グレンは、目を見開き硬直してしまい、告げない方が良かったのか、と後悔し始めたところで、漸く動き出していた。

「私は…専任護衛で選ばれたと、ずっと思っていましたが、違ったのですね」

ほろ苦そうに零す言葉に、本格的に失敗したと内心目を覆っていた。

「最初は、そうだったという話だからね?その後、陛下から専任護衛にどうだろうか、と打診され、応じたのも事実だ」

専任騎士で間違いないと保証したが、相変わらず哀愁を帯びたままだ。

口から出した言葉は、引っ込めようがないが、どうすればこの状態から脱却できるのかを、真剣に思案する羽目になった。

「専任騎士はグレンのみで、他を入れる予定はない。今後、侍従と侍女が増えれば、各自能力を遺憾なく発揮できるから、そう悩む必要はない」

「そう言われますが、確か2人とも護衛を兼ねてますよね?」

変なところは、しっかり覚えていて、ジトと見据えられてしまう。
指摘された通りだけに、目をスイッと逸らせ、何か他に…と頭を巡らせていた。

流石に、ここまでくれば、グレンも察して半笑を浮かべたが、即座に打消し居住まいを正している。

「お気を遣わせ、申し訳ありません。もう大丈夫です」

「あ、いや。でも、納得してなかっただろ?」

「私も騎士の端くれです。職務を全うする以外に、気を逸らせていた方を恥じいるだけです」

少し垣間見せた感情は、綺麗に覆い隠され、最早確認のしようがない。
グレンがそう言い切るのなら、これ以上の介入は余計なお世話になりそうだ。

「グレンがそう言うのなら、私はそれを受け入れるが、何か気に病んでいるのなら何時でも申し出てくれ、相談には応じられる。いいね?」

「お心遣いに感謝します。では、その時はよろしくお願いします」

了承しているが、そう簡単に話を振ってくる気がしない。
内心どうしたものかと、余計に頭を悩ませていた。
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