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決闘に向けて①
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豪華なベッドだったのでゆっくり寝ていたのだが、ゆっくり寝すぎたみたいだった。
起きて準備が出来たら、部屋にある一方通行のワープゾーン(光の柱だとなんかぽくないのでワープゾーンと呼ぶことにした)から食堂まで行けると、昨日ソルドさんに教えてもらっていたので、部屋に備え付けられている洗面所で顔を洗ったりして準備をしていたのだが、そこでふと思った。
昨日魔王軍幹部のお義父さん?から魔王候補についてのことって、そういえば何も聞けてない気がするな、と。確かに、この城の全員にクレハと俺の関係を認められないといけないことは、なんとなくわかる気もするんだけど。
クレハ一人や俺一人では、魔王にはなれないのだろうか。
魔王は2人1組みたいな決まりとかあるんだろうか。
なんて、いろいろ想像は働くのだが、結局は想像なのでやはりいろいろ状況をクリアにして、直接聞くのがいいんだろうな。
クレハに昨日聞いても「それはリョウトと一緒じゃないといみないもん!」って、言うだけだったし。
というわけで、身支度を整えワープゾーンに触れて食堂に向かった。
食堂では、クレハがすでにご飯を食べていた。
それに、ソルドさんと、昨日広間にいた気がする人が3人。
コック服の耳がとがった男性、そして使用人のような褐色の肌の女性が2人。全員やはり魔族の様だ。
「リョウト!おはよう、私先に食べちゃってるわよ!」
「おはよう、クレハ。えーっと、それにソルドさんも」
「おはようございます。リョウト様。…。リョウト様に紹介したい方がいます」
ソルドさんがそう言うと、3人がそれぞれ自己紹介を始めた。
まず最初にコック服の男性から話し始めた。
「初めまして。リョウト様。クレハ様のパートナーになられたということでおめでとうございます。私は〈ロラン〉といいます。この城でコックをしております。ソランは私の息子でございまして、いつもは私と一緒にコック業をしているのですが、リョウト様を倒すために今は修行中だそうで外出中でございます。息子ともどもよろしくお願いいたします」
「リョウトです。よろしくお願いします」
ロランさんと握手をする。凄く優しそうな人だ。クレハの食べている料理を見るとすごくおいしそうなので、この家のコックさんとしてすごく万能なんだろうなと料理を食べるのが楽しみになった。
そして今度は使用人風の女性二人が同時に話し始めた。
『初めまして。リョウト様。私達はこの城で家事などをしております。使用人です。私達は双子で』
「左の私が〈ミトロ〉」
「右の私が〈ヒトロ〉」
『と言います。何か急ぎのようなものがあれば私達にお声がけいただければと思います。よろしくお願いします』
「ミトロさんと、ヒトロさんですね。リョウトです。よろしくお願いします」
本当にすごくそっくりだなと思いながら、二人とそれぞれ握手する。
「ではごゆっくりお召し上がりくださいませ」
挨拶がすむと、気が付くとテーブルの上に俺の分の朝食も準備されていて、席に座るころにはクレハとソルドさん以外は仕事をしに行ったのか、どこかに消えていた。
「ロランさんの料理凄くおいしいんだよ!リョウトも早く食べて!食べたら今日は修行だよ!ソランと決闘するにはステータスが上がっていてもリョウトは実戦不足なんだし!」
「そうだな。クレハに手伝ってもらえるとすごく助かるよ」
そう言い、料理を食べ始める。
パンとスープとサラダ。朝食としては、前世でも見たことがあるようなベーシックなものではあったが、どれもすごくおいしい。パンは焼き立てなのだろう、少し熱いが、手で持てるくらいでほのかなバターと塩味が口当たりよくいくらでも食べられそうだ。スープはコンソメによく似た味で、黄金色で見た目も綺麗だ。パンで乾いたのどを優しく潤し満足感を増幅させる。具材は何も入っていないのに、その味だけで満足してしまうくらい絶妙な味の調整をしていた。そしてサラダは、その野菜の新鮮さから今日の朝採ったばかりなのが分かるくらい、野菜1種類1種類の味が鮮明にわかり、また手作りであろう少し酸味のあるドレッシングと相性は抜群だった。
あっという間に食べ終えてしまい、水を飲んで一息つく。
すると、思い出したかのように、ソルドさんが口を開く。
「あぁ、リョウト様。ソランとも決闘の予定はどういたしましょう?ソランからは、リョウト様の都合に合わせてやる、と言われておりますが」
「あら。ソラン強がっちゃって。でも、これはリョウトの戦いだし、リョウトが決めてもいいよ!」
クレハにそう言われ、今一度考える。戦う経験はないから余裕を見た方がいいのかもしれないが、ソランに認めさせることを最初にすると決めた以上、誰にも俺を見てもらわないまま期間が空けば空くほど、今中立な考えの人たちさえ俺に懐疑的な思いを持つようになるかもしれない……。…………なら。
「ソルドさん。ソランに今日から数えて3日後に戦いたいと伝えてもらえますか?」
「かしこまりました。リョウト様」
「えっ!そんなに早くでいいの?それじゃあ、今日と明日の2日しか修行できないけど……」
クレハが心配してくれるが、俺は大丈夫だとうなずく。
ソルドさんはきっとソランに伝えに行ったのだろう、すでにいなくなっていた。
「クレハ、どこで修業をするんだ?…………行こう!」
そう言って、俺とクレハはこの城の地下にあるという修行場へ向かった。
起きて準備が出来たら、部屋にある一方通行のワープゾーン(光の柱だとなんかぽくないのでワープゾーンと呼ぶことにした)から食堂まで行けると、昨日ソルドさんに教えてもらっていたので、部屋に備え付けられている洗面所で顔を洗ったりして準備をしていたのだが、そこでふと思った。
昨日魔王軍幹部のお義父さん?から魔王候補についてのことって、そういえば何も聞けてない気がするな、と。確かに、この城の全員にクレハと俺の関係を認められないといけないことは、なんとなくわかる気もするんだけど。
クレハ一人や俺一人では、魔王にはなれないのだろうか。
魔王は2人1組みたいな決まりとかあるんだろうか。
なんて、いろいろ想像は働くのだが、結局は想像なのでやはりいろいろ状況をクリアにして、直接聞くのがいいんだろうな。
クレハに昨日聞いても「それはリョウトと一緒じゃないといみないもん!」って、言うだけだったし。
というわけで、身支度を整えワープゾーンに触れて食堂に向かった。
食堂では、クレハがすでにご飯を食べていた。
それに、ソルドさんと、昨日広間にいた気がする人が3人。
コック服の耳がとがった男性、そして使用人のような褐色の肌の女性が2人。全員やはり魔族の様だ。
「リョウト!おはよう、私先に食べちゃってるわよ!」
「おはよう、クレハ。えーっと、それにソルドさんも」
「おはようございます。リョウト様。…。リョウト様に紹介したい方がいます」
ソルドさんがそう言うと、3人がそれぞれ自己紹介を始めた。
まず最初にコック服の男性から話し始めた。
「初めまして。リョウト様。クレハ様のパートナーになられたということでおめでとうございます。私は〈ロラン〉といいます。この城でコックをしております。ソランは私の息子でございまして、いつもは私と一緒にコック業をしているのですが、リョウト様を倒すために今は修行中だそうで外出中でございます。息子ともどもよろしくお願いいたします」
「リョウトです。よろしくお願いします」
ロランさんと握手をする。凄く優しそうな人だ。クレハの食べている料理を見るとすごくおいしそうなので、この家のコックさんとしてすごく万能なんだろうなと料理を食べるのが楽しみになった。
そして今度は使用人風の女性二人が同時に話し始めた。
『初めまして。リョウト様。私達はこの城で家事などをしております。使用人です。私達は双子で』
「左の私が〈ミトロ〉」
「右の私が〈ヒトロ〉」
『と言います。何か急ぎのようなものがあれば私達にお声がけいただければと思います。よろしくお願いします』
「ミトロさんと、ヒトロさんですね。リョウトです。よろしくお願いします」
本当にすごくそっくりだなと思いながら、二人とそれぞれ握手する。
「ではごゆっくりお召し上がりくださいませ」
挨拶がすむと、気が付くとテーブルの上に俺の分の朝食も準備されていて、席に座るころにはクレハとソルドさん以外は仕事をしに行ったのか、どこかに消えていた。
「ロランさんの料理凄くおいしいんだよ!リョウトも早く食べて!食べたら今日は修行だよ!ソランと決闘するにはステータスが上がっていてもリョウトは実戦不足なんだし!」
「そうだな。クレハに手伝ってもらえるとすごく助かるよ」
そう言い、料理を食べ始める。
パンとスープとサラダ。朝食としては、前世でも見たことがあるようなベーシックなものではあったが、どれもすごくおいしい。パンは焼き立てなのだろう、少し熱いが、手で持てるくらいでほのかなバターと塩味が口当たりよくいくらでも食べられそうだ。スープはコンソメによく似た味で、黄金色で見た目も綺麗だ。パンで乾いたのどを優しく潤し満足感を増幅させる。具材は何も入っていないのに、その味だけで満足してしまうくらい絶妙な味の調整をしていた。そしてサラダは、その野菜の新鮮さから今日の朝採ったばかりなのが分かるくらい、野菜1種類1種類の味が鮮明にわかり、また手作りであろう少し酸味のあるドレッシングと相性は抜群だった。
あっという間に食べ終えてしまい、水を飲んで一息つく。
すると、思い出したかのように、ソルドさんが口を開く。
「あぁ、リョウト様。ソランとも決闘の予定はどういたしましょう?ソランからは、リョウト様の都合に合わせてやる、と言われておりますが」
「あら。ソラン強がっちゃって。でも、これはリョウトの戦いだし、リョウトが決めてもいいよ!」
クレハにそう言われ、今一度考える。戦う経験はないから余裕を見た方がいいのかもしれないが、ソランに認めさせることを最初にすると決めた以上、誰にも俺を見てもらわないまま期間が空けば空くほど、今中立な考えの人たちさえ俺に懐疑的な思いを持つようになるかもしれない……。…………なら。
「ソルドさん。ソランに今日から数えて3日後に戦いたいと伝えてもらえますか?」
「かしこまりました。リョウト様」
「えっ!そんなに早くでいいの?それじゃあ、今日と明日の2日しか修行できないけど……」
クレハが心配してくれるが、俺は大丈夫だとうなずく。
ソルドさんはきっとソランに伝えに行ったのだろう、すでにいなくなっていた。
「クレハ、どこで修業をするんだ?…………行こう!」
そう言って、俺とクレハはこの城の地下にあるという修行場へ向かった。
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