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プロローグ③
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クレハが手を放してくれないまま、街についた。
街の入り口にいた門番の人にすごく睨まれたが、きっとよそ者っぽかったからだろう。
クレハに手を握られていたからとか、クレハが「この街の人間じゃないけど私の連れだからだいじょうぶ」とか言っていたから、特別な感情を持たれていると勘違いされてはいないだろう。そんな勘違いされていたらめんどくさい。
よそ者だから睨んだということにしておこう。そうしよう。
クレハは手を引っ張ったままで〈ギルド〉という場所まで連れていってくれるらしい。
ここに来るまででも結構いろんな店や人がいたから栄えている街なのだろう。
初めて見る植物や果物を打っているお店があって気になったので、後で見に行こう。お金はないけれど……。
それに異世界だからかやはり武器屋のようなお店もあった。武器は物騒でちょっとおっかないけれど、面白いものがありそうだからそこも後で見に行こうと思った。
そんなこんなで5分ほどで、〈ギルド〉へ着いた。
ギルドの建物は5階建てくらいで、大きい。
「リョウト!ようこそ、冒険者の溜まり場改め、冒険者の夢〈ギルド〉へ!」
入り口でクレハは大きく手を広げて、俺に言うが、〈ギルド〉の重要性をいまだにわかっていないため「へー、すごい」くらいの反応しかできない。
クレハはむー……。と頬をすこしふくらませ、ギルドのドアを強く開ける。
一緒に中に入ると、実際にとても広い空間になっていた。
中を歩きながらギルドについてクレハが説明してくれる。
「ギルドはね。1階に依頼を受けたり、依頼達成の報告をして報酬金や報酬のアイテムをもらえる受付があるの。ここで冒険者の登録も出来るんだよ。で、2階は食堂のようになっていて、ご飯を食べたりお酒を飲んだりできるの。3階から5階は狭い部屋だけど宿泊が出来るようになっているの。この街に住んで冒険者をしている人もいるんだけど。旅をしながら冒険者をしている人もたくさんいるから、そういう人は、このギルドにそのまま泊まることもできるのよ。ギルドで依頼を受けて、達成してお金をもらって、そのお金でご飯を食べたり、泊まれたりする。この建物の中だけで生活ができる便利な場所なんだよ!」
へー、すごいなぁ。あー、でも冒険者になるなら、ゆっくり旅をしたりもしたいなぁ。まずはこの街でいろいろ知らないとだけど。
「そういえば、深くは聞いてなかったけど、冒険者ってなんなんだ?」
すると、クレハじゃなく、受付の方から声がした。
「冒険者っていうのは、街の外に出現するモンスターを倒したり、生活で必要だったり人が欲しがる植物や鉱石などの素材を集めたり、未開の地を切り開いたりする人たちのことを言うんですよ。中には旅人や商人を狙って悪さをする人達もいるのでその人達を懲らしめたりなんかもしたりします。で、その依頼がここ〈ギルド〉ヘ集まり、冒険者の方達へ提供するのが、私達、ギルドの職員なんです。初めまして、新人さんかしら。私の名前は〈ソリティア〉よ。よろしくね」
ギルドの職員という〈ソリティア〉さんが冒険者について教えてくれた。
ソリティアさんは僕と同い年くらいの女性で、黒髪ショートカットのかわいらしい女性だ。
「初めまして、ソリティアさん!俺はリョウトです。よろしくお願いします」
「そうそう!彼はリョウト!リョウトの冒険者の登録に来たの。このあたりのこととか冒険者のこととか何も知らないみたいだから、私が教えてあげてたのよ!」
クレハが身を乗り出して、俺のことをソリティアさんに紹介してくれる。
「あら、クレハ。あなたは、依頼の報告もあるんじゃない?登録等のことは私が教えておくから。あなたは依頼達成の報告をしてきなさい。依頼人が待っているわよ」
「あぁ!そうだった!報告があったんだった!」
そう言って、クレハさんは走って別の受付に去っていった。
「じゃあ、説明しながら登録をしましょう。リョウト君。ここに座って」
俺はドキドキしながら、受付の対面の椅子に座った。
街の入り口にいた門番の人にすごく睨まれたが、きっとよそ者っぽかったからだろう。
クレハに手を握られていたからとか、クレハが「この街の人間じゃないけど私の連れだからだいじょうぶ」とか言っていたから、特別な感情を持たれていると勘違いされてはいないだろう。そんな勘違いされていたらめんどくさい。
よそ者だから睨んだということにしておこう。そうしよう。
クレハは手を引っ張ったままで〈ギルド〉という場所まで連れていってくれるらしい。
ここに来るまででも結構いろんな店や人がいたから栄えている街なのだろう。
初めて見る植物や果物を打っているお店があって気になったので、後で見に行こう。お金はないけれど……。
それに異世界だからかやはり武器屋のようなお店もあった。武器は物騒でちょっとおっかないけれど、面白いものがありそうだからそこも後で見に行こうと思った。
そんなこんなで5分ほどで、〈ギルド〉へ着いた。
ギルドの建物は5階建てくらいで、大きい。
「リョウト!ようこそ、冒険者の溜まり場改め、冒険者の夢〈ギルド〉へ!」
入り口でクレハは大きく手を広げて、俺に言うが、〈ギルド〉の重要性をいまだにわかっていないため「へー、すごい」くらいの反応しかできない。
クレハはむー……。と頬をすこしふくらませ、ギルドのドアを強く開ける。
一緒に中に入ると、実際にとても広い空間になっていた。
中を歩きながらギルドについてクレハが説明してくれる。
「ギルドはね。1階に依頼を受けたり、依頼達成の報告をして報酬金や報酬のアイテムをもらえる受付があるの。ここで冒険者の登録も出来るんだよ。で、2階は食堂のようになっていて、ご飯を食べたりお酒を飲んだりできるの。3階から5階は狭い部屋だけど宿泊が出来るようになっているの。この街に住んで冒険者をしている人もいるんだけど。旅をしながら冒険者をしている人もたくさんいるから、そういう人は、このギルドにそのまま泊まることもできるのよ。ギルドで依頼を受けて、達成してお金をもらって、そのお金でご飯を食べたり、泊まれたりする。この建物の中だけで生活ができる便利な場所なんだよ!」
へー、すごいなぁ。あー、でも冒険者になるなら、ゆっくり旅をしたりもしたいなぁ。まずはこの街でいろいろ知らないとだけど。
「そういえば、深くは聞いてなかったけど、冒険者ってなんなんだ?」
すると、クレハじゃなく、受付の方から声がした。
「冒険者っていうのは、街の外に出現するモンスターを倒したり、生活で必要だったり人が欲しがる植物や鉱石などの素材を集めたり、未開の地を切り開いたりする人たちのことを言うんですよ。中には旅人や商人を狙って悪さをする人達もいるのでその人達を懲らしめたりなんかもしたりします。で、その依頼がここ〈ギルド〉ヘ集まり、冒険者の方達へ提供するのが、私達、ギルドの職員なんです。初めまして、新人さんかしら。私の名前は〈ソリティア〉よ。よろしくね」
ギルドの職員という〈ソリティア〉さんが冒険者について教えてくれた。
ソリティアさんは僕と同い年くらいの女性で、黒髪ショートカットのかわいらしい女性だ。
「初めまして、ソリティアさん!俺はリョウトです。よろしくお願いします」
「そうそう!彼はリョウト!リョウトの冒険者の登録に来たの。このあたりのこととか冒険者のこととか何も知らないみたいだから、私が教えてあげてたのよ!」
クレハが身を乗り出して、俺のことをソリティアさんに紹介してくれる。
「あら、クレハ。あなたは、依頼の報告もあるんじゃない?登録等のことは私が教えておくから。あなたは依頼達成の報告をしてきなさい。依頼人が待っているわよ」
「あぁ!そうだった!報告があったんだった!」
そう言って、クレハさんは走って別の受付に去っていった。
「じゃあ、説明しながら登録をしましょう。リョウト君。ここに座って」
俺はドキドキしながら、受付の対面の椅子に座った。
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