せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我

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ジンスの本音②

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 ジンスさんは細身で長身、30歳くらいの男性で、強そうなオーラをまとった人。
 ジンスさんと初めて会った次の日、さっそくジンスさんと一緒に門番をすることになった。
「おはようございます。ジンスさん!」
「おはよう。リョウト君。門番の仕事といっても、外敵や侵入者なんてめったに来ないから気楽にしてくれ」
 門番の仕事として俺が来たのは、城の門。
 仕事としては、この門に立ち、来たものの身分を確認し怪しいものはその場で止める。そして、外敵や侵入者を捕らえたり、討伐したりする………らしい。
「悪いね。リョウト君。僕は別に君とクレハ様のことを認めないとかそういうのはないんだけど………実は君と1対1で話をしてみたくてね。だから、認めさせるには一緒に門番の仕事をする。という条件を出したのさ」
「そうだったんですね。ありがとうございます。それで、話というのは………」
「いや、何か決まって話したいことがあるわけじゃないんだが、たわいない話から人となりを知らないと、その人を上司として信用できないと思ってね。君とクレハはこれから魔王候補になるんだ。ということは、僕の、上司になるってことだろう」
 確かに、無条件で信用してくれ、認めてくれなんて虫のいい話だもんな。
 ジンスさんは、昨日まで遠征に行っていたんだし、俺とソランの決闘も知らないはずだしな。
 とりあえず、ジンスさんに俺の今日までの流し流され紆余曲折あった異世界での一連の出来事を話した。
「そうかそうか。ハハハ。それは、大変だったな。クレハ様にも困ったものだ。でも、そのクレハ様のためにリョウト君も頑張ったのだな。そうかそうか。リョウト君は………そこそこ強そうだな」
 その時、ジンスさんから闘気のようなものが発せられ、一気に身がすくんだ。
 この人は、もしかすると、この城の中で魔王軍幹部のアテクさんの次くらいに強いんじゃないだろうか………。
「おおすまない。戦いの話を聞いたらつい戦いたくなってしまった」
「ハハ………冗談はよしこちゃんですよ………ハハ」
「なんだ、それは?」
 動揺して、茶化したらちょっと空気が悪くなった。
 そんな話をしながら、数時間は何も起きなかった。
 やはりそうそう問題なんて起こらないんだろう。
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