隣の青山さんが勇者になりましたが、俺はせいぜい運が良かっただけでした。

ジミー凌我

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運だけはいいみたい①

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 え、僕どうしたらいいの?
 と考えるも、日銭ぐらいしか持たされず城どころか街の外にまで追い出されてしまった僕は、もう一度街に戻ろうと思い門の方を向くが、門番らしき人ににらまれてしまったので入るのをやめた。
 ついでで異世界に召喚されるし、ステータスも低いからと邪険に扱われて捨てられるし、運だけはいいはずなのに散々だ。
 だけれど、何をするにもこの世界の事情を何も教えてもらっていないので何ができるかもわからないので、とりあえず別の街に行くしかない。
 何かしていないと心がしんどい。
 現状わかっていることは、魔王の侵略に脅かされている世界に召喚されたことぐらいで、自分の力もここがどこかもわからない。錆びた剣は使える気がしないし。
 僕は周りを見回した。
 すると、街から続く複数の道の1つに看板があった。きっと次の街へのことが書いてあるに違いないと早速看板を見に行った。
 そこにはやはり地図のようなものが書いてあった。
 見たことない文字も書いてあったけど、苦も無く読むことができた。というより、頭の中に意味が浮かび上がってきた。きっと、この世界に召喚されたときに適用されたことだとむりやり理解することにした。
「えっと、この町の名前はドグラットというのか……で、次の街は」
 どうやら、街から複数に分かれている道で近くの街に通じているのは2本みたいだ。
 ほかにも街に通じていそうな道はあったけど地図はそこまで広く詳細に書いてあるものじゃなかったので、一番行きやすそうな街の道に行くことにした。
「ただ、どっちに行くかなんだよな。一つは右の道のグロテリア、もう一つは左の道のハピリア……」
 なんか名前のイメージ的に、グロテリアは治安が悪そうで、ハピリアは温厚そうな街のイメージだ。
 でも、せっかく運のステータスが、いいんだ。そこら辺に落ちている木の枝でも投げて決めようかな。
 そう思い僕は木の枝を探した。
「お、あったあった。よし、そーれっと」
 木の枝は不格好に宙を舞い、そしてグロテリアのほうを指し示した。
「マジか……」
 そうつぶやき、僕はグロテリアへの道に進むのだった。
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