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プロローグ⑤
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クレハが依頼達成の報告から戻ってきた。
「リョウト!登録終わったんだね!あ、そうそうこれ!リョウトの分」
そう言って、クレハは小さなきんちゃく袋を渡してきた。
どうやら中身はお金?のようだ。
「このお金はどうしたの?俺何にもしてないけど…」
「これはさっきキバノシを追い返した分だよ!最近この町周辺によく現れていたみたいでさ。追い返したこともついでに報告したら、報酬をくれたの。キバノシは性質上一度追い返すとその近くには寄り付かなくなるから、討伐にはならないけど退治にはなるんだって。で、リョウトがひきつけてくれたおかげもあるし、10,000ドゴムを半分こして5,000ドゴムずつ分けたの!」
なるほど……そういうことならもらっておこう。でも、ドゴムってどれくらいの単位なのだろう?
「そういうことなら、ありがたくもらっておくよ。ありがとうクレハ」
「え……そんな改めてお礼言われると照れるじゃない!いいのよ!私も半分もらったし」
そう言って、クレハは顔を少し赤くして手をぶんぶん降る。
「あ、それはそれとして、5,000ドゴムで食事や宿泊は出来るのか?」
「えぇ!出来るわって…ドゴム通貨を知らないの…?まあ、いいか!えっと、このギルドで食事をすると1食が500ドゴムくらいで、宿泊するには1泊2,500ドゴムくらいだから…今日は大丈夫ね!あ、じゃあ、ついでだし!ソリティアさん!リョウトの分の部屋1部屋押さえといてくれる?」
ついでで、なぜか俺の部屋をクレハがとってくれる。
黙って俺とクレハの会話を聞いてくれていたソリティアさんが、部屋を押えてくれたので、俺は、2,500ドゴムをいま貰ったきんちゃく袋から通貨の種類を聞きながら取り出し、ソリティアさんに渡した。
「えぇ、確かに宿泊代は頂いたわ。でも、部屋を押えておいてッて、部屋はたくさんあるのだから、埋まることなんてめったにないのよ」
そう言って、口元に手を置きソリティアさんは笑っていた。
俺は、クレハの方に向き直り、明日以降のことについてお願いしてみた。
「今、クレハからもらったお金でも明日にはなくなってしまう。だから…もしよければなんだが、明日から何回かでいいから一緒に冒険者として依頼を受けてはくれないか?」
「うん!いいよ!」
ダメもとで頼んでみたのだけれど、クレハは数秒も考えることなく了承してくれた。
「実は私、もうすぐCランクへの昇級試験用の依頼が受けられるようになるんだけど。昇級試験に合格できるか自信がなくて……。気分転換になるかもしれないし、よかったら一緒に依頼を受けよう!……そういえば、武器は何にしたの?あ!長剣にしたんだね!間合いとか慣れるまで大変かもしれないけど、モノにできればすごく役に立つと思うよ!」
そう、俺は最初の武器は長剣を選んだ。形が多少日本刀に似ているような感じもするし、馴染み深い気がしたからだ。ただ、思ったよりも長かったので、日本刀より薙刀っぽい気もするが……まぁ、良しとしよう。
そして、もらったマジックバックの色は赤、なんとなく赤が好きだから赤の色を選んだ。
今日はもう依頼に行くことはないので、さっきとっておいた部屋に運んでもらえるよう、ソリティアさんにもらった装備一式を預けた。
今の時間はこの世界の昼過ぎくらいらしい。
お腹もあまり空いていないし、クレハが一緒に行こうというので……。これからこの街を散策することになった。
「リョウト!登録終わったんだね!あ、そうそうこれ!リョウトの分」
そう言って、クレハは小さなきんちゃく袋を渡してきた。
どうやら中身はお金?のようだ。
「このお金はどうしたの?俺何にもしてないけど…」
「これはさっきキバノシを追い返した分だよ!最近この町周辺によく現れていたみたいでさ。追い返したこともついでに報告したら、報酬をくれたの。キバノシは性質上一度追い返すとその近くには寄り付かなくなるから、討伐にはならないけど退治にはなるんだって。で、リョウトがひきつけてくれたおかげもあるし、10,000ドゴムを半分こして5,000ドゴムずつ分けたの!」
なるほど……そういうことならもらっておこう。でも、ドゴムってどれくらいの単位なのだろう?
「そういうことなら、ありがたくもらっておくよ。ありがとうクレハ」
「え……そんな改めてお礼言われると照れるじゃない!いいのよ!私も半分もらったし」
そう言って、クレハは顔を少し赤くして手をぶんぶん降る。
「あ、それはそれとして、5,000ドゴムで食事や宿泊は出来るのか?」
「えぇ!出来るわって…ドゴム通貨を知らないの…?まあ、いいか!えっと、このギルドで食事をすると1食が500ドゴムくらいで、宿泊するには1泊2,500ドゴムくらいだから…今日は大丈夫ね!あ、じゃあ、ついでだし!ソリティアさん!リョウトの分の部屋1部屋押さえといてくれる?」
ついでで、なぜか俺の部屋をクレハがとってくれる。
黙って俺とクレハの会話を聞いてくれていたソリティアさんが、部屋を押えてくれたので、俺は、2,500ドゴムをいま貰ったきんちゃく袋から通貨の種類を聞きながら取り出し、ソリティアさんに渡した。
「えぇ、確かに宿泊代は頂いたわ。でも、部屋を押えておいてッて、部屋はたくさんあるのだから、埋まることなんてめったにないのよ」
そう言って、口元に手を置きソリティアさんは笑っていた。
俺は、クレハの方に向き直り、明日以降のことについてお願いしてみた。
「今、クレハからもらったお金でも明日にはなくなってしまう。だから…もしよければなんだが、明日から何回かでいいから一緒に冒険者として依頼を受けてはくれないか?」
「うん!いいよ!」
ダメもとで頼んでみたのだけれど、クレハは数秒も考えることなく了承してくれた。
「実は私、もうすぐCランクへの昇級試験用の依頼が受けられるようになるんだけど。昇級試験に合格できるか自信がなくて……。気分転換になるかもしれないし、よかったら一緒に依頼を受けよう!……そういえば、武器は何にしたの?あ!長剣にしたんだね!間合いとか慣れるまで大変かもしれないけど、モノにできればすごく役に立つと思うよ!」
そう、俺は最初の武器は長剣を選んだ。形が多少日本刀に似ているような感じもするし、馴染み深い気がしたからだ。ただ、思ったよりも長かったので、日本刀より薙刀っぽい気もするが……まぁ、良しとしよう。
そして、もらったマジックバックの色は赤、なんとなく赤が好きだから赤の色を選んだ。
今日はもう依頼に行くことはないので、さっきとっておいた部屋に運んでもらえるよう、ソリティアさんにもらった装備一式を預けた。
今の時間はこの世界の昼過ぎくらいらしい。
お腹もあまり空いていないし、クレハが一緒に行こうというので……。これからこの街を散策することになった。
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