せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我

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プロローグ④

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 まずギルドの受付、ソリティアさんはこの街について教えてくれた。
「もしかしたら、クレハから聞いたかもしれないけど、この街クアントは冒険者の街といわれているの。それは、周りに出現するモンスターが強すぎないということもあるわね。それに知っているとは思うけれど、この世界には人間の世界を脅かすモンスターの頂点である魔王という存在もいるんだけど、その魔王がいるといわれている場所から最も遠くにある街だということもあるわ。つまりこの街は駆け出しの冒険者や低いランクの冒険者が多くいる街なの。だから、相対的に他の街に比べて冒険者の数も多く、このギルドに寝泊まりする冒険者もたくさんいるの。他の街だと冒険者っていうのはもっと少ないものなんだけどね。だからこそ、この街クアントは冒険者の街っていうことよ。それに、だからこそ、この街には防具や武器。それに冒険にあった方がいいアイテムなんかが売ってあるお店もたくさんあるのよ」
 なるほど、それで冒険者の街なのか。
 何も知らないまま、最初にこれた街が初心者推奨の街だなんて……。これもきっと異世界転生の特典というやつなんだろうか…。
「つまり冒険者の登録をしたら、まずは武器や防具をこの街のお店で買いそろえないといけないんですね。あ…でも俺お金ないんでした……。そういう場合はどうすればいいんですか?」
 すると、ソリティアさんはよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりの得意顔で、答えてくれた。
「それは気にしなくても大丈夫よ!今からここで冒険者の登録をすれば、スターターキットとして、特殊な能力や特別強いわけではないけれど、初心者用の武器と簡単な装備、そして……冒険先で採取した素材を自由に出し入れできる便利アイテム〈マジックバック〉をプレゼントするわ!」
「〈マジックバック〉?」
 さすがに元の世界の同僚からも聞いたことがない言葉に、首をかしげて聞いてしまう。
「マジックバックというのは、この街にも1人いる特殊な魔法技師が作った革製の巾着袋のようなものよ。後で渡してあげるわ。楽しみにしていて頂戴ね。それで、冒険者の登録なんだけど、リョウト君はまずは〈Eランク冒険者〉からのスタートになるわ。ランクは下からE→D→C→B→A→Sというようになっていて、このギルドへ集まる依頼のランクも同じようにEからSランクマであるの。Eランクの冒険者はEランクの以来しか受けられず。Dランクの冒険者からは同じランク以下の依頼を受けることが出来るわ。つまり、リョウト君が冒険者の登録が完了したら、Eランクの依頼から受けられるようになるの」
 なるほど、さっきこのギルドを見て歩いていた時に見つけたボードに、DやらEやら書かれた紙がたくさん貼られていたけど、きっとあれがこのギルドで受けられる以来というやつなのだろう。
「冒険者のランクってどうやって上げることができるんですか?」
「またまたいい質問ね。それは依頼をたくさん達成すればいいわ。例えば、EランクからDランクに上げるには、Eランクの依頼を20回達成して、ギルドで行われる昇級試験用の依頼を達成したら、ランクを上げることが出来るの。ちなみにギルドは他の街にもあるし、達成した依頼の数は今から渡す冒険者カードで確認できるから、それを提示すれば昇級試験はどのギルドでも受けられるよ」
 なかなか面白そうなシステムだ。冒険者カードというものも気になる。
「なら、さっそく登録をお願いします!」
「ええ!なら、まず最初に名前をこの紙に記入して。そうそう…。他の項目も…。で、使いたい武器も選べるわ…。その使いたい武器の初心者用を用意して、渡すようになるの……。あ、あとマジックバックの色も選べるわ……。なるほどその色がいいのね……。ありがとう!じゃあ、後はこれを登録して……。ちょっと待っててね」
 そういえば、この世界の言葉がわからない!と思ったが、転生特典か何かでわかるし書けるようになっていた。
 10分くらいして、ソリティアさんが戻ってきた。
「お待たせ。これがあなたの冒険者としてのスターターキットよ!冒険者カードも一緒に渡しておくわね」
「ありがとうございます!」
「あ!リョウト!登録は終わった?」
 ちょっとワクワクしながら、冒険者としての一式を受け取ったとき、クレハも戻ってきた。
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